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title #3 "Welcome, Mr. Another World!OYOYO ” 幕の内 31/?
title #3
"Welcome, Mr. Another World!OYOYO ”
幕の内 31/?
『前に言わなかったか?アイツたまに自分が誰か分かんないんだよ』
どこか投げやりにつぶやく。
『そういえば聞いたな。多重人格の毛があるって』
こんな商売なんで、そこいらは詳しい。憑依されたら中身が変わるので当然であるが、どうも単純に憑かれているワケじゃないらしく、普段から人格が定まっていないとか。
色んな霊につき纏われているのはもう本人慣れたもんであるし、特に困ってる様子も無いし、アイツが言うには意外と可愛そうな連中だって事で不問状態。多分世界で一番詳しい本人がそう言ってるんだからとクラスの皆だけでなく学校の生徒はそんなもんだと慣れた。事情を知らない見えるらしいのが、廊下なんかですれ違ってパニックに陥って担架で運ばれたなんて話も、“この頃”はもうあまり聞かない。
『昭和のオカルトやらホラー映画の鑑賞会って、絹を裂くように叫ぶサクラを仕込みむと盛り上がるって聞くけど、何度も聞いてるとうるさいだけだな。あれ見ると羨ましくも無いし』
霊が見えるってのは職業柄、羨ましい能力だと思っていた連中も、恐慌をきたして担架で運ばれる見える者を見て、見えなくて良かったと思ったらしい。
『霊能力ってはいらんスキルかもしれんな。アニメや漫画じゃ、空中にポップアップ画面が浮かんで、色々特殊なスキル持ってる方がい偉いってこれ見よがしに出るけど、あれ下手すると無い方が良い … 一種呪いだよな』
クルマの整備などをする事に必要な資格に“整備士免許”には一級と二級があるが、大は小を兼ねるって思想で出来れば一級を取った方が良いって思いそうだが、実生活ではそうでも無いらしい。
まず二級をとって実務三年以上で試験を受ける事が出来るが、その勉強の為に仕事は疎かになる。苦労してとってもやれることは殆ど変わらないし、待遇も好条件を出すことは法律では決まってはいないが、凡例で出すのが当然に近いので仕事自体に差は無いので経営者側としては二級を雇いたがる。一級を取ってるって自負もあるので、取得しているのは当然年配なのでペーペーな仕事を嫌がる年配もいるらしく扱い辛いので、一級を持っていても二級だって逆学歴詐称する者もいるらしい。
『人間自分が手にしていてもそうは認識できんよな。色んな資格マニアがいて、中には数百個持ってるってニュースで出てくるけど、日々使うのは精々5~8個で、結局は誰でも使ってる運転免許と飲食店なら食品衛生責任者と防火管理者、医者なら医師免許ぐらいだろう。どっかの独裁大統領の元国家の名前背負ったミスだった金満夫人は靴だけで倉庫持っていたらしいが、選ぶのに苦労するって結局はメイドに数種選ばせてその中から選んでいたって話だ。毎朝の服なんぞ迷う時間は人生の無駄だって黒いシャツばかり着ていたIP長者の言う事は正しかったのかな』
いつか使うからと捨てずにとっておき、その挙句ゴミ屋敷になるなるが死ぬまで一つも使わなかった。ただ死後特殊清掃員を煩わせるだけであったなんてよく聞く話だ。ドラえもんなら機械だから在庫管理も出来るだろうが、人間はいくらスキルとやらを持っていても幾らでも有効活用出来る奴はいないようだ。
『アイツもそうだよな。能力は学校でも街でも特段だけど、何の益にもなってない。逆に私生活じゃあのざまだろう』
特にアイツは世の中の色んな物が見えすぎて道過ぎてしまい、あの年で人生に疲れているって顔を見せる。
あの年の女の子なら、恋に恋して箸が転げても笑っててもおかしく無いのにまるで場末の掃きだめで、汚いモノを見すぎて将来に何も期待してないって顔を見せる事がある。色恋沙汰も、娼館のやりてババアみたいに、愛だの恋だのの話より、ラブホの経営者が施設の稼働具合を心配しているような冷めた視点で見ている。長く生きとっても人間は幸せに向かえて成長するとは限らない。
『長く生きとっても変わらんが、生まれ変わっても変わらんもんかね。その筋?の専門家のアイツが言うには、馬鹿は死ななきゃ治らないって言うけど、どうも死んでも治らないらしい。死んで治らないんだから、連中が厨二病小説十八番の生まれ変わったぐらいで変れるかなって言っていたな』
