1 / 79
1☆こころの空洞
しおりを挟む
心が空洞になった後は悲しみが押し寄せて来る。
朝登校すると法子(ほうこ)の机にはひどい落書きがされていた。
戦犯王の子孫は消えろ!
それは昨日の歴史の授業で、我が国、日和国の先代の皇帝が世界制服を企んだという内容の授業だった。
結局白人国のコメリカに負けてしまい軍事国家から平和主義国になったという内容だが、それまでにニダ国やシナ国を侵略して略奪ひどいことをしたと延々と先生は熱弁を語った。
その影響を受けたのか皇族の法子に自分たちは虐げられて民という大義を胸にいじめを行使したのだ。
法子も少なからず罪悪感を植え付けられていたせいで自分の存在に疑問を持った。
お父様やお母様はそういうことを教えてくれなかった。
皇室はいつも慕われてる、国民の幸せを祈るのは日和皇族の役目。
私達を慕ってくれる私達の国民の幸せを祈るのは当然の事、義務と教わった。
けれど今の状態はとういうこと?
『消えろ』と書かれた机。
法子を憎むような瞳
ショックで涙する私をほくそ笑む友達。
私は悲しくて悔しくて初めて学校を自ら早退した。
そんなに日和国が悪い国だったなんて!
その国の先代祝皇の命令で国民や他国を苦しめたなんて!
それじゃ嫌われて当然だ!
慕われるはずない!
国民のために祈り姫なんてできる分けない!
こうしてぬくぬくと国民からのお金で暮らしているのも罪・・・
……だったら……
皇族なんてやめてやる!
『祈り姫』である私なんていらないんだ!
家出してやるんだから!
☆☆☆
夜の七時
十五歳になったばかりの桜庭李流は皇宮殿内のある場所を探すために出勤時間外で見渡り歩きをしていた。
手には解読した地図を手に服装は伝統的衣装を着ている。
一目で内裏護衛の者だとわかる。
内裏護衛とは祝皇の御家族が住む皇居の護衛だ。
選ばれた若者もしくは祝皇に心からの忠誠を誓った二十歳になる前の若者が付ける仕事だ。
千年前からある狩衣姿に胸当てのよろいに背中に弓やをぶら下げて懐中電灯を持ち皇宮殿内を見回って警護をする。
いまや、内裏衛士というより、伝統衛士と言われることのほうが多い。
それは、警護といっても公職の警察はきちんと仕事をしているため、内裏衛士は日和国の伝統を守る仕事でもあった。
門衛の仕事は皇室を大切な国の帝を守るため志ある若者が無償で競って志願する仕事だ。
けれどこういう仕事があることを今の若者が知ることは皆無に等しい。
さらに、昨今皇族に対して敬意を持たない若者や日和国民が増えた。
それは自虐史と先の対戦の敗北が原因だった。
学校で教わることは祝皇が悪かった、日和国民も残虐だったと、ねつ造が横行している……
そう捏造なのだ。
新聞から学校教育ましてや国会議員までもが反日和になりつつある。
いや、むしろ大半だ。
数の少ないまともな国を思う保守層からは
国を壊す議員
国壊議員(こっかいぎいん)と揶揄されている。
そういう者たちが国をダメにして自虐史に邁進しているのだ。
真実を見ることを恐れて簡単な嘘に騙されている。
国が壊される状態に選挙権がまだない李流は成人していないながらも憂いを感じる。
日和は侵略戦争なんかしてないと言うと異端者の目で見られる。
けれど祝皇陛下を慕う心だけはまだあると信じたい。
オレは陛下のためにいつでも命を捧げる覚悟はできている。
純粋な日和人じゃない自分がこんなにも陛下や国を思う心をもったのだから、
まだ真実に目覚めない純粋な日和国民の心の中、一%でもきっと陛下を思う心が遺伝子に組み込まれ 眠ってる筈なのだと……
つらつら今の日和について思いを馳せながら地図の目的地についた。
「確かこの辺だったはず」
警備の順路をわざと外れて祖父から受け継いだ菊桜の紋章が彫られたペンダント見開きの裏に隠されしまわれていた地図。
地図解読して行き当たった場所が皇族様の住居だった。
しかもこのあたりは祈り姫の住居のあたり。
祈りを捧げる場所
昔は斎宮と呼ばれた場所の遷都した時に作った宮だ。
見上げる場所は自分より頭二つ分高い塀の壁だった。
けれど、誰も通らないのか草が無雑に生えていて宮殿のなかだとは思えない。
朝登校すると法子(ほうこ)の机にはひどい落書きがされていた。
戦犯王の子孫は消えろ!
それは昨日の歴史の授業で、我が国、日和国の先代の皇帝が世界制服を企んだという内容の授業だった。
結局白人国のコメリカに負けてしまい軍事国家から平和主義国になったという内容だが、それまでにニダ国やシナ国を侵略して略奪ひどいことをしたと延々と先生は熱弁を語った。
その影響を受けたのか皇族の法子に自分たちは虐げられて民という大義を胸にいじめを行使したのだ。
法子も少なからず罪悪感を植え付けられていたせいで自分の存在に疑問を持った。
お父様やお母様はそういうことを教えてくれなかった。
皇室はいつも慕われてる、国民の幸せを祈るのは日和皇族の役目。
私達を慕ってくれる私達の国民の幸せを祈るのは当然の事、義務と教わった。
けれど今の状態はとういうこと?
『消えろ』と書かれた机。
法子を憎むような瞳
ショックで涙する私をほくそ笑む友達。
私は悲しくて悔しくて初めて学校を自ら早退した。
そんなに日和国が悪い国だったなんて!
その国の先代祝皇の命令で国民や他国を苦しめたなんて!
それじゃ嫌われて当然だ!
慕われるはずない!
国民のために祈り姫なんてできる分けない!
こうしてぬくぬくと国民からのお金で暮らしているのも罪・・・
……だったら……
皇族なんてやめてやる!
『祈り姫』である私なんていらないんだ!
家出してやるんだから!
☆☆☆
夜の七時
十五歳になったばかりの桜庭李流は皇宮殿内のある場所を探すために出勤時間外で見渡り歩きをしていた。
手には解読した地図を手に服装は伝統的衣装を着ている。
一目で内裏護衛の者だとわかる。
内裏護衛とは祝皇の御家族が住む皇居の護衛だ。
選ばれた若者もしくは祝皇に心からの忠誠を誓った二十歳になる前の若者が付ける仕事だ。
千年前からある狩衣姿に胸当てのよろいに背中に弓やをぶら下げて懐中電灯を持ち皇宮殿内を見回って警護をする。
いまや、内裏衛士というより、伝統衛士と言われることのほうが多い。
それは、警護といっても公職の警察はきちんと仕事をしているため、内裏衛士は日和国の伝統を守る仕事でもあった。
門衛の仕事は皇室を大切な国の帝を守るため志ある若者が無償で競って志願する仕事だ。
けれどこういう仕事があることを今の若者が知ることは皆無に等しい。
さらに、昨今皇族に対して敬意を持たない若者や日和国民が増えた。
それは自虐史と先の対戦の敗北が原因だった。
学校で教わることは祝皇が悪かった、日和国民も残虐だったと、ねつ造が横行している……
そう捏造なのだ。
新聞から学校教育ましてや国会議員までもが反日和になりつつある。
いや、むしろ大半だ。
数の少ないまともな国を思う保守層からは
国を壊す議員
国壊議員(こっかいぎいん)と揶揄されている。
そういう者たちが国をダメにして自虐史に邁進しているのだ。
真実を見ることを恐れて簡単な嘘に騙されている。
国が壊される状態に選挙権がまだない李流は成人していないながらも憂いを感じる。
日和は侵略戦争なんかしてないと言うと異端者の目で見られる。
けれど祝皇陛下を慕う心だけはまだあると信じたい。
オレは陛下のためにいつでも命を捧げる覚悟はできている。
純粋な日和人じゃない自分がこんなにも陛下や国を思う心をもったのだから、
まだ真実に目覚めない純粋な日和国民の心の中、一%でもきっと陛下を思う心が遺伝子に組み込まれ 眠ってる筈なのだと……
つらつら今の日和について思いを馳せながら地図の目的地についた。
「確かこの辺だったはず」
警備の順路をわざと外れて祖父から受け継いだ菊桜の紋章が彫られたペンダント見開きの裏に隠されしまわれていた地図。
地図解読して行き当たった場所が皇族様の住居だった。
しかもこのあたりは祈り姫の住居のあたり。
祈りを捧げる場所
昔は斎宮と呼ばれた場所の遷都した時に作った宮だ。
見上げる場所は自分より頭二つ分高い塀の壁だった。
けれど、誰も通らないのか草が無雑に生えていて宮殿のなかだとは思えない。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる