無能認定され、パーティーを追放された俺。実は封印されたスキルがありました。追放された瞬間、それに目覚めた俺は世界のルールを操作し無双する

けい

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白い霧が、丘から森へと流れ込み、全てを覆っていた。
 空気は湿り、耳元で水滴が落ちる音がやけに響く。

 リリアが剣を構え、囁く。
「カイ……この霧、自然じゃない」
「ああ。誰かが張った障壁だな」

 足音が、霧の向こうから近づく。
 影が揺れ、やがて四つの人影が輪郭を現した。
 先頭は、金の髪を持つ男――勇者ライオネル。
 その背後にマリア、セレナ、バルトが並んでいる。

「……会うのは久しぶりだな、カイ」
 ライオネルの声は、怒りでも憎しみでもなく、淡々としていた。
 それが逆に不気味だった。

「追い出した相手にしては、随分余裕じゃないか」
「そうでもない。お前がこの辺境で何をしているのか、確かめに来た」

 マリアが一歩前に出る。
「あなた、また“書き換え”を使っているわね。……あの時よりも力が増してる」

 俺は目を細める。
「力を持つことが罪なら、勇者とて同じだろう」
「違う。私たちは――」
 マリアの言葉を遮るように、霧の奥で低い唸り声が響いた。

 次の瞬間、獣の群れが霧を裂き、双方の間に雪崩れ込んできた。
 牙を剥いた魔狼が十数頭、霧の主を守るかのように吠える。

「チッ……後にしろ、ライオネル!」
 俺は――
 ――《世界書き換え:この戦場の魔物は俺たちを敵と認識しない》

 魔狼は俺とリリアを避け、勇者パーティーの方へと殺到する。
 驚きに目を見開くライオネルたち。
 その隙に、俺はリリアの手を取り、霧の奥へと消えた。
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