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二つの童話
人魚姫とガラスの靴
しおりを挟む海岸に夕日に輝く金髪に仕立ての良い服を着た青年は、人では無い恋人に透明なガラスの靴を見せた。
愛しい恋人の足は綺麗で光に輝く長いヒレを持つ魚のしっぽだ。
海に溺れた王子を助けたのが出会い。
いつしか惹かれあった。
毎日王子は愛しき人魚姫に会いに行く。
そして、祖母の宝である魔法のガラスの靴を履いてもらおうと思っていた。
人魚は戸惑う。
母は人間の王子を助けて恋をして、失恋した。
人間である父を助けたのは人魚で真実を語れない哀れな娘だった母にひと夜限りの気まぐれな恋の契をした。
父はその後、人間の姫と結婚した。
いつも微笑み母は後悔していないといった。
自分もそうなるのが怖かった……
そのことを悟ったのか
王子はガラスの靴のことを語る。
魔法使いが作ったこのガラスの靴は真実の愛を導きてくれる靴だと。
貴女の父上は真実に気づくのが遅かったかもしれない。
けれど、僕はあなたを心から愛している。
その証拠にこの靴を履いて欲しい。
恐る恐るヒレをガラスの靴に触れると
美しいヒレが人の足に変わった。
ガラスの靴はピッタリと美しい足を包み込み光となって人魚姫の足となった。
人魚姫姫は王子の真実の愛で人間になった。
夕日が海に沈む。
夕日の影に恋人達の唇が重なった……
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