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3話 村へ行こう

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 イツキ「ふぁぁ……いい朝だねぇ~……」
 
 ベッドから起き カーテンを開く。山から聞こえる鳥のさえずり。程よく射し込む日光。こんな理想的な朝があるのだろうかと言うほどの気持ちが良い朝だ。

 イツキ「それに……!」

 チャール「おはようございます!イツキさん!」

 イツキの部屋のドアの前には既にチャールが居た。チャール曰く イツキが起きる30分前には起きるのだという。メイドみたいだ。

 イツキ「おはよぉ~チャール~ふぁぁ……」

 部屋から出て眠そうにチャールに返事し。

 チャール「朝ごはんの支度が出来ておりますので、1階までどうぞ!」

 イツキ「えぇ?!朝ごはん作ってくれたの?!ありがとぉ~!」

 嬉しそうにチャールの手を握り、ルンルンで1階に降りる。

 チャール「えへへ……ありがとうございま……って!待って下さ~い!!」

 一瞬嬉しそうにするも、直ぐにイツキの後を追いかける。

 イツキ「わぁぁ!!凄い!これ本当に1人で作ったの?!」

 テーブルには2人分の食パン。ハムエッグ。トマトスープ。中央には大皿に盛られたエッグサラダ。飲み物にオレンジジュースまで付いている。

 チャール「は、はい!村へ出かけると、どの食材も美味しそうで……つい買いすぎてしまいまして……えへへ~……」

 そう照れくさそうに述べる。 そんなチャールを横目にイツキは少し考える。 そう。イツキはまだ村に行ったことがないのだ

 イツキ「ねぇ、チャール。村ってどこにあるの?」

 そうパンを頬張りながら問い

 チャール「んぇ?村……ですか?それなら、ほら。あそこに。」

 窓から草原の奥の方を指さす。よくよく見るとそこには大きからず小さからずの村があった。

 イツキ「え?!あんな近くにあったの?!」

 目を見張りまじまじと見る。確かにあそこに村があるのだ。

 チャール「えぇ、近くに。」

 逆によく今まで気付かなかったな……と言いたいチャールだったが心の中に留めて置くことにした。

 イツキ「…………じゃあ行ってみようかな?特にやる事も無いし……」

 チャール「お!なら私も同行致します!イツキさんの護衛としてっ!」

 チャールが腕まくりをし ふんっ! と鼻を鳴らし。

 イツキ「よし!じゃあ片付けたら行こっか!」

 チャール「はいっ!」
 
 


 ____そしてそして____



 
 イツキ「いやぁ!賑やかだねぇ!」

 村と言っても少しは発展している。食事処もあり、 買い物も出来る。そして更にギルドにも入れる。そんな田舎臭い村でもないのだ。

 チャール「はい!ですよね!私、この賑やかさ大好きです!」

 2人とも笑顔で見合い

 イツキ「さてさてさーて、何しよっかなぁ……」

 村に来たはいいもののやる事が無いのだ。

 チャール「うーん…………あ、今日広場でイベントがあるそうですよ!見てみませんか?!」

 偶然見つけたポスターをチャールが指さし

 イツキ「ん~と……?大道芸人 ソルマーによるショー…………チャール……ソルマーって知ってる?」

 聞いた事が無い名前に首をかしげ チャールに問う

 チャール「……いえ、私も分からないです……聞いた事も無ければ、見たことも……」

 やはり、チャールも無いらしい。

 



____大道芸人 ソルマーとは誰なのか……?そして、どんなショーを見せてくれるのか……?____
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