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茨の魔女
11☆リネルの媚薬☆エンド
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二人がこの世を去ったあとに残った茨の森は色とりどりの薔薇が咲き誇っていた。
オーネは色とりどりの美しい薔薇に惹かれて薔薇に顔を近づけて匂いを嗅ぐ。
そんなオーネをじっーっとボースは見つめていた。
「な、何?」
「美しいなぁ…って思って見惚れてた」
ボースは正直に言う。
(なにそれ!ドキドキしちゃうじゃない!)
「オーネの美しさがこの薔薇の世界のようにずっと美しいものだったらいいのに……と思ってね。」
ボースはいつもいつも不意にオーネの美しさを褒める。
オーネはとても美しい存在だ。ボースの憧れる【魔女の中の魔女】に匹敵するほどの美しさだと確信している。
だからこそ自慢するように絶賛する時もある。
それは自分の自慢できる所有物のような感覚だとボーはス言っていた。
「今回、アーサーに飲ませた魔薬は不老のまま死なない肉体にするための薬だったんだよ」
アーサーはあんな殺され方しても生き返ったという事は成功したという事だろう。
だが、不老かどうかは精霊の国に行ってしまったら関係ない事で実証の術はない。
「何でそんな薬作ったの?」
「……オーネは僕のただ一度の一生の眷属だからだよ。僕より先に逝く事は許さない。」
ボースは脅すように言う。
魔女は一度きりの眷属が持てるようだ。
それは人とは限らない。
ボースは不思議な力を持ったオーネを【魔女の中の魔女】に進められて助けて眷属にした。
不思議な力を持っていてもオーネは人間だ。
人間なのだからいつかボースを置いて死んでしまう……百年にも満たない大切な眷属だ。
「死なせたくないし手放したくない。だから……リネルの気持ちもわかるよ。オーネが僕を裏切ったら怒り狂うよ。他人の手に渡るならこの手で抹殺するよ」
ボースは迷いもせず断言をする。
言ってる事は物騒で脅しだが、その、切なるボースの言霊にドキドキとオーネの胸は鳴る。
(ボース…それって、もしかして、私たちは相思相愛なんじゃ……)
とオーネはときめく。
だが…相思相愛は永遠の別れ…
アーサー達のように久遠の時を一緒にいられない。
オーネはアーサーたちが今や幸せなのが羨ましい。
(もう苦しまなくていいんだから……)
オーネは一生、苦しく狂おしい恋心を抱き続けてそばにいつづける……
魔女になったリネルのように、静かに思い続けることも幸せなことなのかもしれない……だから……
オーネは、ボースの手をがっしり握り顔を近づけて瞳をカッ!と見開き、
「完成したら飲ませてね!絶対!あと、ずっと、ずーーっと若いままの薬も付け足してね!お願い!どんな見た目も味の悪い薬でも飲むからっ!」
「う、うん、そうするよ…」
何事にも動じる事のないボースもオーネの突然の熱い真剣さに怯む。
「私もずっとボースといたい!どうせなら若いままで!」
さらに畳み掛けるように前屈みになると、ボースを押し倒してしまった。
薔薇の花びらが舞う。
甘い甘美な香りが漂う。
花びらがボースの白い肌や髪に婀娜っぽくかかる。
互いに瞳が合う。
時が止まったように見つめあってしまう。
ただそれだけのことなのに、互いに愛おしく思うのは茨の魔女が残した恋心の思いの魔力の欠片。
オーネは魔法に惑わされない体質だが、雰囲気に飲まれてボースの唇に落ちた花びらをそっと取るフリをして柔らかさを確かめた。
(やばい!やばいー!なにこれ!指でもこの感触なのに!私がキスしちゃったら私が昇天するわ!)
オーネは心の中で叫ぶ。
「何度も触るな鬱陶しい!」
「ぎゃ!痛っ!」
ボースに容赦なく噛まれてオーネの指に歯形が思いっきり付いた。
ボースはオーネの真剣な瞳を避けるとバラが目に止まり閃く。
「ここの薔薇は何かの効能あるかもしれないから採取していこう。薔薇は美しさと、若返りの効果があるから、精霊の薔薇はならばオーネの望む薬ができるかもね」
「私頑張って!薔薇を摘むわ!」
オーネは張り切って大きな袋の中に薔薇の花を摘んでいき、
「花摘みすぎた…」
「オーネやりすぎ。」
摘むことに夢中になって乱獲してしまった。袋もサンタクロースの袋みたいだ。
そして以前とほぼ変わらぬ茨の森になっていた。
「また咲くから大丈夫よね?」
「まぁ、色々使い道はあるだろうし。これ使い切るまで薬の実験体になってもらうからね?」
ボースはふふふと不気味な笑い方をする。
「 ボースってホント魔女よね…」
そんなボースを恐ろしくも愛おしいと思い続けるオーネだった。
オーネは色とりどりの美しい薔薇に惹かれて薔薇に顔を近づけて匂いを嗅ぐ。
そんなオーネをじっーっとボースは見つめていた。
「な、何?」
「美しいなぁ…って思って見惚れてた」
ボースは正直に言う。
(なにそれ!ドキドキしちゃうじゃない!)
