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あやかしと神様の学園ライフ
5☆『いじめ』か『羨ましい』か
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「あなたが盗んだんでしょう!?」
「私じゃない……信じて!」
みんなが私を疑ってる。
お財布を盗んだと疑われる。
ただ拾って、誰のものか聞こうとしただけなのに……
疑われて苦しい。
信じてもらえなくて……
屋上に駆け上がり、落ちる夢……
「ウウッ…」
葛葉子は、机に突っ伏してうなされていた。
瞳には涙があふれる。
トントンと肩を叩かれてハッ目を覚ます。
肩を叩いてくれたのは、藤田佐保子だった。
彼女は久美と違いおとなしく華奢な女子だ。
初めて声をかけてくれたのも佐保子だった。
「大丈夫?うなされてたよ?」
「ありがとう。昼はどうも眠くて」
そう言い、あくびをする。
夜の見回りもそうだが、夜行性な性分なので昼は起きているのがきつい。
「阿倍野さん泣いてる……」
夢と同調してしまったのだと、葛葉子は思う……
「次の授業男子と別だから家庭科室いこう?」
「うん」
周りを見るとみんな教室を移動しているみたいだった。
隣の席なんだから久美も誘ってくれればいいのに、まだあのことで仲違いしてる。
財布を盗んだ盗まないかで、口論した。
落ちていた財布を拾ったが、久美の財布だった。
先生に落し物として渡そうとしたが、葛葉子が盗んだと疑われた。
結局、瑠香にかばわれて、事なきを得たけれど、
「羨ましい子……」
とボソリとつぶやかれた。
それ以来何故か険悪になってしまった。
心苦しい…
その思いがあの夢を見せたのかもしれない。
昼休み、恐れ多くも東殿下と葛葉子、瑠香、臣は昼食を囲む。
食堂で向かい合わせだ。
葛葉子の隣に瑠香がすわり、向かいに東と臣だ。
親睦も兼ねて、学校の怪談報告もする。
東はその手の話が大好きで、自ら乗り込んで、迷える魂を成仏させるのが己の役目だと思っていてある程度自由が利かない成人皇族になる前に出来るだけ救いたいと思っているらしい。
「少し前に、いじめで自殺した女子の話はありますが、霊現象はないですね」
瑠香はお茶を飲み言う。
「そうだなぁ。僕もあまりこの学校では見ないね。」
東は顎に手を当てて空を見る。
「俺はもともと見えませんし」
臣は少し申し訳なさそうだ。
「東殿下も臣もオレも品が高いから低級な幽霊は見えないだけですよ」
瑠香はにこやかにわざとフォローした。
「なぜ、私を抜かす?品がないってことか?」
葛葉子は、瑠香を睨む。
「あると思ってるのか?」
意地悪く口はしを持ち上げ言う。
「なんだと!どうして私に品がないのだ!」
瑠香の予想どうりに葛葉子は気色ばむ。
興奮してきつね耳になると、すかさず、瑠香は遠慮無く軽く唇にキスをした。
「あてられるなぁ……」
臣は顔を赤くして頭をポリポリ掻いてよそ見をする。
「オレは神の化身だから。
その幽霊を見た瞬間消してしまうらしいからな、察しの良い幽霊は近寄らない」
そうなのかと、納得する。
さらに、にやりと意地悪く笑い、
「品が高いと神に好かれる。
下品なやつは悪霊につかれやすいんだよ。獣の霊とかな……」
さらにムッと瑠香を睨む。
「私についてるのは神狐、白狐だぞ!」
でも、『あやかし』でもあるからだから仕方がないが……
「わたしも幽霊見たことないぞ」
「不発か……よし、次の高校に転校しようか?」
にこやかに微笑み言う。
「ええっ!?早くないですか!?」
「高校生活は短いんだよ、僕の趣味に付き合わせてすまないが、迷える魂は他にもいると思うと、いても立ってもいられないんだ」
東はとても、胸が痛そうにシャツを掴むが瞳が輝いてる。
「いいんじゃないか?葛葉子だって、女子に最近じめられてるだろ?」
瑠香にはっきり言われて、飲もうとしていた、お茶を飲まず、しゅんとする。
「そうなんだよなぁ。なんでだろう……私悪いことしてないのに」
「そうなのかい?なんで言わない?」
「『いじめ』られてるというよりか、『羨ましい』と言われるからいじめじゃないかな?とか」
「いじめだよ、この頃、友達に無視されてるだろ?」
その分、瑠香ができるだけそばにいるから構わないが、男女別の授業のときはどうだろうか?と内心、心配していたりする。
「いい男に囲まれて羨ましいわね。私も混ぜてよ」
話題の久美が、わり込んできた。
こんなに図々しいこだったけ?
