18禁ゲームの貴族に転生したけど、ステータスが別ゲーのなんだが? えっ? 俺、モブだよね?

ライカ

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第五章

スケッベからの頼み事

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「すみません シモン様
急にお呼びしてしまって」

スケッベからの手紙を読んだ後、フローラ達の買い物を終え、一日が終わろうとする頃……

俺はスケッベに指定された時刻にエロガイルを訪れていた
俺が来るとスムーズに中に入れてもらい、スケッベと対面していた

「早速だが聞かせてくれないか?」

俺は懐から手紙を取り出すとスケッベを見た

「俺に託したい奴隷が居る ってのはどう言う事だ?」

そう……  手紙の内容は簡潔で『シモン様に託したい奴隷が居ります 詳しい内容はエロガイルで』と書かれていた
手紙の内容からして、普通の奴隷商としてではないと感じ、こうして来たのだ

「えぇ、さっそくご案内します
話はそれからで……」

スケッベはそう言うと俺を連れて、廊下を進み出した
しばらく進むとそこはユキ達と出会った部屋だった
そしてスケッベが中に入ったので、俺も後に続くと……

「……」

思わず言葉を失った
中には五人の女性が居た……
一人は下半身が馬のケンタウロス族、もう二人は鬼人族の姉妹?、そしてもう1人が片腕が無いダークエルフだった
そして……

「人魚……、だと?」

最後の1人はまさに絶世の美女と言うに相応しい人魚が其処に居た
下半身を見ると腰部に人魚専用のスカートを付けていて、綺麗な淡色の鱗が目立つ
そして顔を見ると俺と目が合ったが恐る様子は無く、むしろ好意的に俺に微笑みかけてきた

「驚きますよね?
シモン様 これは奴隷商としてではなく、この国の為に貴方にこの五人を託したいのです」

スケッベは俺の前に来るとそう言い、頭を下げてきた

「ちょ、ちょっと待て!?
流石に説明してくれ!?」

「おっと、そうでしたね」

スケッベはそう言うと先ずはとケンタウロス族の女性を指した

「彼女はケンタウロス族の長だった者です
弓の腕も確かな物ですが、槍の名手でもありました」

「ケンタウロス族のオデュール・レリホーだ
冒険者としての腕前を求めるなら力を貸そう」

スケッベに紹介されて、オデュールはそう言い、俺の前で手を合わせ、礼をした
オデュールの姿をよく見てみると馬の部分に細かな古傷があり、どれほどの戦闘を行なっていたかが、見て取れる
脚を見てみると見るからに丈夫そうな脚をしており、これなら平地では敵は無いだろう……

「彼女は卑劣にも同族を守る為に私たち以外の奴隷商に捕まり、奴隷印を押されたみたいで……
私たちが駆けつけて、処理した時にはすでに奴隷となっていました」

スケッベはそう言いながらオデュールにお腹を捲らせるとお腹に奴隷印が押されていた

「この奴隷印は主人が死なない限り、消える事のない禁忌とされた印でコレを押された以上、彼女を元の場所に戻す事は叶わないかと思っております
理由はご存知かと」

スケッベに聞かれると俺は頷いた
奴隷印は押されてる時点で人権を失ってると言っても過言ではない
だから元の場所に戻っても仲間に拒絶される可能性がある

「私は仲間を守れたのならこの印を背負って生きる
貴方がその為の場所を用意してくれるなら私の全て貴方の為に尽くそう」

オデュールは奴隷印を触りながらそう言い切ったのを見て、相当な覚悟を決めているのだと理解した

(流石は元族長)と思いながらスケッベに頷くとスケッベは嬉しそうにサラサラと紙を書くとオデュールに持たせた

恐らく、俺との誓約書みたいなモノだろう……
コレが終わった後、オデュールの奴隷印に俺の名が刻まれ、オデュールは正式に俺の奴隷となる
オデュールは嬉しそうに紙に何か書き込んでいる中、スケッベは次に鬼人族の2人を指した

「こちらの二名の鬼人族は親子で居るところを人攫いに捕まったみたいで「ちょっと待てぇ!? お、親子!?」

スケッベが話している中、あるワードが引っ掛かり、俺は思わず聞き返した

「は、はい 私がユリネ・サイオンジと言います
そしてコチラが娘のアサガオ・サイオンジと言います」

俺が驚く中、黒髪の背が高く、フワッとした印象のユリネがそう言い、そしてユリネに隠れている娘のアサガオを紹介してきた

パッと見、2人が親子と聞いても信じられないが本音だ……
鬼人族の寿命換算がどのようなモノかは知らないが、ユリネの見た目はまるで高校生くらいの見た目だ
そしてアサガオとそのくらいに見えるから姉妹に見えてしまった……

