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あやかしと神様の黄泉がえり
13☆瑠香ストーカーする
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操られてるとしても、操り返してやる……!
葛葉子を取り戻してやる!
そう瑠香は決意し意気込む。
近づくなと言われても、そばにいなくちゃ落ち着かない……葛葉子が愛しすぎて…
半身を失ったようで…
…胸が…心が…ずっと痛い……
授業中、後からの瑠香の視線を痛く感じる。
葛葉子は、ちろっと後ろを向いて睨み返すと瑠香は美しくニッと微笑む。
その微笑みが美しくて、かっこ良くてドキドキしてしまう。
それを何度も繰り返している。
そんな二人の様子を感じ取るクラスメートは、
(よりを戻したいくせに……)
と見てみぬふりをすることにした。
だけど葛葉子は、不思議に思う。
どうしてそんなに自分のことを好きなのか理解ができない。
いや、名前と顔は覚えているけれど知識には恋人だったとわかるけれど…触れ合った記憶そばにいた記憶が抜け落ちている。
ふつうは不安になるのに不安がないむしろ…心が楽だった……
でも瑠香に触れられてドキドキがおさまらない……
そして、視線を感じるたび見ずにいられない……
「いい加減、授業に集中しなさい!」
と、ついには先生に怒られた。
昼食でも女子たちと楽しくお弁当食べようと思っていたのに、瑠香は東親王の護衛よりも葛葉子のそばに近づき一緒にお弁当を食べる。
葛葉子は睨んで嫌がるが、授業中の二人を見て瑠香に協力してあげようという気になって女子たちはわざとらしく一緒にいい男を囲んで食べる。
ついでに東と臣もその輪の中に加わるから逃げることもできなかった。
瑠香はわざと葛葉子の弁当を横取りする。
なにか反応を期待するけれど、とそっぽを向いて喋らない。
黙って八つ当たり的にお弁当を品なく早食いするとほっぺたにごはん粒が付いているのをキスするように舐められて、
「なっ、なにする!」
流石に反応する。
「ごはん粒ついてたよ。ふふっ、おいしい」
艶っぽく微笑みそういうものだから顔が真っ赤になる。
「瑠香くん、なんだかストーカーみたい…」
「それを言っちゃダメだよ。必死なんだから」
「そうですね、でも瑠香くんってこんなに情熱的な人だったんだー…」
「とくに葛葉子さんに対してね……」
わざと聞こえるこそこそ話をしている事に葛葉子はいたたまれなくなって、
「もーっ!いやっ!私知らない!」
葛葉子はプンプン怒ってその場を離れて教室に戻った。
その後を瑠香は後を追って行った。
「……ほんと、ストーカー……みたい」
残された者は瑠香の行動にそう思った。
☆
「キャッ!」
午後の授業、葛葉子は家庭科室に行く予定だったところを瑠香は無理やり空き教室の理科室につれていく。
「や、なにするんだ!」
葛葉子は手首を掴む瑠香の必死に手を叩く。
それでも瑠香は離さない。
「ほんとに、操られてるのか?」
クラスメイトがいるから言えなかった疑問を口にする。
強い妖気も感じないし普通の葛葉子に思える。
ただ……
「お前なんか知らない……!触らないで!」
ぷいっと顔をそむける。
完全拒否られる。
記憶をなくしているように思える。
だけど、葛葉子の照れている感じが、かわいいと思う。
両思いになる前の態度で懐かしい感覚だ。
(こんな男知らないのに、ドキドキが…とまらない…)
「知らないわけ無いだろ……」
葛葉子の考えていることを覗いて瑠香は悲しげに言った。
きりりとした眉が、かなしげに下がると葛葉子は瑠香を可哀想に思い、
「恋人だったという事は…わかるけど記憶がないの…」
それは阿倍野殿の仕業だと思う。
だけどそんなことをされても、
「記憶がなくても、もう一度惚れさせてやる…」
瑠香は真摯な瞳で葛葉子を見つめて言うものだからドキドキと鼓動がして落ち着かない。
そんな葛葉子は瑠香からジリジリ離れる。
そのぶん瑠香は近づいてくる…
後ろはビーカーやフラスコの入った棚だ。
逃げ場を失い戸惑い、
「ち、近づかないで!」
と心からの言霊を叫ぶと妖気で棚のガラスやビーカー瓶が割れる。
それを瑠香は葛葉子に覆い被さって、お香の能力を張りガラスを避けさせた。
パラパラと二人の周りにガラスが落ちる。
「大丈夫か?」
「る、瑠香こそ!って、は、離してよ…」
抱きしめられてることに焦る。顔が熱くなる。
更に抱きしめられて鼓動が伝わるのが恥ずかしい…
記憶は消されているらしいが葛葉子は『葛葉子』だと思うとホッとする。
それにこの感覚懐かしい…
出会った頃以前にも魂に刻まれている感覚だ……
瑠香は更に強く抱きしめる。
葛葉子の耳元に
「オレは何度でもお前に恋をするし、お前にオレを好きにさせてみせるよ…」
耳元で優しくそう言われて葛葉子は顔を真っ赤にしながら瑠香を見つめる。
お互い雰囲気が高まる。
胸の鼓動がおさまらない…
葛葉子の瞳は潤んでいた…己自身は気づかないで…
そんな可愛い葛葉子の唇にキスをしたつもりが葛葉子の手の甲だった。
「そんなに、いや?」
わざと意地悪で聞いてみる。
「好きなのは父様だけだし!