先進国で出されたゴミを新興国に持って行って、使える物を選別したらそこでもゴミになるだけらしい。それと同じだってのが持論らしい。
『生まれ変われたら少しはまともな人間になれると思いたい人間には血も涙も無いお言葉で笑った』
つまらん今の人生から逃避して、それまでの自分を知らない新天地なら自分は正当に認められるなんて夢を見て、転生してやりなおしたいけど、努力なんかしたことないし、する気もないから神だも悪魔でもご都合主義でも何でもいいから腕力に魔力に知識チートがあれば次の人生イージーモードでいけるかもって思ってる連中には取り付く島も無いお言葉だ。
『努力したくないけど、良い暮らしがしたいなんて今と同じ考えを改めるつもり連中にはないんだろう。それじゃ成長せんわな。ずっと馬鹿だ。誰かに聞いた事はすぐ忘れる、頭と体を使わないと人間は成長せんとか。前世の知識なんて持ってると依存するんで駄目になるとか。折角生まれ変われるなら初期化して生きたいとか』
アイツにはこれからの人生で起こる大体の喜怒哀楽・相克困難も粗方知っているので、箱入りの御曹司やご令嬢が親が敷いたレールを歩むしか自分に道は無いと思って変化が無いだろうって諦めの境地みたいな事を言っていた。
『温室でヌクヌク生きていけるが、外に出れない生活と、体を壊したら即野垂れ死にするかもしれん生活って人生くたばる時はドッチがいいと思えるんだろう』
-------------
『自分だ誰か分からない?そりゃ~、難儀だな?』
熊のヤツが首を傾げるポーズを取ると、ハチの巣にチョッカイをだして反撃を受けて首を、いやんいやんしているポーズに見える。プーさんがハチミツを漁って下手こいたよう愛嬌のある光景で、今更変わらんが、女子には狼型より熊型の方がウケが良いって話を聞くので、素直にいいなと思ってしまう。まあ、それはいいとして。
『そうだな』
オウム返しに聞かれて俺もそうなんだと答える。アイツの巫覡によって誰かの記憶を見てから、たまに自分が誰だか分らん事があると。
朝起きたら学生寮のベッドに寝ていた。寮住まいの生徒なんだから、当たり前のことに驚いたりする。シーツは汗と血とノミ・ダニまみれでなく洗濯されていて清潔で、自分が場末の安ホテルで一人寂しく死んだ誰かでないこと鏡で確認してため息をつく。誰かの人生のトラウマだ。
『まだ夢(巫覡)の途中だと思い込んでるんだよな』
『大丈夫か?保健のカウンセラー掛かった方がいいんじゃないか』
この学校はPTSD患者には事欠かないので常駐で心理カウンセラーがいてくれている。心理カウンセラーは医師不足な科なので常駐ってのは至れり尽くせりっていうか、それほど心病む奴が多いって事なので恵まれた環境かと言われると疑問だが。
『ショックを受けたか時とか、疲れた時は脳が偽りの記憶を作るのはよくあるらしい。ほっとけば治るし、気に病む方が長引くから気にしない事してる』
病は気からって言うから気にするなと言われたと、受けたとゲロる。
『それはアイツから見せられた誰かユーレーの記憶の所為?それはわからんか』
施術の所為かもしらんが、ドッチかはよくわからんらしい。
『彼女はこうなることは知っていたのか?』
『知らんかっただろう。コッチが頼んだら、大丈夫かって聞いてきていたのはアッチだったし、多分ドッチでもよかったかも』
選択できること自体が、人生じゃどう転んでも喜びらしい。
『人間幸せになる権利も不幸になる権利もあるんだから邪魔はしないって言ってたよな。じゃあ何か感づいていたかも』
あんまり乗り気じゃ無いようだったが、ああ見えて頼まれると断れないので了承して見せてくれた。
『見せて貰ったって、どっかの暗がりでマッチ一本幾らでスカートまくる商売女じゃないんだから』
『止めとけ。女子が怒るぞ』
両手のひとさし指で銀色の頭部に角をつくる。
アイツ案外女子の人気あるから、コイツは自分と知り合いだと認識されているので、コイツが嫌われると自分にも類が及ぶ。
何がいいんだか知らんが女子が気に掛ける存在なので、下手に思われるとおかしなガードが付く事もは今は避けたい。自分でも分かるが精神が不安定な時に、同類と疎遠になるのは避けたい。
『カウンセリング自分で受けたって事は、あんまり大丈夫じゃ無かっんだ』
