121 / 181
あやかしと神様の過去のこと
8☆逢引廊下の怪★3インキュバス
しおりを挟む
東は中務の宮の執務室でもあり自室に葛葉子、瑠香、臣を集合させた。
「このごろ、宿直職員が夏バテぎみなんだよね。
おかしなほどに…」
普通の夏バテなら良いけれど、霊力の瞳で見れば何かに取り憑かれているように思えた。
それが皆、彼氏彼女なしの男女が特に具合悪い。
逢い引き廊下は宮中の職員の男女が恋や愛を交わす廊下になっている。
男女別れた職員寮を繫ぐ唯一の廊下。
夜中は柱に伝統がついていて、仄暗いが真っ暗ではない雰囲気が漂い愛を交わすものも少くない。
皇室を愛する職員同士が結婚すればその子供も皇室を愛する。
寛容さか昔からあった。
それは、歌を交わし合いを誓う昔からの事で誰も人の恋愛によほどのことがない限り口出しはしないのが暗黙の日和国ならでわのルールだった。
ちなみに宦官なるものは日和国の歴史にはいない。
帝の妃に手を出す不届き者がいない心清らかな国民性なのだ。
帝もそのことを信頼なさっていた。
しかし、逢引廊下は愛欲が煩悩色欲が溜る場所でもあった。
西洋風に言えばインキュウバスが現れるらしい。
しかも、実態を伴い人を誘うたちの悪いあやかしだ。
西洋のあやかしだと思いきや、古今東西そのようなあやかしや念が溜まり具現化した怪しものもいる。
葛葉子は、ハッとして、
「瑠香もそれに襲われたのか?」
「かもしれない…」
いや、むしろそうであってほしいと思いつつ思い返してみる。
異様に美人でスタイルが良くて、人を惹き付ける色気を持っていていろいろ知ってた…
その美女一人だと思ったら何人もあらわれて襲われた。
…………初めてを奪われた。
今思えば職員なんか手を出したら後で大変なことになるってわかるはずなのに…
とても興味があったとはいえ、一年前は楚々として注意を払っていた瑠香としては不覚だったと思う……
ルカの神は瑠香の背後に顕れて、
『神の化身の精を吸い取ったのだから今まで以上に手強くなってると思うよ』
神は苦笑いをした。
「止めてくれればよかったのに…」
知っていたなら、化身を守るために教えてもいいものだと不服に思う。
『年頃の思いを止めるなんて神の出番じゃないし、体育館でも止めなかっただろう?』
クスクスと笑われた…
瑠香は真っ赤になる。
神に見られているのは恥ずかしくないけれど、言われると恥ずかしくなる。
『それに、人と変わらない肉体を手に入れているようだよ。
瑠香とまぐわっている間に形成されていったよ』
神は真実しか言わない。
まぐわうって…………
自分にしかその言葉を聞かれなくてよかったと思う……
むしろこの事件はオレのせいではないか……
そのことは秘密にしておこうと瑠香は口をつぐむ。
「東殿下はどうして知っているのですか?」
臣は尋ねる。
「ふふっ、僕もイタズラされちゃった。」
素直に頬を染めて、とんでもないこと言い出した。
「お、お体は大丈夫なのですか?」
瑠香は焦って聞く。
「うん。なんともないよ。僕はね。まぁ、半年も前のことだからねぇ…なにか風邪ひいたかな?」
東殿下もいろいろ教わって八尾比丘尼とディープなキスをしてしまった。
良くも悪くも経験だなぁとは思っていて、久々にまた会えるかなぁ?と好奇心で逢引廊下で職員から話を聞いたら大変なことになっていた。
「だからこれはヤバイなぁと思ってね。皆でお掃除しょうか?」
ちょっとやそこら…夢の中でイタズラするくらいならほっといても良かったのに職員の体調に危害を加えるのは見逃せないということだった。
それと、謹慎中なので面白いことが宮中で見つかって楽しいらしい事は護衛三人は気がついていた。
「このごろ、宿直職員が夏バテぎみなんだよね。
おかしなほどに…」
普通の夏バテなら良いけれど、霊力の瞳で見れば何かに取り憑かれているように思えた。
それが皆、彼氏彼女なしの男女が特に具合悪い。
逢い引き廊下は宮中の職員の男女が恋や愛を交わす廊下になっている。