「オーネの美しさがこの薔薇の世界のようにずっと美しいものだったらいいのに……と思ってね。」
ボースはいつもいつも不意にオーネの美しさを褒める。
オーネはとても美しい存在だ。ボースの憧れる【魔女の中の魔女】に匹敵するほどの美しさだと確信している。
だからこそ自慢するように絶賛する時もある。
それは自分の自慢できる所有物のような感覚だとボーはス言っていた。
「今回、アーサーに飲ませた魔薬は不老のまま死なない肉体にするための薬だったんだよ」
アーサーはあんな殺され方しても生き返ったという事は成功したという事だろう。
だが、不老かどうかは精霊の国に行ってしまったら関係ない事で実証の術はない。
「何でそんな薬作ったの?」
「……オーネは僕のただ一度の一生の眷属だからだよ。僕より先に逝く事は許さない。」
ボースは脅すように言う。
魔女は一度きりの眷属が持てるようだ。
それは人とは限らない。
ボースは不思議な力を持ったオーネを【魔女の中の魔女】に進められて助けて眷属にした。
不思議な力を持っていてもオーネは人間だ。
人間なのだからいつかボースを置いて死んでしまう……百年にも満たない大切な眷属だ。
「死なせたくないし手放したくない。だから……リネルの気持ちもわかるよ。オーネが僕を裏切ったら怒り狂うよ。他人の手に渡るならこの手で抹殺するよ」
ボースは迷いもせず断言をする。
言ってる事は物騒で脅しだが、その、切なるボースの言霊にドキドキとオーネの胸は鳴る。
(ボース…それって、もしかして、私たちは相思相愛なんじゃ……)
とオーネはときめく。
だが…相思相愛は永遠の別れ…
アーサー達のように久遠の時を一緒にいられない。
オーネはアーサーたちが今や幸せなのが羨ましい。
(もう苦しまなくていいんだから……)
オーネは一生、苦しく狂おしい恋心を抱き続けてそばにいつづける……
魔女になったリネルのように、静かに思い続けることも幸せなことなのかもしれない……だから……
オーネは、ボースの手をがっしり握り顔を近づけて瞳をカッ!と見開き、
「完成したら飲ませてね!絶対!あと、ずっと、ずーーっと若いままの薬も付け足してね!お願い!どんな見た目も味の悪い薬でも飲むからっ!」
「う、うん、そうするよ…」
何事にも動じる事のないボースもオーネの突然の熱い真剣さに怯む。
「私もずっとボースといたい!どうせなら若いままで!」
さらに畳み掛けるように前屈みになると、ボースを押し倒してしまった。
薔薇の花びらが舞う。
甘い甘美な香りが漂う。
花びらがボースの白い肌や髪に婀娜っぽくかかる。
互いに瞳が合う。
時が止まったように見つめあってしまう。
ただそれだけのことなのに、互いに愛おしく思うのは茨の魔女が残した恋心の思いの魔力の欠片。
オーネは魔法に惑わされない体質だが、雰囲気に飲まれてボースの唇に落ちた花びらをそっと取るフリをして柔らかさを確かめた。
(やばい!やばいー!なにこれ!指でもこの感触なのに!私がキスしちゃったら私が昇天するわ!)
オーネは心の中で叫ぶ。
「何度も触るな鬱陶しい!」
「ぎゃ!痛っ!」
ボースに容赦なく噛まれてオーネの指に歯形が思いっきり付いた。
ボースはオーネの真剣な瞳を避けるとバラが目に止まり閃く。
「ここの薔薇は何かの効能あるかもしれないから採取していこう。薔薇は美しさと、若返りの効果があるから、精霊の薔薇はならばオーネの望む薬ができるかもね」
「私頑張って!薔薇を摘むわ!」
オーネは張り切って大きな袋の中に薔薇の花を摘んでいき、
「花摘みすぎた…」
「オーネやりすぎ。」
摘むことに夢中になって乱獲してしまった。袋もサンタクロースの袋みたいだ。
そして以前とほぼ変わらぬ茨の森になっていた。
「また咲くから大丈夫よね?」
「まぁ、色々使い道はあるだろうし。これ使い切るまで薬の実験体になってもらうからね?」
ボースはふふふと不気味な笑い方をする。
「 ボースってホント魔女よね…」
そんなボースを恐ろしくも愛おしいと思い続けるオーネだった。
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