「シモン様 彼女らに付いて調べましたが、どうやら彼女らは此処より東北の国の一つ……
今は滅んでおりますがその国の王族の血縁かと思われます」

ソレを聞くと俺は2人を見た
確かに見た目は平民のようだが、彼女達から感じる魔力の流れが他の人達と比べると違うように感じた
……まぁ、気のせいかと思うがな

「あの……  スケッベさんから貴方の話を聞きました
贅沢は要りません ですがどうか……
娘と共に暮らさせてください」

ユリネは俺にそう言いながら頭を下げてくるとアサガオが遅れて俺に頭を下げてきた

「もちろん俺もお前達を別れさせるなんて事はさせねえから安心しろ
とにかくお前達は俺が居る限り、離れ離れにならねえよ」

俺は頭を掻きながらそう伝えると急にアサガオが泣き出すとユリネに抱き付いた
どうも、アサガオは精神年齢的にまだ子供と見ていいかもな……

そんな2人を今はソッとしておいて、スケッベはダークエルフを指した

「彼女に関してはコチラも分からずで……
ですが廃棄となった奴隷商の跡地に彼女だけ置き去りになっていたのです」

「ぁー、うー?」

スケッベが説明をしている中、俺は目線を合わせるとダークエルフは俺を見て、首を傾げた
だが、それは何処となく幼児と思えるような仕草をしていた

「もしかして彼女……  精神年齢が退化を?」

「そこまでは分かりませんが見つけた時からこの状態でした
それに引き換え、彼女の魔力が高すぎる故、エロガイルで匿うのは難しくなってきてしまい、シモン様に彼女を任せたいのです」

スケッベはそう言い、何処か悔しそうな表情をしていた
恐らく彼女の精神が回復するまで、彼女を看ていたかったんだろう……
俺はダークエルフの頭を撫でると「キャッ♪ キャッ♪」と笑いながら俺の腕を触ってきた
服装は軽装だが、スカートの下から覗かせるオムツに目が入ってしまう
どうにも完全に自立でトイレはいけないみたいだ

「シモン様 そして彼女ですが」

スケッベは最後に人魚を指すと人魚は姿勢を正すと俺に向かい、礼をした

「お初にお目にかかります シモン様
私はリーファ・シースと申します」

「これは失礼
シモン・フェルストリーと申します」

彼女の挨拶を聞き、俺は背を正すと礼儀を込め、礼をしながら挨拶を返した

「これはご丁寧にありがとうございます
ですが今の私は貴方の奴隷と言うことになるのでしょう?
私に礼儀は不要ですよ」

リーファはそう言い、微笑んでいるがその風貌から間違いなく何処かの王族だと感じ、スケッベを見ると頷いた

「シモン様のご想像通りです
彼女は人魚の国の第三王女であり、次期王妃候補の1人であるリーファ様です」

それを聞いて、俺はとある事を思い出していた

『お、○○見てくれよ
今度のアプデで人魚まで攻略キャラになるんだってよ
人魚とヤるってんなら興奮するけどどうなるんだろうな?
お前は……  興味なさそうだな……』


エロゲー野郎がルミナス・エルドの第二弾アプデで攻略キャラが増えるって言っていたけど……

(コイツじゃねぇのか?
結局、アイツから攻略したとは聞いてないんだけど……)

俺がリーファを見ているとスケッベは真剣な顔をしながら俺を見た

「シモン様 リーファ様が此処で奴隷になっているのをどう見ますか?」

「そんなの言わなくても分かってるだろ……
人族と人魚族の戦争の口実が出来たと言えるだろうな……」

スケッベに聞かれて、俺は素直にそう答えた
リーファが人に攫われて此処に居るって事はリーファを取り返す為に戦争になるだろうな

少なくとも友好を築くのは難しくなる……

「えぇ 其処でシモン様
リーファ様を一時的に貴方の奴隷とし、彼女を人魚の国まで送り届けてもらえませんか?」

「なるほどな……
確かにコレはお前達の手には負えないし、国にバレるなんて最もダメな事だな」

俺はそう言い、頷くとスケッベは嬉しそうに微笑むと彼女達の奴隷印を書き換える為に引き連れていった

少なくともリーファは一時的なモノを付けると思うが……

「シモン様」

考えているといつの間にかリーファが俺の元にプカプカと浮かびながら泳いできた
リーファは空中に水玉を作るとそこに入り、移動が出来るらしい

「私の為に引き受けていただき、感謝いたします」

「いいさ 人魚の国は少し興味あったから」

改めてリーファにお礼を言われると俺はそう答えてからリーファを見た

「リーファ 一つ聞くがどうして奴隷商に捕まったんだ?」

「それが分からないのです」

リーファに奴隷までの経緯を聞こうとしたら、リーファは首を横に振り、そう答えた

「目が覚めると牢屋のような場所で何がどうなったのかは分からないのです」

そう聞くと俺は腕を組み、顎に手をやった
リーファの言葉が正しい事だとしたら……

(人魚の中に裏切り者がいるな……)

そう言う結論になった

リーファを人魚の国、送り届ける……
そんな簡単な依頼だが、まるで穴の底が見えないまま、下に降りていくような感覚になった



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