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あやかしと神様の恋の枷
10☆八尾比丘尼の異界
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瑠香の先導で、障子だらけの廊下を八尾比丘尼の香りをたどり、東の元へ急ぐ。
障子を開ければまた廊下。
方角が狂う。
一度迷えば二度と帰って来れない。
「障子は異界との境界というのは本当だったんだ…」
葛葉子は祖父に教えてもらったことを口にする。
「オレは知らなかったぞ」
「お祖父様は異界に詳しかったから、東殿下に似てるとこがあるな」
「それ、恐れ多いよ、葛葉子さん」
臣は皇室第一、尊敬してるから注意をしてしまう。
でも臣は柔らかい感じで怒るから怖くないし、臣自身も苦笑する。
「ごめん。でもこの事は東殿下に内緒にしておいたほうがいいかも、阿倍野に押しかけそうだから…」
ふと、今の阿倍野は異界のようなものだと、葛葉子は思った。
「それはそうだな。臣、内緒だからな。」
瑠香は臣に注意する。
「そうする」
もう、自ら好んで危険なことをして欲しくないと三人は本気で思う。
真っ白だけの障子かと思いきや、青いライトに照らされて魚の影が映るものや、花が動く障子があって魅了される。
八尾比丘尼の力のなせる術か。
「開けるなよ。水が流れ込むぞ。ルカの神が言ってる」
異界のこと霊的なことならルカの神は力をかせるらしい。
瑠香は、会話しながら集中してる。
異界は侵入者も惑わす為のトラップも用意してあるらしい。
「私もあやかしならいつか、こんな空間つくること出来るのかな?」
自分はあやかしとしても神狐としても中途半端で、狐火を操ることが今は精一杯だ。
あとは、瑠香に眷属として力を引き出してもらうくらいしか出来ない。それだけでも十分だと思うけど…あやかしはどうやら異界に住んでエリアを作れるらしい。
「オレが作ってやるよ、楽しみにしておけ」
ふふっと瑠香は笑う。
葛葉子は、目を丸くして驚く。
「神の化身はそんなこともできるのか?すごいな!」
「お前とオレと子供が住む空間だけどな」
「ん?随分具体的だな…」
葛葉子は首をかしげて意味を理解してなかった。
それは、結婚して二人の新居のことだろ?と臣は察したが口には出さず苦笑した。
臣は二人が本当に仲直りしてくれてよかったと思った。
「そういえば、テレビで障子から手が出てくるびっくり大作戦やってたな」
臣が思い出して想像した途端、
バっと、その手が障子を破って出てきた。
あまりのことに三人は総毛立つ。
中央にいたから、ギリギリ腕まで出した手が三人を掴むことはできなかった。
暫くすると幻は消えた。
あれに驚いてあらぬ障子を開ければ本格的に迷い込み現世に帰れなくなるところだった。
「あまり、そういう想像もしないうちに進むか…」
三人は更に急いで東の元に急ぐことにした。
障子を開ければまた廊下。
方角が狂う。
一度迷えば二度と帰って来れない。
「障子は異界との境界というのは本当だったんだ…」
葛葉子は祖父に教えてもらったことを口にする。
「オレは知らなかったぞ」
「お祖父様は異界に詳しかったから、東殿下に似てるとこがあるな」
「それ、恐れ多いよ、葛葉子さん」
臣は皇室第一、尊敬してるから注意をしてしまう。
でも臣は柔らかい感じで怒るから怖くないし、臣自身も苦笑する。
「ごめん。でもこの事は東殿下に内緒にしておいたほうがいいかも、阿倍野に押しかけそうだから…」
ふと、今の阿倍野は異界のようなものだと、葛葉子は思った。
「それはそうだな。臣、内緒だからな。」
瑠香は臣に注意する。
「そうする」
もう、自ら好んで危険なことをして欲しくないと三人は本気で思う。
真っ白だけの障子かと思いきや、青いライトに照らされて魚の影が映るものや、花が動く障子があって魅了される。
八尾比丘尼の力のなせる術か。
「開けるなよ。水が流れ込むぞ。ルカの神が言ってる」
異界のこと霊的なことならルカの神は力をかせるらしい。
瑠香は、会話しながら集中してる。
異界は侵入者も惑わす為のトラップも用意してあるらしい。
「私もあやかしならいつか、こんな空間つくること出来るのかな?」
自分はあやかしとしても神狐としても中途半端で、狐火を操ることが今は精一杯だ。
あとは、瑠香に眷属として力を引き出してもらうくらいしか出来ない。それだけでも十分だと思うけど…あやかしはどうやら異界に住んでエリアを作れるらしい。
「オレが作ってやるよ、楽しみにしておけ」
ふふっと瑠香は笑う。
葛葉子は、目を丸くして驚く。
「神の化身はそんなこともできるのか?すごいな!」
「お前とオレと子供が住む空間だけどな」
「ん?随分具体的だな…」
葛葉子は首をかしげて意味を理解してなかった。
それは、結婚して二人の新居のことだろ?と臣は察したが口には出さず苦笑した。
臣は二人が本当に仲直りしてくれてよかったと思った。
「そういえば、テレビで障子から手が出てくるびっくり大作戦やってたな」
臣が思い出して想像した途端、
バっと、その手が障子を破って出てきた。
あまりのことに三人は総毛立つ。
中央にいたから、ギリギリ腕まで出した手が三人を掴むことはできなかった。
暫くすると幻は消えた。
あれに驚いてあらぬ障子を開ければ本格的に迷い込み現世に帰れなくなるところだった。
「あまり、そういう想像もしないうちに進むか…」
三人は更に急いで東の元に急ぐことにした。
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