童話ポエム

花咲マイコ

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人魚姫は微笑む

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人魚姫は微笑む。


私は泡になったわけではない。


泡になったふりをして王子と別れた。


王子を好きになったのは確か。

好きだから人になった。

けれど彼は真実を見抜けぬただの人……


そんな人間に恋したことを思い苦笑する。


自分の馬鹿さ加減に?



それとも



恋した思い出を・・・?

海の泡になり消えた私を悔やむ彼を最後に見たとき


嬉しかった


それだけで満足。



恋したことを後悔しない。

思い出は私の中に・・・


永遠にしまっておこう。

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