『そんなに大したもんじゃなくて、VRやAR*みたいなもんだと思っていたんだ。見ている間はスクリーンやVRグラスで他人事だと分かって見ているもんだと思っていたんだ』
『そうじゃなかったと』
ベッドで起き上がった胡蝶の夢状態らしい。
『見ている間は現実だと思っていて、目が覚めたら夢であったと思ったが、実は今ベッドから見ている風景が、まだ蝶が見ている夢じゃないのかって』
ちゃんと聞いてはいるが、ややこしいのでクマったって顔をする。
『だいぶ重症だな』
『ほんと ほんと ははは』
『本当に大丈夫か?記憶喪失ピコピコハンマーで殴ってやろうか』
記憶喪失ネタのギャグ漫画の定番アイテムで、猫型青狸が持ってそうだ。
『それとも殴られたので“こうなった”のか』
『殴られたいね~。恥の多い人生を歩んで参りましたんで*』
命長ければ恥多しという様に、人間生きてりゃ忘れたいことは増えていくもんだ。そんな夢のようなアイテムがあるなら、取り合えずあのビジョンは忘れたいと言う。
『己の経験に学ぶのは愚者、歴史に学ぶのは賢者であるって言ってなかった?』
『無理してるんだよ。頑張っても何物にも成れないって先が見えたみたい』
見せられた爺さんは戦争のプロであって、戦争漫画やアニメなら主役を張れそうな八面六臂*のベテランであったが、老いと時代について行けずに場末のホテルの一室でくたばった。笑って大往生したなら美学とは言えるかもしれんが、有り金全部叩いていたが最後まで女のケツを追いかけて、お陰で安い娼婦に感染されたVD(性病)で体がガタガタで最後は水道の蛇口まで行こうとして事切れた。
幾ら戦いが強くても、それだけじゃ死に方は選べないと分かると空しくなった。
『自分は大丈夫だ、戦場じゃ死なないなんて思っていたら好きだった女に殺される。そんな予行演習が出来たと思えば、多分知る前よりは心穏やかにくたばれそう』
『思えるか?』
例え実践で無くとも、練習して体に覚えさせると意外と度胸がつくらしい。前の戦争で美軍が落とした焼夷弾は家を焼くことが主目的だったので、とにかく水でなんとかなるって愛国婦人会だか町内国防部だかは動けるものにバケツリレーを何度もやらせていたらしいが、そんな事をやっても無駄だと思っていた住人もいざ街が燃えるとパニックにもならずにバケツリレーで消火活動をしていたらしい。
逆に言えば、人間頭じゃ分かっても実際痛い目に会わないと分からない事もある。
『車の教習場で見せられるビデオで、ちゃんと前見て運転すれば事故の8~9割は回避できるって教わるけど、やっぱり事故原因の一番は余所見らしい。知っていても痛い目に会わないと人間は変わらんらしいから、そう考えれば良かったわ』
罰金取られて財布が痛み、点数減らされて免停や免許取り消しに怯えて初めて人は二度とやるまいと思うらしい。
『交通違反をして警官に止められて、注意だけですませてくれるのはお巡りさん昔はいたらしいけど、今は殆ど見逃しをしないらしいだよね。あれ統計取ったら、注意だけだったら再犯する奴が多いらしいんだよな』
人間痛い目に会わないと変わらんらしい。
『だからトラウマ抱えたけど、良かったとは思ってる』
注意一秒、ケガ一生。これなんぞ福とならざらんやと*。
『お前は狼じゃなくて馬だったのか。残念だったな』
お前みたいなのでも女子だったら、今の流行りに乗れたのにと笑う。
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『先刻の話の続きだけど、我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか は、ゴーギャンだっけ*』
『ああ、自分が誰か分からないとかの引用元か』
『察するに、誰だか分らんぐらいいるのか?』
『俺が一人背負うので人格がブレてるんだよ。アイツ何人背負ってると思う?』
『知らんが、バイト先のファミレスで幽霊とずっと会釈していたとか聞いたけど』
ああ見えても人がいいので、例え相手が幽霊でも会釈ぐらい返す。それで水飲み鳥*みたいに頭下げていたら首の筋肉が吊って死にかけたとか。見える=実際背負うとは思えんが、そこいらいの流しの幽霊が誰に取り憑くかは、まず幽霊自身が見えてるのが第一条件らしい。幽霊だって話の通じない相手に関わってる暇はないらしい。
『バイト先のファミレスでも地縛霊相手に顔広いみたいだから結構いるんじぇねえか。どんだけいるんだ』
