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5☆夜の神の仕事
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「タヌさん無事だったのね!」
抱擁された狸は葛葉子から離れると何かを伝えているみたいに手足を上下にばたつかせた。
その狸のしぐさに瑠香は驚く。
飼い猫でも犬でもたまにはそういう訴える仕草はするがほんとに会話をしているようで、葛葉子も言葉を理解している。
獣の神を身に宿しているからわかるのだろうけど。
(タヌキとキツネって仲わるくなかったか?)
と瑠香は思う。
一通り会話が終わると狸はじっと葛葉子を見つめたあと暗闇に帰っていった。
「この頃、宮中の動物を襲う何者かがいるのだ……」
悲しげにため息をついて告げる。
葛葉子は妖狐の力を得てから動物たちと仲良くなり、夜を飛び回っているらしい。
夜行性、闇夜のものに近いから性分になってしまった。
夜中でも瑠香のように見回る伝統衛士でも深夜まで見回ることはない。
学生が本分という陛下の計らいで時間も決められている。
陰陽寮の仕事も学生は時間が決められているので深夜の見回りは宮廷警察の仕事でもあるがやはり霊的なものはわからないのだ。
人なら捕らえられる警護はたくさんいるけれど特殊能力をもって守る者が宮廷警察には少ない。
なので、宮中は陰陽寮長率いる能力者が結解を張っているとしても陰陽寮長よりも力がある能力者ならば結界をもすり抜ける特殊な能力者がいるようだ。
瑠香の父である陰陽寮長の高良は普通の人間よりは能力は高いし知識も呪術や占術の知識もあるが所詮限界のある人間なのだ。
将来、神の化身である晴房が大人になったら人も妖も宮廷皇居を守る力を発する事になる。
だが、大人になるまで、まだまだ時間がかかる。
瑠香もそこが問題で、陛下をお守りする役目をモットーにする伝統衛士の滝口臣はいつも寝不足で学校では居眠りばかりだ。
瑠香も臣が限界そうだから、代わりに見回りを代わってやっている。
瑠香はきっちり時間内に見回るだけが……
「ちょうどお前ら衛士が寝静まる頃、適任の私が夜見回りをしておるのだ。それが宮中の西を守る獣のあやかしの役目らしいのでな。タヌさんと一緒に仕事をしているのだ。」
葛葉子は自慢気に胸を張る。
「それはすごいな、さすがあやかしで白狐さまだな」
魂を永らえさせるということは神の仕事もすることも含まれている。
葛葉子は話を聞いてくれる瑠香に気分を良くしてよく喋る。
信用されていると思うと悪い気はしない。
(むしろ嬉しい…もっと知りたい…そばにいたい)
学校で近づいてくる女子はウザいと思うのに……
葛葉子に恋をしているからだろうか。
可愛く思ってしようがない。
恋は本当に恐ろしい……
「だから、動物にしかわからぬネットワークは今後必要だと思うんだ!動物たちと仲良くなって陛下のお住まいを守っておる」
さらに、えっへんと胸を張る。
もっと褒めてもらいたいのに
「宮中が動物に守られているなんてしらなかったな。動物に…ね」
と、瑠香は少し馬鹿にしたような言い方に葛葉子はムッとする。
「瑠香は動物信用できないか?嫌いなのか?」
「まぁ、あやかしの動物なら人間より強そうなだけ。
葛葉子のようなあやかしなら信用するが動物は少し苦手かな…嫌いではないが……」
瑠香は嫌な顔をする。
「なんでだ?」
「獣臭い。」
「それくらい我慢しろ。動物はかわいだろ!可愛いは正義だ!」
「そうだな…可愛いは正義だ」
それは葛葉子限定だ。
「オレは鼻が人一倍鼻が良いんだ…獣臭さが嫌いなんだ。」
香を操る力を持っているためでもある。
葛葉子は耳を後ろに折り自分の体を気にするように嗅ぐ。
「私も獣臭いのか?」
年頃の女の子だけに気になるらしい。
だけど、白狐は神狐だからだろうか、獣臭さ感じない。
むしろ、柑橘系の若々しい匂いがする……
その香りは若々しいのに人を惹きつける特殊な香りに感じる。
「くずばこの匂いなら我慢できる。」
『くずはこ』なのに『くずばこ』とわざと言い換える。
葛葉子はわざと意地悪をいう瑠香を睨む。
「口が悪いな。おまえ……」
耳と、尻尾を下げて威嚇をする。
瑠香は葛葉子を見てにやにやする。
(その様子も可愛すぎる…)
瑠香はそっと葛葉子の頭を動物にするように撫でる。
「うぅ…」
撫でられて悪い気はしないが突然の行動すぎて葛葉子は戸惑う。
「それとも顎の下がいいか?ふふ…」
顎の下をこちょこちょ触られる。
にやにや笑いからかわれて葛葉子はムッとする。
「動物扱いするな。半分人間なんだから。臭いと思うなら近づくな」
獣は臭いといわれたことを気にしているらしい。
「本当は獣くさくないよ…いい香りだ…柑橘系のさわやかないい香りだよ」
「ほ、ほんとか⁉︎」
そう言われて葛葉子はぱぁああ!と明るく瞳を輝かせて喜ぶ表情をした。
かわいい…可愛すぎる……
そう思った瞬間、瑠香は無意識に葛葉子の顎を指で持ち上げ、唇を重ねていた。
抱擁された狸は葛葉子から離れると何かを伝えているみたいに手足を上下にばたつかせた。
その狸のしぐさに瑠香は驚く。
飼い猫でも犬でもたまにはそういう訴える仕草はするがほんとに会話をしているようで、葛葉子も言葉を理解している。
獣の神を身に宿しているからわかるのだろうけど。
(タヌキとキツネって仲わるくなかったか?)
