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運命と宿命の縁
6★母の恋
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「母さん!ほんとにハル様のこと好きなの?」
李流は急遽、物忌を貰って自宅に慌ただしく帰って母に真相確認する。
「ごめんなさい。李流の事を一番に考えてあげていたかったのに……こんな事になってしまって」
母、雪は李流の顔見た途端泣いてしまった。
「晴房さんに、どうしても惹かれてしまって……」
李流の母として桜庭家を守ろうと思っていたのに、好きな人が出来て、出会ってたった二ヶ月と半月で妊娠してしまった事や李流に申し訳なさで涙が止まらない。
母が李流を思ってくれる感情が痛いほど胸に突き刺さって痛い。
そして、母は晴房に対して本気な事も分かった。
これ以上問い詰める言葉も消えてしまった。
「これからどうするの?おじいさんには言った?」
「ワシは、雪にはこのまま桜庭家に骨を埋めてもらいたいと思っておる」
大広間でテレビを観ていた祖父がそっと雪の部屋を開けて言った。
「おじいさん……いいの?」
「一番悪いのは雪を捨てた、桜太郎だからな」
桜太郎とは父の名前だ。
六年前に母と離婚してニダ国で暮らしている。
母は誰とでも結婚していい立場だ。
けれど祖父の願いで桜庭家にいてもらっている。
一族のみんなもそれで納得している。
「堕ろすという選択肢もあるけれど……それは後悔すると思うからしたくないの。だから申し訳なくて……」
また、ポロポロと泣き出す。
李流は母の背を撫ぜる。
「おじいさんが許してくれてるなら大丈夫だよ。ずっとこの家にずっと居ればいいよ……」
本当だったら晴房が母を迎えに来て、祖父に許しを乞うて、認められるのが普通だ。
認めてもらわなくても母を連れていくとか……
けれど、晴房が責任をとって新たな門出で新婚生活のため桜庭家から母を連れ去られるのも嫌だ。
いや、寧ろ、晴房に皇居以外に家があるのかも不明だ。
李流にとって実に複雑で頭が痛くなってきた。
お祖父さんは許してくれていても腑に落ちない……
「泣くことないわよ雪さん!」
ドドドっと足音が玄関から聞こえて、親戚が集まる。
計十人の親せきが集まる。
旦那さんや奥さん、従兄弟の桃都までいる。
祖母と祖父の子供は六人でそれぞれ家を出て家庭を持っている。
「この家は雪さんがいないとやっていけないわ!」
「一番悪いのは兄さんだし、まだ若いのに独り身は辛いだろうなと言っていたんだ」
「爺さんの面倒みるのやだし!うるさいから!」
「なんといった!正彦!」
「いや、ホントのことだし」
あまりの伯母叔父の怒涛の出動にビックリする、李流と雪。
「ほんとにいいんですか?わたしこの家にいても……」
さらに目をうるませる雪。
「もちろん!」
(このじいさんを面倒見れるのは雪はだけ……)
という心が透けて見える……
「皆さんありがとう……」
「子供は桜庭の家の子じゃないのに……」
「何言ってんの!じいさんだって赤の他人の養子でしょ?じいさんに文句言う資格はない」
「ワシは文句言っ取らんわ!受け入れるって言っとるじゃないか!」
「でも、お父さんと子供一緒に面倒見るのは大変じゃない?」
「私が子供の方面倒見てあげる!父さんを雪さんが面倒見てくれれば……」
「何じゃと!陽菜!和香子!親不孝目が!お前らはワシの面倒もたまには見ろ」
「もし女の子が生まれたらボクがお嫁さんに貰ってあげるよ」
桃都がニコニコして言った。
「雪さんの娘なら絶対可愛いもん。先約ね」
「わしに似てるな……桃都は……」
お祖父さんも昔そんなこと言って桜庭の唯一のお姫様のである祖母を妻にした。
ワイワイ、ガヤガヤ、
これが桜庭家のいつもの会議だ。
賑やかすぎて温かすぎて、胸が詰まって、李流は泣いてしまった。
雪も同じだ。
親戚は皆、なぜだか、ホッとして涙を瞳に溜める。
「ありがとう、ありがとうございます、皆さん」
「元気な兄弟を産んでね、お母さん……」
手と手を重ねて励ます。
今日は一日中母のそばにいて、いろいろ話した。
ハル様の事や宮中の事や離れていたことの出来事を。
母はいつも通り優しく接してくれた。
安心したのか、母はすっと眠ってしまった。
寝息を聞いて、李流もやっと安心した。
桜庭家での事は片付いた…
でも、晴房は母子の将来の責任を持つことが出来るのだろうか……
母を幸せにして上げることができるのだろうか?
