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あやかしと神様の恋の枷
7☆皇族と神と誓し者
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『椿の迷路』という観光スポットに東一行は来た。
昔からある立派な尼寺の庭園は、椿だけでつくられた、迷路になっていて知る人ぞ知る観光スポットだ。
いまは沙羅双樹がさいている。
季節とりどり咲き誇るが、常緑木と夏なので緑が青々しく、暑い夏に背の高い緑の壁は涼しい。
東が求める冬椿は、まだ咲いていない。
けれど枝葉は生い茂り密集するから緑の壁を作る。
それが迷路の壁になっている。
葛葉子は東と一緒に迷路に入る。
瑠香と臣は別行動だ。
噂でこの場所は、時どき、人を惑わすという。
しかも、何百年も前からあるとかないとか、八尾比丘尼伝説まで残ってる。
絞りに絞ってこの場所に決めたのだった。
東の護衛を任させた葛葉子は守る立場なのに、手を引かれる。恐れ多い。
「私が引っ張ってお守りしなくてはいけないんじゃ……?」
「男が女の子をリードするのは義務だよ。」
どんな女の子にも優しい東のポリシーだ。
「こんなふうに手を握るなんて、初めてあった時以来だね。」
あの時のことを思い出し、口元に手を当ててふふっと笑う。
「そ、そうですね。」
葛葉子もあの時のことを思い出す。
まだまだ初々しい、初顔合わせを…
☆
「瑠香といるとあやかしや幽霊逃げちゃうし…」
東は少し不服だった。
瑠香は東の護衛を任されているが、神の化身のため幽霊は逃げるしあやかしは近づこうとはしなかった。
それは適任な護衛だった。
学校で何も起こらなくても東は学校が終わると、臣をつれて幽霊スポットに出かけることが多々あって、瑠香を連れて行かなかった。
それはそれで構わなかった。
宮中に戻れば瑠香の役目は晴房をお守りすることだったのだから。
瑠香は余計な仕事はしたくないみたいだった。
なのに、瑠香は、面白い者のを連れてきた。
「お、お初めにかかります、阿倍野葛葉子と申します」
きつね耳に狐のしっぽに金に光る瞳に白銀の髪で巫女装束の同い年の女の子。
葛葉子は、おずおずとしてお辞儀をする。
宮中で働いていたのだから東のことを知っていたが巫女だったので、親王さまにはちかづかなかった。
いや、誰もが近づけるわけではないけれど。
「ほんとに、白狐っていたんだね。しかも可愛らしい」
幽霊とか救われない魂や呪われた付喪神は見たことあるけど、本物のあやかしを、いや白狐のあやかしを見たのは初めてだった。
葛葉子の手を取り、手の甲にチュッと口付ける。
いつもの悪いくせ。
女の子は可愛いし好きだ。
葛葉子は真っ赤になって、恐れ多くも宮様にキスをされて真っ赤になる。
東が祝皇だったら速攻人間に戻るためのキスをしてもらえるのに…
と考えを覗いた瑠香は少しムッとして葛葉子の唇に突然キスをする。
東に見せつけるように…
「恐れ多いことを考えるならオレだけにしておけ、メギツネが…」
東は、瑠香が口が悪い事も、初めて知った。
すると、普通の女の子に戻る。
黒髪の巫女少女だ。
それはそれで可愛らしい。
「宮様の前で恥ずかしいことするな!」
「その恥ずかしいことを、してもらいたいと思ってたのはお前の方だろう。」
頭を覗かれて恥ずかしいが売り言葉に買い言葉で、
「お前とキスしたいと思ってないよ!宮様が祝皇だったらホントの人間に戻れたのにって思っただけで…」
言ってしまって恥ずかしくも恐れおおくて黙る…
「もし、皇子の僕でもキスして人間に戻ったら、僕の恋人になる?」
「え?」
葛葉子は考えてから、
「恐れ多くて…恋人にはなれません!」
はっきり断られた。
「だけど、父のキスは欲しいんでしょ?」
「はい…人間に戻れる条件で陛下に寿ぎ貰えたらうれしいです、陛下を愛しているので」
恋しているように頬を染める。
それは、神誓いしたからではなく、本気だ。
葛葉子の心か白狐の心かわからないが、生き永らえさせられているなら後者のほうが強いだろう。
それほど人を愛せる心とは羨ましいすら感じる。
「それは祝皇という立場になれば恋は次の祝皇を愛するということになるのかい?」
「それはそうです。祝皇はただお一人しか成られないのですから」
瑠香は当然に言う。
瑠香も、神の化身でルカの神と神誓いしている。
その人、個人ではなく祝皇という存在を守るのが神の化身なのだから。
じゃあ、白狐神はどの時代の祝皇に恋をした?
と、疑問が湧く。
その謎を調べてみたいとワクワクする。
葛葉子の中にいる白狐の心は
敬愛ではなく恋だ。
恋は一方通行。
決して結ばれない今上帝、父に恋しているようだけど…
そこが謎だった…
まぁ、『神誓い』とはそういうものかもしれないけれど、それでは本当に陛下以外を誰かを愛してしまったら、どうなるのだろうか?
それを言霊にしたら…心から言霊にしたら、
その時点で死んでしまうらしい。
なんて、罪づくりな契約なんだろうと東は思う。
けれど、皇族に生まれたこの宿命も似たようなモノかと思う。
国民にがっかりさせるような皇族だったら、それだけで、皇族の存在価値や、長らく続く日和国が滅びてしまう切っ掛けを作ってしまう。
ならば、清く正しく美しく、皇族として生きるのが僕の勤めだと心に決めることができた。
それは、神の誓いで、祝皇を守り、皇族守り、愛してくれる者たちを守る義務だと東は覚悟を決めた。
昔からある立派な尼寺の庭園は、椿だけでつくられた、迷路になっていて知る人ぞ知る観光スポットだ。
いまは沙羅双樹がさいている。
季節とりどり咲き誇るが、常緑木と夏なので緑が青々しく、暑い夏に背の高い緑の壁は涼しい。
東が求める冬椿は、まだ咲いていない。
けれど枝葉は生い茂り密集するから緑の壁を作る。
それが迷路の壁になっている。
葛葉子は東と一緒に迷路に入る。
瑠香と臣は別行動だ。
噂でこの場所は、時どき、人を惑わすという。
しかも、何百年も前からあるとかないとか、八尾比丘尼伝説まで残ってる。
絞りに絞ってこの場所に決めたのだった。
東の護衛を任させた葛葉子は守る立場なのに、手を引かれる。恐れ多い。
「私が引っ張ってお守りしなくてはいけないんじゃ……?」
「男が女の子をリードするのは義務だよ。」
どんな女の子にも優しい東のポリシーだ。
「こんなふうに手を握るなんて、初めてあった時以来だね。」
あの時のことを思い出し、口元に手を当ててふふっと笑う。
「そ、そうですね。」
葛葉子もあの時のことを思い出す。
まだまだ初々しい、初顔合わせを…
☆
「瑠香といるとあやかしや幽霊逃げちゃうし…」
東は少し不服だった。
瑠香は東の護衛を任されているが、神の化身のため幽霊は逃げるしあやかしは近づこうとはしなかった。
それは適任な護衛だった。
学校で何も起こらなくても東は学校が終わると、臣をつれて幽霊スポットに出かけることが多々あって、瑠香を連れて行かなかった。
それはそれで構わなかった。
宮中に戻れば瑠香の役目は晴房をお守りすることだったのだから。
瑠香は余計な仕事はしたくないみたいだった。
なのに、瑠香は、面白い者のを連れてきた。
「お、お初めにかかります、阿倍野葛葉子と申します」
きつね耳に狐のしっぽに金に光る瞳に白銀の髪で巫女装束の同い年の女の子。
葛葉子は、おずおずとしてお辞儀をする。
宮中で働いていたのだから東のことを知っていたが巫女だったので、親王さまにはちかづかなかった。
いや、誰もが近づけるわけではないけれど。
「ほんとに、白狐っていたんだね。しかも可愛らしい」
幽霊とか救われない魂や呪われた付喪神は見たことあるけど、本物のあやかしを、いや白狐のあやかしを見たのは初めてだった。
葛葉子の手を取り、手の甲にチュッと口付ける。
いつもの悪いくせ。
女の子は可愛いし好きだ。
葛葉子は真っ赤になって、恐れ多くも宮様にキスをされて真っ赤になる。
東が祝皇だったら速攻人間に戻るためのキスをしてもらえるのに…
と考えを覗いた瑠香は少しムッとして葛葉子の唇に突然キスをする。
東に見せつけるように…
「恐れ多いことを考えるならオレだけにしておけ、メギツネが…」
東は、瑠香が口が悪い事も、初めて知った。
すると、普通の女の子に戻る。
黒髪の巫女少女だ。
それはそれで可愛らしい。
「宮様の前で恥ずかしいことするな!」
「その恥ずかしいことを、してもらいたいと思ってたのはお前の方だろう。」
頭を覗かれて恥ずかしいが売り言葉に買い言葉で、
「お前とキスしたいと思ってないよ!宮様が祝皇だったらホントの人間に戻れたのにって思っただけで…」
言ってしまって恥ずかしくも恐れおおくて黙る…
「もし、皇子の僕でもキスして人間に戻ったら、僕の恋人になる?」
「え?」
葛葉子は考えてから、
「恐れ多くて…恋人にはなれません!」
はっきり断られた。
「だけど、父のキスは欲しいんでしょ?」
「はい…人間に戻れる条件で陛下に寿ぎ貰えたらうれしいです、陛下を愛しているので」
恋しているように頬を染める。
それは、神誓いしたからではなく、本気だ。
葛葉子の心か白狐の心かわからないが、生き永らえさせられているなら後者のほうが強いだろう。
それほど人を愛せる心とは羨ましいすら感じる。
「それは祝皇という立場になれば恋は次の祝皇を愛するということになるのかい?」
「それはそうです。祝皇はただお一人しか成られないのですから」
瑠香は当然に言う。
瑠香も、神の化身でルカの神と神誓いしている。
その人、個人ではなく祝皇という存在を守るのが神の化身なのだから。
じゃあ、白狐神はどの時代の祝皇に恋をした?
と、疑問が湧く。
その謎を調べてみたいとワクワクする。
葛葉子の中にいる白狐の心は
敬愛ではなく恋だ。
恋は一方通行。
決して結ばれない今上帝、父に恋しているようだけど…
そこが謎だった…
まぁ、『神誓い』とはそういうものかもしれないけれど、それでは本当に陛下以外を誰かを愛してしまったら、どうなるのだろうか?
それを言霊にしたら…心から言霊にしたら、
その時点で死んでしまうらしい。
なんて、罪づくりな契約なんだろうと東は思う。
けれど、皇族に生まれたこの宿命も似たようなモノかと思う。
国民にがっかりさせるような皇族だったら、それだけで、皇族の存在価値や、長らく続く日和国が滅びてしまう切っ掛けを作ってしまう。
ならば、清く正しく美しく、皇族として生きるのが僕の勤めだと心に決めることができた。
それは、神の誓いで、祝皇を守り、皇族守り、愛してくれる者たちを守る義務だと東は覚悟を決めた。
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