唇も他の男にゆずっちゃいけないんだよ!」
更に真っ赤になって子供のように抗議する。
……ん?
瑠香は笑顔のまま固まる。
「…まさか、阿倍野殿とキスをして人に戻ってるんじゃないだろうな?」
笑顔で迫る。
まだ小さい頃なら許せるがこの年になって唇を許すとは…
この間は必死に抵抗していたが、それが呪となりえるのか…
瑠香が葛葉子を眷属にした方法とはやはり同じなのか…
「父様のキスは昔からだし……」
この年でキスしていることをバレるのは恥ずかしくなる。
瑠香は阿倍野殿にも嫉妬心が湧いて、葛葉子の頭を引き寄せ腰を支えると深いキスをする。
「ンンッ!ん!」
すると耳としっぽが出てきた。
(瑠香…だめなのに………
父様の
罠なのに……)
閉じ込められた心が目が覚めて、葛葉子は悲しく思うが久々なキスは嬉しかった…
たとへ体は九尾に乗っ取られているとしても…
葛葉子を取り戻してやる!
そう瑠香は決意し意気込む。
近づくなと言われても、そばにいなくちゃ落ち着かない……葛葉子が愛しすぎて…
半身を失ったようで…
…胸が…心が…ずっと痛い……
授業中、後からの瑠香の視線を痛く感じる。
葛葉子は、ちろっと後ろを向いて睨み返すと瑠香は美しくニッと微笑む。
その微笑みが美しくて、かっこ良くてドキドキしてしまう。
それを何度も繰り返している。
そんな二人の様子を感じ取るクラスメートは、
(よりを戻したいくせに……)
と見てみぬふりをすることにした。
だけど葛葉子は、不思議に思う。
どうしてそんなに自分のことを好きなのか理解ができない。
いや、名前と顔は覚えているけれど知識には恋人だったとわかるけれど…触れ合った記憶そばにいた記憶が抜け落ちている。
ふつうは不安になるのに不安がないむしろ…心が楽だった……
でも瑠香に触れられてドキドキがおさまらない……
そして、視線を感じるたび見ずにいられない……
「いい加減、授業に集中しなさい!」
と、ついには先生に怒られた。
昼食でも女子たちと楽しくお弁当食べようと思っていたのに、瑠香は東親王の護衛よりも葛葉子のそばに近づき一緒にお弁当を食べる。
葛葉子は睨んで嫌がるが、授業中の二人を見て瑠香に協力してあげようという気になって女子たちはわざとらしく一緒にいい男を囲んで食べる。
ついでに東と臣もその輪の中に加わるから逃げることもできなかった。
瑠香はわざと葛葉子の弁当を横取りする。
なにか反応を期待するけれど、とそっぽを向いて喋らない。
黙って八つ当たり的にお弁当を品なく早食いするとほっぺたにごはん粒が付いているのをキスするように舐められて、
「なっ、なにする!」
流石に反応する。
「ごはん粒ついてたよ。ふふっ、おいしい」
艶っぽく微笑みそういうものだから顔が真っ赤になる。
「瑠香くん、なんだかストーカーみたい…」
「それを言っちゃダメだよ。必死なんだから」
「そうですね、でも瑠香くんってこんなに情熱的な人だったんだー…」
「とくに葛葉子さんに対してね……」
わざと聞こえるこそこそ話をしている事に葛葉子はいたたまれなくなって、
「もーっ!いやっ!私知らない!」
葛葉子はプンプン怒ってその場を離れて教室に戻った。
その後を瑠香は後を追って行った。
「……ほんと、ストーカー……みたい」
残された者は瑠香の行動にそう思った。
☆
「キャッ!」
午後の授業、葛葉子は家庭科室に行く予定だったところを瑠香は無理やり空き教室の理科室につれていく。