いや寧ろ、してもらわなくては結婚なんて許せない。
悶々していてなかなか寝付けなかった。
李流は急遽、物忌を貰って自宅に慌ただしく帰って母に真相確認する。
「ごめんなさい。李流の事を一番に考えてあげていたかったのに……こんな事になってしまって」
母、雪は李流の顔見た途端泣いてしまった。
「晴房さんに、どうしても惹かれてしまって……」
李流の母として桜庭家を守ろうと思っていたのに、好きな人が出来て、出会ってたった二ヶ月と半月で妊娠してしまった事や李流に申し訳なさで涙が止まらない。
母が李流を思ってくれる感情が痛いほど胸に突き刺さって痛い。
そして、母は晴房に対して本気な事も分かった。
これ以上問い詰める言葉も消えてしまった。
「これからどうするの?おじいさんには言った?」
「ワシは、雪にはこのまま桜庭家に骨を埋めてもらいたいと思っておる」
大広間でテレビを観ていた祖父がそっと雪の部屋を開けて言った。
「おじいさん……いいの?」
「一番悪いのは雪を捨てた、桜太郎だからな」
桜太郎とは父の名前だ。
六年前に母と離婚してニダ国で暮らしている。
母は誰とでも結婚していい立場だ。
けれど祖父の願いで桜庭家にいてもらっている。
一族のみんなもそれで納得している。
「堕ろすという選択肢もあるけれど……それは後悔すると思うからしたくないの。だから申し訳なくて……」
また、ポロポロと泣き出す。
李流は母の背を撫ぜる。
「おじいさんが許してくれてるなら大丈夫だよ。ずっとこの家にずっと居ればいいよ……」
本当だったら晴房が母を迎えに来て、祖父に許しを乞うて、認められるのが普通だ。
認めてもらわなくても母を連れていくとか……
けれど、晴房が責任をとって新たな門出で新婚生活のため桜庭家から母を連れ去られるのも嫌だ。
いや、寧ろ、晴房に皇居以外に家があるのかも不明だ。
李流にとって実に複雑で頭が痛くなってきた。
お祖父さんは許してくれていても腑に落ちない……
「泣くことないわよ雪さん!」
ドドドっと足音が玄関から聞こえて、親戚が集まる。
計十人の親せきが集まる。
旦那さんや奥さん、従兄弟の桃都までいる。
祖母と祖父の子供は六人でそれぞれ家を出て家庭を持っている。
「この家は雪さんがいないとやっていけないわ!」
「一番悪いのは兄さんだし、まだ若いのに独り身は辛いだろうなと言っていたんだ」
「爺さんの面倒みるのやだし!うるさいから!」
「なんといった!正彦!」
「いや、ホントのことだし」
あまりの伯母叔父の怒涛の出動にビックリする、李流と雪。
「ほんとにいいんですか?わたしこの家にいても……」
さらに目をうるませる雪。
「もちろん!」
(このじいさんを面倒見れるのは雪はだけ……)
という心が透けて見える……
「皆さんありがとう……」
「子供は桜庭の家の子じゃないのに……」
「何言ってんの!じいさんだって赤の他人の養子でしょ?じいさんに文句言う資格はない」
「ワシは文句言っ取らんわ!受け入れるって言っとるじゃないか!」
「でも、お父さんと子供一緒に面倒見るのは大変じゃない?」
「私が子供の方面倒見てあげる!父さんを雪さんが面倒見てくれれば……」
「何じゃと!陽菜!和香子!親不孝目が!お前らはワシの面倒もたまには見ろ」
「もし女の子が生まれたらボクがお嫁さんに貰ってあげるよ」
桃都がニコニコして言った。
「雪さんの娘なら絶対可愛いもん。先約ね」
「わしに似てるな……桃都は……」
お祖父さんも昔そんなこと言って桜庭の唯一のお姫様のである祖母を妻にした。
ワイワイ、ガヤガヤ、
これが桜庭家のいつもの会議だ。
賑やかすぎて温かすぎて、胸が詰まって、李流は泣いてしまった。
雪も同じだ。
親戚は皆、なぜだか、ホッとして涙を瞳に溜める。
「ありがとう、ありがとうございます、皆さん」
「元気な兄弟を産んでね、お母さん……」
手と手を重ねて励ます。
今日は一日中母のそばにいて、いろいろ話した。
ハル様の事や宮中の事や離れていたことの出来事を。
母はいつも通り優しく接してくれた。
安心したのか、母はすっと眠ってしまった。
寝息を聞いて、李流もやっと安心した。
桜庭家での事は片付いた…
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