と瑠香は思う。
一通り会話が終わると狸はじっと葛葉子を見つめたあと暗闇に帰っていった。
「この頃、宮中の動物を襲う何者かがいるのだ……」
悲しげにため息をついて告げる。
葛葉子は妖狐の力を得てから動物たちと仲良くなり、夜を飛び回っているらしい。
夜行性、闇夜のものに近いから性分になってしまった。
夜中でも瑠香のように見回る伝統衛士でも深夜まで見回ることはない。
学生が本分という陛下の計らいで時間も決められている。
陰陽寮の仕事も学生は時間が決められているので深夜の見回りは宮廷警察の仕事でもあるがやはり霊的なものはわからないのだ。
人なら捕らえられる警護はたくさんいるけれど特殊能力をもって守る者が宮廷警察には少ない。
なので、宮中は陰陽寮長率いる能力者が結解を張っているとしても陰陽寮長よりも力がある能力者ならば結界をもすり抜ける特殊な能力者がいるようだ。
瑠香の父である陰陽寮長の高良は普通の人間よりは能力は高いし知識も呪術や占術の知識もあるが所詮限界のある人間なのだ。
将来、神の化身である晴房が大人になったら人も妖も宮廷皇居を守る力を発する事になる。
だが、大人になるまで、まだまだ時間がかかる。
瑠香もそこが問題で、陛下をお守りする役目をモットーにする伝統衛士の滝口臣はいつも寝不足で学校では居眠りばかりだ。
瑠香も臣が限界そうだから、代わりに見回りを代わってやっている。
瑠香はきっちり時間内に見回るだけが……
「ちょうどお前ら衛士が寝静まる頃、適任の私が夜見回りをしておるのだ。それが宮中の西を守る獣のあやかしの役目らしいのでな。タヌさんと一緒に仕事をしているのだ。」
葛葉子は自慢気に胸を張る。
「それはすごいな、さすがあやかしで白狐さまだな」
魂を永らえさせるということは神の仕事もすることも含まれている。
葛葉子は話を聞いてくれる瑠香に気分を良くしてよく喋る。
信用されていると思うと悪い気はしない。
(むしろ嬉しい…もっと知りたい…そばにいたい)
学校で近づいてくる女子はウザいと思うのに……
葛葉子に恋をしているからだろうか。
可愛く思ってしようがない。
恋は本当に恐ろしい……
「だから、動物にしかわからぬネットワークは今後必要だと思うんだ!動物たちと仲良くなって陛下のお住まいを守っておる」
さらに、えっへんと胸を張る。
もっと褒めてもらいたいのに
「宮中が動物に守られているなんてしらなかったな。動物に…ね」
と、瑠香は少し馬鹿にしたような言い方に葛葉子はムッとする。
「瑠香は動物信用できないか?嫌いなのか?」
「まぁ、あやかしの動物なら人間より強そうなだけ。
葛葉子のようなあやかしなら信用するが動物は少し苦手かな…嫌いではないが……」
瑠香は嫌な顔をする。
「なんでだ?」
「獣臭い。」
「それくらい我慢しろ。動物はかわいだろ!可愛いは正義だ!」
「そうだな…可愛いは正義だ」
それは葛葉子限定だ。
「オレは鼻が人一倍鼻が良いんだ…獣臭さが嫌いなんだ。」
香を操る力を持っているためでもある。
葛葉子は耳を後ろに折り自分の体を気にするように嗅ぐ。
「私も獣臭いのか?」
年頃の女の子だけに気になるらしい。
だけど、白狐は神狐だからだろうか、獣臭さ感じない。
むしろ、柑橘系の若々しい匂いがする……
その香りは若々しいのに人を惹きつける特殊な香りに感じる。
「くずばこの匂いなら我慢できる。」
『くずはこ』なのに『くずばこ』とわざと言い換える。
葛葉子はわざと意地悪をいう瑠香を睨む。
「口が悪いな。おまえ……」
耳と、尻尾を下げて威嚇をする。
瑠香は葛葉子を見てにやにやする。
(その様子も可愛すぎる…)
瑠香はそっと葛葉子の頭を動物にするように撫でる。
「うぅ…」
撫でられて悪い気はしないが突然の行動すぎて葛葉子は戸惑う。
「それとも顎の下がいいか?ふふ…」
顎の下をこちょこちょ触られる。
にやにや笑いからかわれて葛葉子はムッとする。
「動物扱いするな。半分人間なんだから。臭いと思うなら近づくな」
獣は臭いといわれたことを気にしているらしい。
「本当は獣くさくないよ…いい香りだ…柑橘系のさわやかないい香りだよ」
「ほ、ほんとか⁉︎」
そう言われて葛葉子はぱぁああ!と明るく瞳を輝かせて喜ぶ表情をした。
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