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あやかしと神様の嫁修業

6☆春陽と叔父の事情

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 封印の蔵の騒ぎで巻き込まれた春陽は疲れてはいたが、仲良くなった葛葉子に申し訳なさそうに謝る。
「父はよそ者には頑固だから…気にしないでいいよ。
 それで、義理母さんの達ともそれで別れちゃった…」

 さらに、兼頼は春陽の早く亡くなった母親と比べてはダメ出しをする癖があるらしい。
 そして嫌気が差して離婚される。
 何度もそんなことを経験していて、春陽は変わらず温かい迎え入れてくれる瑠香の家族を大好きだった理由を知った。
 だから、葛葉子に辛く当たったのだと理解すると恥ずかしくなり意地悪する気もなくした。

「それに、僕が大人になるまで瑠香にぃに香茂を継がせるとか変なこと言ってるけど意地張ってるだけだから…迷惑かけてごめんね」
 春陽は済まなそうに葛葉子に謝る。
「ううん!いいんだよ。
 私も親戚みんなに認められたいし認められるように頑張るよ」

 葛葉子は春陽に嫌われても仲良くしようとして頑張っていたことを思い出して苦笑した。
 最終的には瑠香に絶望して諦めて仲良くなったようなものだけれど…

 それを思い出して、青ざめて、

「ドスケベな瑠香にぃが家を継ぐほうが問題だと思うけど…………」
 もしこの家を継いでもスケベなことしか考えてなくて葛葉子にデレデレで家を潰されたらどうしようと、トラウマ過ぎてスケベとは関係ない家のことに絡んでそんなことを考えて呟いたら、
 瑠香は苦笑いして、
「姉さんを女神だと思っているお前には跡取り作るの無理そうだからオレが頑張ってやるよ」
 あまりにもドスケベと連呼するものだから、意地悪を言ってやる。

「む、無理じゃないよ!ドスケベな事しないだけだよ!」
「オレだってそんなにドスケベじゃないし…年頃の男のように妄想膨らんでるだけだよ。勘違いするな」
 同い年の男の頭を覗くと自分よりヤバい奴はたくさんいる。

「オレは…普通に子作りしたいだけだよ…」
 いや、子作りしたいと思いつつ、愛し合いたい!体の関係をむすびたい!
 触れたい、触りたい、なかせたい!より強く繋がりたい!
 命短し宿命ならなおさらだ…
 まだ若い瑠香は葛葉子の体を弄びたくて仕方がない。
 子供はそのついでと思ってもいた。
 ひどい男だと自分でも思う。
 それが正直な心でもある。
 その思いを葛葉子の為に我慢している。
 それも一つの愛情表現だと思っている冷静な自分がいま理性で欲望を抑えて悶々としている日々だ。

 葛葉子は子作りしたいという
瑠香の言葉は早く幸せな家庭を作りたいと言う事だと思ってる、興奮気味に頬を赤らめて真剣に、

「私も早く子作りしたいよっ!
 だから、認めてもらうために頑張るよっ!」
 と意気込む燃料になったが、それはSEXしたいと葛葉子みずから言われているようで、あらぬ妄想をして嬉しくて照れる瑠香だった。

 葛葉子は純粋なのに、瑠香にいときたらやっぱり…

 そんな瑠香を冷たい目でやはり見つめる春陽だった。
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