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2023年8月 猛暑日の夏 1歳11ケ月

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 前年末からの猛暑日がズゥッと続いている。夏らしくていいけど、暑すぎる。地球温暖化も地球沸騰化へとフェーズが変わったと国連が言っている。

 同じく国連はJ事務所の問題も大きく熱く取り上げた。とっくにこの国では沸騰していた問題だったろうに、この世界の常識は世界の非常識の域という越えて人権問題であることとの強烈な指摘だ。

 某大学のアメフトもまた不祥事だ。大学寮における不適切な薬物使用。刷新された筈の理事長の歯切れの悪い対応は刷新には程遠いと、またもや根深い組織体質への絶望感が広がる。

 大谷翔平は連日の二刀流による体力消耗に耐えながら40号ホームランを放つ。大谷のホームラン首位独走が唯一の朗報だ。

 5日土曜日、僕が家を買ってから初めてジィージの家に遊びに行く。何故か知らないが、ジィージの家には行けなかったのだ。久しぶりの懐かしいような大きな古い家に安心する。

 僕の新しい家はなだらかな坂道にある。街が少しだけ眼下に見える。古代の古墳も点在する。渓流のせせらぎも聞こえる。夏には蛍も飛び交うが、コンビニもスーパーマーケットも学校もすぐそこにある。半都市半田舎いいとこ取りの立地。

 ここは仮想の飛鳥川、飛び石。仮想の談山神社、石舞台。仮想の甘樫丘、飛鳥寺。程よく交錯する仮想空粥と時間の歪みが面白い。

 けれど、ジィージの顔は少しだけ曇っているようにも見えた。半都市半田舎とはいえ、流行りの田舎暮らしのムラとの数々の失敗例があるからだろう。近年の線状降水帯の発生が50年を見据える治水対策を揺るがしている事もあるのだろうか。いずれにせよ、僕の新天地は恍惚と不安で満たされている。

 12日土曜日、少し早めのジィージのケイちゃん家系のお墓参りに行く。お気に入りの恐竜の人形を家に忘れてきたのでリ叔父さんが小さい時に遊んだゴモラを恐竜代わりに貰らい、2つの墓参りの間、ずーっと持っていたけど、これも大分お気に入りになった。

 明日からは山を越えて初めてのホテル宿泊の海水浴だ。台風の影響はまだあの辺にはないらしく、今日とは打って変わって、また猛暑日となるらしい。暑いから海が良いのか、砂浜が暑すぎて人手がないのか分からない。イタチごっこの不思議な浜辺になるだろう。

 23日水曜日、高校野球決勝戦は去年の覇者仙台育英VS慶應となる。白河の関を越えた昨年の感動をもう一度と期待したが、慶應の先頭バッターからのホームランを皮切りに、慶應の打撃と仙台育英の失点により大差の敗退となった。大谷翔平の花巻東を破ってきた経過もあり、大きな盛り上がりを見せたものの残念な結果だ。東北に勝たせたかったなあ、勝って欲しかった…。

 24日木曜日、ワグネルの反乱から2ケ月、プリゴジン氏が乗ると伝えられる航空機が墜落炎上する。おそろしあ。今後の情勢が気になる。
 
 26日土曜日、ママとジィージとリ叔父さんとで隣県にあるコストコまでの旅に出る。遠い県ナンバーの車も沢山あって、かなりの賑わいだ。僕は初めていったけど、大きな体育館のような建物の中に、ドドッとロットが重なっている。まるで倉庫販売。外は猛暑日。中は涼しい。動き回って僕はそれなりに楽しかった。僕は大きな不気味で目が光るちょっと怖いハロイン魔女人形が気に入り何度も近づいて見上げてみた。

 忙しい仕事と引っ越しの合間を縫ってパパは映画を見に行ったらしい。「トランスフォーマー」。ジィージも同じ頃に映画を見に行った「658km洋子の旅」。なんか、全然違うけど、僕はまだ映画は早いが恐竜映画ならみたいと思う。
  
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