幽霊が見えるか見えないってのは、同じ帯域の送受信機を持っているかどうかであるらしい。だから幽霊Aが見えるから、隣にいる幽霊Bが見えるかっていうと、そうとは限らない。幽霊A・B同士もお互い違う帯域なら会話は不可能らしい。そうでなければ幽霊があんなに自分の声が聞こえた人間にあんなに執着しなですむ。大体連中お話したいとか、愚痴を聞いて欲しいので幽霊同士でそれが出来れば、あんなに自分の姿が見えて声を聞けると憑いて行ったりはしない。
『幽霊にしてみりゃ直接話も出来るし、他の幽霊との繋ぎに伝手に仲人までやってくれるんだから有難い口利きだろうから相当押しかけられているんじゃねえか』
どんな相手もござれって、対戦するピッチャーなら嫌なバッターだと笑う。
『自分でもそれはわかんないんだって』
別にアイツ的には幽霊には用は無いし、多生の縁も無い。守護霊でずっと憑いてるワケでも無いから、勝手に寄ってくるし、勝手に離れるし、勝手に成仏もするらしいので数えた事無いらしい。少なくとも両手と両脚の指を総動員しても足りそうになかったので諦めたらしい。
『みんなでアイツのバイトしているファミレスや居酒屋に客で入るワケじゃないからな』
受付の女の子で、客なら数えるだろうが、客じゃないし。多分逆さ箒して塩を撒きたいだろう。
『正確には分らんが、相当多いみたいだから、昭和一のマンモス食堂って言われた昭和時代の京成聚楽食堂*のお姉さんでも断られると思うは』
『ファミレスに行くのにも人数把握しないといけなから、まず野鳥の会呼ばないと』
『昭和の紅白歌合戦かな』
そんな事で来てくれるかなと疑問を呈する。彼らは数を数えたくて野鳥の会に入ってるんだから(多分)きっと来てくれるだろう。
『そうだったの?まあ、ありがたいな。個人的にも来てくれるのかな。昔から多数で疑問があるんだから数えて欲しいもんがあるんだけど』
子供の時から疑問だった、ごま塩ふりかけでゴマと塩のドッチが多いのかって事も調べて貰えないかなと願う。
『それは流石に断ると思う』
ごま塩は人気無いからのり玉なら数えてくれるとは思うと言う。
『そっちか~い ってベタなお約束はいいとして、ごま塩美味いじゃん』
普通の家庭なら三食ふりかけでみそっかすなごま塩を好きで食べていたので、そんなに人気無いのかと拗ねてみせる。
『それはいいとして、自分ちの扶養家族が分からないって、国勢調査なら怒られそうだな』
『まだそのネタ続けるんだ?まあ、どうせ着陸まで暇だから付き合うけど。それに霊ってのは扶養家族になるのか。宗教法人だとそんな規定あるかもしれんが、あんまり聞いたとこはないぞ。それより扶養家族の手当の方が問題だろう』
国勢調査より、高額納税書(予定)なので扶養家族控除の為に数えた方がいいと心配する。
『幽霊とか背後霊って扶養控除認めてくれるのかな』
通勤や接待、福利厚生の経費がかかるとは思えない。しかし法人化ってのは会社に疑似人格を便宜上でも与えているらしいし、取引相手が幽霊やお化けって業務上経費が通りそうでもある。お札なんて単なる紙だが、神だの悪霊だのって文言がつけばペラ一枚が札束より高価でも許されている。
『通勤は空飛んでからいらんだろうが、食費はいるかもね』
『ユーレーが食費?なんで。ああ、お供えも物か』
寺の近くで売ってるお供え物は意外と高い。安いと先祖に失礼に当たるって業者は結構ボッてるとか。
『アイツにそんな殊勝な所あるかな?。あるかもしれんが、見た事ないな』
『じゃあ食費ってなんだ』
『どう言ったらいいのか分らんが、傍から見たら自分で食う分の食費だな』
『何それ。接待って言って自分で食った分を経理に回すせこい上司か』
『説明すんの面倒くさいな』
『現着まで8時間はある。さあ話せ』
へいへい、と諦める。
『幽霊や悪霊が体を求めるのは何故でしょう?』
『高校生クイズかよ。紐育なんかには行きたくないんだけど。テレビのロケなんて画面じゃ豪華だけど、素人の出演者には蟹工船レベルらしいぞ』
亜米利加はちゃんとしてホテルは高いので、亜米利加横断ウルトラクイズ出演者はかなり安宿に泊められるし、敗者が直ぐに隔壁の向こうかってエコノミーで送り返されるのは演出もあろうが、もう用済みになので宿代勿体ないって事らしい。
『紐育の安宿は犯罪者はホテル内まで入ってくるし、留守の間に鍵持った従業員が勝手に貴重品持って行くし、水はちょろちょろトイレは汚い、Gも鼠もダニも出るらしい』