「や、なにするんだ!」
葛葉子は手首を掴む瑠香の必死に手を叩く。
それでも瑠香は離さない。
「ほんとに、操られてるのか?」
クラスメイトがいるから言えなかった疑問を口にする。
強い妖気も感じないし普通の葛葉子に思える。
ただ……
「お前なんか知らない……!触らないで!」
ぷいっと顔をそむける。
完全拒否られる。
記憶をなくしているように思える。
だけど、葛葉子の照れている感じが、かわいいと思う。
両思いになる前の態度で懐かしい感覚だ。
(こんな男知らないのに、ドキドキが…とまらない…)
「知らないわけ無いだろ……」
葛葉子の考えていることを覗いて瑠香は悲しげに言った。
きりりとした眉が、かなしげに下がると葛葉子は瑠香を可哀想に思い、
「恋人だったという事は…わかるけど記憶がないの…」
それは阿倍野殿の仕業だと思う。
だけどそんなことをされても、
「記憶がなくても、もう一度惚れさせてやる…」
瑠香は真摯な瞳で葛葉子を見つめて言うものだからドキドキと鼓動がして落ち着かない。
そんな葛葉子は瑠香からジリジリ離れる。
そのぶん瑠香は近づいてくる…
後ろはビーカーやフラスコの入った棚だ。
逃げ場を失い戸惑い、
「ち、近づかないで!」
と心からの言霊を叫ぶと妖気で棚のガラスやビーカー瓶が割れる。
それを瑠香は葛葉子に覆い被さって、お香の能力を張りガラスを避けさせた。
パラパラと二人の周りにガラスが落ちる。
「大丈夫か?」
「る、瑠香こそ!って、は、離してよ…」
抱きしめられてることに焦る。顔が熱くなる。
更に抱きしめられて鼓動が伝わるのが恥ずかしい…
記憶は消されているらしいが葛葉子は『葛葉子』だと思うとホッとする。
それにこの感覚懐かしい…
出会った頃以前にも魂に刻まれている感覚だ……
瑠香は更に強く抱きしめる。
葛葉子の耳元に
「オレは何度でもお前に恋をするし、お前にオレを好きにさせてみせるよ…」
耳元で優しくそう言われて葛葉子は顔を真っ赤にしながら瑠香を見つめる。
お互い雰囲気が高まる。
胸の鼓動がおさまらない…
葛葉子の瞳は潤んでいた…己自身は気づかないで…
そんな可愛い葛葉子の唇にキスをしたつもりが葛葉子の手の甲だった。
「そんなに、いや?」
わざと意地悪で聞いてみる。
「好きなのは父様だけだし!
唇も他の男にゆずっちゃいけないんだよ!」
更に真っ赤になって子供のように抗議する。
……ん?
瑠香は笑顔のまま固まる。
「…まさか、阿倍野殿とキスをして人に戻ってるんじゃないだろうな?」
笑顔で迫る。
まだ小さい頃なら許せるがこの年になって唇を許すとは…
この間は必死に抵抗していたが、それが呪となりえるのか…
瑠香が葛葉子を眷属にした方法とはやはり同じなのか…
「父様のキスは昔からだし……」
この年でキスしていることをバレるのは恥ずかしくなる。
瑠香は阿倍野殿にも嫉妬心が湧いて、葛葉子の頭を引き寄せ腰を支えると深いキスをする。
「ンンッ!ん!」
すると耳としっぽが出てきた。
(瑠香…だめなのに………
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閉じ込められた心が目が覚めて、葛葉子は悲しく思うが久々なキスは嬉しかった…
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