と思うものの、優しい東は隣を譲る。
恐れ多くも遠慮無く座る久美に瑠香は内心腹を立てる。
「なんか、面白い話はあるかい?」
東は変わらず優しい。
「そうですねぇ……いじめられて自殺した女子が幽霊になっていつの間にかクラスに馴染んで授業を楽しんでいるらしいですよ……」
楽しんでいるのか、と不思議に思う。
「そうなのか。その幽霊見てみたいな。自殺した理由も聞いてみたいし」
葛葉子はそう素直に言うと、久美に悲しげな顔された。
(あんたがその幽霊になればいいのよ!)
瑠香は久美の心をテレパシーで覗きみて、根性の悪さに怒りのオーラが収まらなくなり、睨む。
その殺気を感じた久美は座ったばかりなのに逃げるようにその場を後にした。
雰囲気が悪くなったので、東は清めるように三回、柏手をし、
「まずは、クラスの女子の心を浄化させることが先かな……
葛葉子のためにもね?」
「東殿下を守らなくてはいけないのに申し訳ないです……」
しゅんとする葛葉子のそばにまわり優しく肩を叩く。
「カワイイ女の子の寂しい姿は見たくないからね。」
「あ、ありがとうございます」
葛葉子の瞳は神を見るように頬を紅潮させきらめく。
さらに陛下と同じ雰囲気が葛葉子をときめかす。
東殿下は生まれながらのたらしだと瑠香と臣は思った。
意外と学校生活は楽しくて難しい……
そう葛葉子は、悟った。
「私じゃない……信じて!」
みんなが私を疑ってる。
お財布を盗んだと疑われる。
ただ拾って、誰のものか聞こうとしただけなのに……
疑われて苦しい。
信じてもらえなくて……
屋上に駆け上がり、落ちる夢……
「ウウッ…」
葛葉子は、机に突っ伏してうなされていた。
瞳には涙があふれる。
トントンと肩を叩かれてハッ目を覚ます。
肩を叩いてくれたのは、藤田佐保子だった。
彼女は久美と違いおとなしく華奢な女子だ。
初めて声をかけてくれたのも佐保子だった。
「大丈夫?うなされてたよ?」
「ありがとう。昼はどうも眠くて」
そう言い、あくびをする。
夜の見回りもそうだが、夜行性な性分なので昼は起きているのがきつい。
「阿倍野さん泣いてる……」
夢と同調してしまったのだと、葛葉子は思う……
「次の授業男子と別だから家庭科室いこう?」
「うん」
周りを見るとみんな教室を移動しているみたいだった。
隣の席なんだから久美も誘ってくれればいいのに、まだあのことで仲違いしてる。
財布を盗んだ盗まないかで、口論した。
落ちていた財布を拾ったが、久美の財布だった。
先生に落し物として渡そうとしたが、葛葉子が盗んだと疑われた。
結局、瑠香にかばわれて、事なきを得たけれど、
「羨ましい子……」
とボソリとつぶやかれた。
それ以来何故か険悪になってしまった。
心苦しい…
その思いがあの夢を見せたのかもしれない。
昼休み、恐れ多くも東殿下と葛葉子、瑠香、臣は昼食を囲む。
食堂で向かい合わせだ。
葛葉子の隣に瑠香がすわり、向かいに東と臣だ。
親睦も兼ねて、学校の怪談報告もする。
東はその手の話が大好きで、自ら乗り込んで、迷える魂を成仏させるのが己の役目だと思っていてある程度自由が利かない成人皇族になる前に出来るだけ救いたいと思っているらしい。
「少し前に、いじめで自殺した女子の話はありますが、霊現象はないですね」
瑠香はお茶を飲み言う。
「そうだなぁ。僕もあまりこの学校では見ないね。」
東は顎に手を当てて空を見る。
「俺はもともと見えませんし」
臣は少し申し訳なさそうだ。
「東殿下も臣もオレも品が高いから低級な幽霊は見えないだけですよ」
瑠香はにこやかにわざとフォローした。
「なぜ、私を抜かす?品がないってことか?」
葛葉子は、瑠香を睨む。
「あると思ってるのか?」
意地悪く口はしを持ち上げ言う。
「なんだと!どうして私に品がないのだ!」
瑠香の予想どうりに葛葉子は気色ばむ。
興奮してきつね耳になると、すかさず、瑠香は遠慮無く軽く唇にキスをした。
「あてられるなぁ……」
臣は顔を赤くして頭をポリポリ掻いてよそ見をする。
「オレは神の化身だから。
その幽霊を見た瞬間消してしまうらしいからな、察しの良い幽霊は近寄らない」
そうなのかと、納得する。
さらに、にやりと意地悪く笑い、
「品が高いと神に好かれる。
下品なやつは悪霊につかれやすいんだよ。獣の霊とかな……」
さらにムッと瑠香を睨む。
「私についてるのは神狐、白狐だぞ!」
でも、『あやかし』でもあるからだから仕方がないが……
「わたしも幽霊見たことないぞ」
「不発か……よし、次の高校に転校しようか?」
にこやかに微笑み言う。
「ええっ!?早くないですか!?」
「高校生活は短いんだよ、僕の趣味に付き合わせてすまないが、迷える魂は他にもいると思うと、いても立ってもいられないんだ」
東はとても、胸が痛そうにシャツを掴むが瞳が輝いてる。
「いいんじゃないか?葛葉子だって、女子に最近じめられてるだろ?」
瑠香にはっきり言われて、飲もうとしていた、お茶を飲まず、しゅんとする。
「そうなんだよなぁ。なんでだろう……私悪いことしてないのに」
「そうなのかい?なんで言わない?」
「『いじめ』られてるというよりか、『羨ましい』と言われるからいじめじゃないかな?とか」
「いじめだよ、この頃、友達に無視されてるだろ?」
その分、瑠香ができるだけそばにいるから構わないが、男女別の授業のときはどうだろうか?と内心、心配していたりする。
「いい男に囲まれて羨ましいわね。私も混ぜてよ」
話題の久美が、わり込んできた。
こんなに図々しいこだったけ?
と思うものの、優しい東は隣を譲る。
恐れ多くも遠慮無く座る久美に瑠香は内心腹を立てる。
「なんか、面白い話はあるかい?」
東は変わらず優しい。
「そうですねぇ……いじめられて自殺した女子が幽霊になっていつの間にかクラスに馴染んで授業を楽しんでいるらしいですよ……」
楽しんでいるのか、と不思議に思う。
「そうなのか。その幽霊見てみたいな。自殺した理由も聞いてみたいし」
葛葉子はそう素直に言うと、久美に悲しげな顔された。
(あんたがその幽霊になればいいのよ!)
瑠香は久美の心をテレパシーで覗きみて、根性の悪さに怒りのオーラが収まらなくなり、睨む。
その殺気を感じた久美は座ったばかりなのに逃げるようにその場を後にした。
雰囲気が悪くなったので、東は清めるように三回、柏手をし、
「まずは、クラスの女子の心を浄化させることが先かな……
葛葉子のためにもね?」
「東殿下を守らなくてはいけないのに申し訳ないです……」
しゅんとする葛葉子のそばにまわり優しく肩を叩く。
「カワイイ女の子の寂しい姿は見たくないからね。」
「あ、ありがとうございます」
葛葉子の瞳は神を見るように頬を紅潮させきらめく。
さらに陛下と同じ雰囲気が葛葉子をときめかす。
東殿下は生まれながらのたらしだと瑠香と臣は思った。
意外と学校生活は楽しくて難しい……
そう葛葉子は、悟った。
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