『誰がそこまで話を広げろって言った。まあいいや』
ややこしいから心して聞けと予防線を張る。
『へいへい』
毒を食らわばって諦めの境地みたいな。
『続きだけど、悪霊が人を襲うのはなんでだと聞かされてる』
『漫画と小説じゃ、体が無いので亡くした体を欲してるとか聞いたぞ』
生者と死者の違いなんてそれぐらいだろう。
『アイツによると、どうやらそうらしい』
幽霊になると体を使った欲望の充足が無い。無いと言う事は、永遠に欲望を満たせる事がなくなる。初めから受肉してない精霊なんかなら、そんな事はしらんから体は欲しがらないが幽霊は昔人間であったとき欲望 とくに三欲 食欲 睡眠欲 性欲に代表されるものが筆頭だろう。
『アイツの憑いてる連中もそうらしい』
『アレ守護霊じゃないんだ?』
てっきり守護霊だと思っていたが違うらしい。真実は真逆で悪霊の類いらしい。
『始め敵で、なんやかんやあって仲良くなって今に至るって、少年ジャプンやソンデーでコミカライズしたらバトル漫画みたいな事もあったらしいぞ』
敵対していたのに殴り合った(実際は一方的フクロ)で仲良く?なったなんてありがちな異能バトル展開があったらしい。
『あのタイプ(ガリ)の女子が 格闘 努力 友情パワーで熱血漫画展開か。それ見たいな』
あいつが漫画描いてるのをクラスの皆も知っているので、リクエスト頼むとイヤだともう断られたらしい。そういう腕力勝負なワンパな展開はアイツの中じゃ人生の黒歴史らしい。そんな本人全く興味が無い展開だし、バイトだから仕方なくやっている事に、そんなに丈夫じゃない手首が腱鞘炎になったのも合わさって、そんな漫画に恨みつらみがあるらしい。
『そんな展開嫌いだって、少年漫画ってそんなのばかりじゃない』
なんか適当な敵が出て来て、わちゃわちゃやって話がでかくなっていく。
『話しがデカくなれば面白くなると思ってるのは男の好みらしいぞ。あんまり女子が嬉しい話じゃないとか』
男子漫画は段々とライバルが強くなるってのが王道展開であるが、少女漫画はラスボスの王子様が連載初期から大体いる。
『そうかな … そうかも』
『女子は過程はどうでもいいからな、他人の努力は自分には意味がないって言うのが女らしいぞ』
女は過程には興味が無いからプラモデルは作らない。作らないから労力を知らないから旦那が作ったプラモ捨てれるとか。
『アイツもそうなのか?』
『男女の機微の違いはアイツから聞いたから、そこいらは察してるんじゃないか』
もっとも未婚の結婚相談員だって言って、男心は分らんが分かったフリはしてると言っていた。
『それが良い女のフリらしい』
『フリって所が実感こもるな』
『それも誰か突っ込んでいた。単なる耳年増かよって』
男心が分かる女がいるなんて幻想持っていたらドッチも不幸なので、釘を刺したらしい。
『大きなお世話だろう。まだ女に幻想もちてえ』
『話して分かるなんてガキの幻想だって。特に女は無理だって』
せめて分かったフリをすれば救いようがあるが、馬鹿に限って自分の考えは正しいと盲従するので救いようが無いらしい。
『達観してるな』
『達観したフリを出来れば修羅場から助かる可能性だってある。戦場じゃ新兵のフリをしておろおろして突っ立てれば狙われるが、長く生きてる奴みたいに頭下げて敵に居場所を知られないように隠れてれば、例えそれがフリでも助かるかもしれん』
フリは馬鹿に出来ん。先刻も言った様に、予め経験しておけばいざ事が起こった時に体が覚えて勝手に動いてくれる。戦場じゃ突っ立てればマトだから、ボーっとしている暇は無い。
『それを知ってから誰かの戦場人生見せて貰ったの?』
『ベテランのフリをすれば、少しは気持ちが落ち着くと思ったんだけど』
『けど』
『予想以上に心にガツンときた』
『どうなった?』
『戦場に立たない方がいいって結論になった』
『そりゃそうだ。もっと早く気が付きゃよかったんだ』
『俺ら色んな事に気が付くのがおそすぎるんじゃねえ』
毛むくじゃらの手足と、夜の窓ガラスに写る獣人の顔を見て自分の言葉をかみしめた。
title #3
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end
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