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第1部 エド・ホード
第29話 魔術者の帰還
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目を覚ますと、カミラの膝の上だった。
僕らは双頭の奇竜に乗って、夜明け前の空を飛んでいた。
「エド? ……よかった、気がついた?」
「ここは?」
「大学へ戻るところだよ」
「あいつは?」
「憶えてないの? エドがぜんぶ消しちゃった。天使も四大霊剣もぜんぶ」
カミラは僕を抱き起した。
「……そっか」
「ごめんね」
「何が?」
「それも忘れた?」
カミラが泣き笑いのような表情で僕を見つめる。
うん、と僕は頷いて、
「なんでケンカしてたんだっけ?」
ふっ、とカミラは吹き出した。僕の胸に顔をうずめてこしょぐってくる。やめろ、やめろ、と笑いながら抵抗していると、不意に青い火の粉が降ってきた。カミラが後ろを振り返る。横になったままのラルフさんから、青白い火があがっていた。
「ラルフさん!」
「任せて」
僕はカミラを制して、ラルフさんの横に膝をついた。激しく燃える胸にそっと手を置く。大丈夫、大丈夫……。無理に叩き消そうとしてはいけない。ただそっと、僕は逆巻く火に触れていた。
「……ジェイン」
ラルフさんが呟いて、眠ったまま泣きはじめた。やがて火は消え、その代わりのように朝日が燃えた。海上の雲が茜色に染まる。
「朝だね」
とカミラが言った。
遠くにウィッカの街並みが見えた。
僕らは双頭の奇竜に乗って、夜明け前の空を飛んでいた。
「エド? ……よかった、気がついた?」
「ここは?」
「大学へ戻るところだよ」
「あいつは?」
「憶えてないの? エドがぜんぶ消しちゃった。天使も四大霊剣もぜんぶ」
カミラは僕を抱き起した。
「……そっか」
「ごめんね」
「何が?」
「それも忘れた?」
カミラが泣き笑いのような表情で僕を見つめる。
うん、と僕は頷いて、
「なんでケンカしてたんだっけ?」
ふっ、とカミラは吹き出した。僕の胸に顔をうずめてこしょぐってくる。やめろ、やめろ、と笑いながら抵抗していると、不意に青い火の粉が降ってきた。カミラが後ろを振り返る。横になったままのラルフさんから、青白い火があがっていた。
「ラルフさん!」
「任せて」
僕はカミラを制して、ラルフさんの横に膝をついた。激しく燃える胸にそっと手を置く。大丈夫、大丈夫……。無理に叩き消そうとしてはいけない。ただそっと、僕は逆巻く火に触れていた。
「……ジェイン」
ラルフさんが呟いて、眠ったまま泣きはじめた。やがて火は消え、その代わりのように朝日が燃えた。海上の雲が茜色に染まる。
「朝だね」
とカミラが言った。
遠くにウィッカの街並みが見えた。
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