男女別れた職員寮を繫ぐ唯一の廊下。
夜中は柱に伝統がついていて、仄暗いが真っ暗ではない雰囲気が漂い愛を交わすものも少くない。
皇室を愛する職員同士が結婚すればその子供も皇室を愛する。
寛容さか昔からあった。
それは、歌を交わし合いを誓う昔からの事で誰も人の恋愛によほどのことがない限り口出しはしないのが暗黙の日和国ならでわのルールだった。
ちなみに宦官なるものは日和国の歴史にはいない。
帝の妃に手を出す不届き者がいない心清らかな国民性なのだ。
帝もそのことを信頼なさっていた。
しかし、逢引廊下は愛欲が煩悩色欲が溜る場所でもあった。
西洋風に言えばインキュウバスが現れるらしい。
しかも、実態を伴い人を誘うたちの悪いあやかしだ。
西洋のあやかしだと思いきや、古今東西そのようなあやかしや念が溜まり具現化した怪しものもいる。
葛葉子は、ハッとして、
「瑠香もそれに襲われたのか?」
「かもしれない…」
いや、むしろそうであってほしいと思いつつ思い返してみる。
異様に美人でスタイルが良くて、人を惹き付ける色気を持っていていろいろ知ってた…
その美女一人だと思ったら何人もあらわれて襲われた。
…………初めてを奪われた。
今思えば職員なんか手を出したら後で大変なことになるってわかるはずなのに…
とても興味があったとはいえ、一年前は楚々として注意を払っていた瑠香としては不覚だったと思う……
ルカの神は瑠香の背後に顕れて、
『神の化身の精を吸い取ったのだから今まで以上に手強くなってると思うよ』
神は苦笑いをした。
「止めてくれればよかったのに…」
知っていたなら、化身を守るために教えてもいいものだと不服に思う。
『年頃の思いを止めるなんて神の出番じゃないし、体育館でも止めなかっただろう?』
クスクスと笑われた…
瑠香は真っ赤になる。
神に見られているのは恥ずかしくないけれど、言われると恥ずかしくなる。
『それに、人と変わらない肉体を手に入れているようだよ。
瑠香とまぐわっている間に形成されていったよ』
神は真実しか言わない。
まぐわうって…………
自分にしかその言葉を聞かれなくてよかったと思う……
むしろこの事件はオレのせいではないか……
そのことは秘密にしておこうと瑠香は口をつぐむ。
「東殿下はどうして知っているのですか?」
臣は尋ねる。
「ふふっ、僕もイタズラされちゃった。」
素直に頬を染めて、とんでもないこと言い出した。
「お、お体は大丈夫なのですか?」
瑠香は焦って聞く。
「うん。なんともないよ。僕はね。まぁ、半年も前のことだからねぇ…なにか風邪ひいたかな?」
東殿下もいろいろ教わって八尾比丘尼とディープなキスをしてしまった。
良くも悪くも経験だなぁとは思っていて、久々にまた会えるかなぁ?と好奇心で逢引廊下で職員から話を聞いたら大変なことになっていた。
「だからこれはヤバイなぁと思ってね。皆でお掃除しょうか?」
ちょっとやそこら…夢の中でイタズラするくらいならほっといても良かったのに職員の体調に危害を加えるのは見逃せないということだった。
それと、謹慎中なので面白いことが宮中で見つかって楽しいらしい事は護衛三人は気がついていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ワイルド・プロポーズ
藤谷 郁
恋愛
北見瑤子。もうすぐ30歳。
総合ショッピングセンター『ウイステリア』財務部経理課主任。
生真面目で細かくて、その上、女の魅力ゼロ。男いらずの独身主義者と噂される枯れ女に、ある日突然見合い話が舞い込んだ。
私は決して独身主義者ではない。ただ、怖いだけ――
見合い写真を開くと、理想どおりの男性が微笑んでいた。
ドキドキしながら、紳士で穏やかで優しそうな彼、嶺倉京史に会いに行くが…
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる