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第一話 人間と人獣
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俺は高峰竜一(たかみねりゅういち)、高校二年。
両親は仕事の都合で海外に行っていて、俺はこの広い一軒家に一人で暮らしている。
『もうこんな時間か~勉強もこのくらいにして、そろそろ寝るか~』
眠りに就くと犬の吠える声に目が覚めた俺は、カーテンを開け外を見回すと家の前に同じ学校の制服を着た女の子が倒れていた。
俺は、慌てて家を飛び出すとそこには、鋭い牙に鋭い爪、尻尾の生えた俺の知る顔がそこにあった。
『う~ん……もう朝?』
『おはよう。朝飯作ったけど食うか?』
パン、ソーセージ、目玉焼きの乗った皿を渡そうと近づくとソファーで寝ていた女の子は飛び起きた。
『あ、あんた誰!ってか何で私の家に居るのよ!け、警察呼ぶわよ!』
『ここは俺の家だ。昨日、俺の家の前で倒れてたんだよ。何も覚えてないのか?確か獅子駒花蓮(ししこまかれん)さん?だよな』
『なっ‥あんた何で私の名前知ってるのよ?それにこの姿……あんた何も思わないの?』
そう言うと、自分の体を隠すように毛布に包まった。
『俺は、隣のクラスの高峰竜一だ。最初見た時はビックリしたけど、半獣(はんじゅう)だろうと女の子が倒れてたら、ほっとけないだろ?それに可愛いと思うぞ』
『ふ~ん。あんた、そうゆう趣味でも持ってる訳?そ・れ・と・半獣って呼び方、辞めてくれる?私達は人獣(じんじゅう)。半獣って呼び方は失礼だわ!! でも…助けてくれた事には感謝してる……。それに私の事、可愛いって……ゴニョゴニョ……』
『んっ?悪い。最後の方、上手く聞き取れなかったんだが、何て言ったんだ?』
『う、うるさい!ふんっ!』
顔を真っ赤にして怒る彼女は、学校で『ヤンキー』っと怖がられてるイメージとは違って見えた。
素直じゃないし、口も悪いけど、悪い奴ではなさそうだ。
『そ、そんな怒るなって。そう言えば、獅子駒さんは昨日、何であんな所で倒れてたんだ?』
『花蓮でいいわ。私達人獣は、満月の夜になると本能が目覚めるのよ。普段は大人しく家に居るんだけど、昨日は満月の夜だってのすっかり忘れてて、帰る途中に本能が目覚めそうになったのを必死で抑えてたら、結局そのまま気を失ったみたいね』
『そう言えば昨日は満月だったな。人の姿には戻れないのか?』
『人の姿を保つのは、結構疲れるのよ。戻ろうと思えば、いつでも戻れるわ。まぁ、大人になれば無意識でも人の姿を保つ事が出来るようになるんだけどね。』
『今まで自分に寄せ付けないような態度を取っていたのも自分の正体が暴露ないようにか?』
『仕方がないでしょ。私の正体を知って、あんたみたいに受け入れてくれるとは限らない…。姿形が違うだけで、あんた達人間は、化け物扱い……』
確かに花蓮の言うとりかも知れない。
人間同士でも、人と違うってくだらない理由で拒絶し傷つけたり……。
きっと誰にも言えず、一人で悩んで苦しんでたんだな。
『あ、あのさ、俺に何か力になれる事があれば何でも言ってくれ』
『あんた……。私の正体を知ったんだし?あんたがそこまで言うなら、私の奴隷としてこき使ってあげるわ!』
言葉とは裏腹に花蓮は尻尾をフリフリと振っていた。
『アハハハハッ! お前は本当正直じゃないな、これから宜しく花蓮』
『うっさい!こっちこそ宜しく……竜一』
握手をすると同時にピンポーンとインターホンが鳴り玄関のドアが開いた。
『竜ちゃ~ん、学校一緒に行こう~♪』
さ、小百合!?『黒田小百合(くろださゆり)。高峰の幼馴染で同じクラスである』
やばい……家に女の子を連れ込んでるって思われたら……。
『あんた、そんなに冷や汗かいて、何焦ってるのよ?ほら、人の姿に戻ったし大丈夫』
『そ、そうじゃなくてだな……その……』
『な~るほどね~あんた、あの子の事が好きなんだ~?』
コクっと頷くと花蓮は、不愉快そうな顔をして手を出し俺に言った。
『鍵。あんたは、あの子と先に学校行きなさい。後から鍵かけて私も学校行くから』
『た、助かるよ!サンキュー花蓮!』
鍵を渡そうと花蓮に近づいた時だった。
俺はリビングのテーブルに足をぶつけ体勢を崩すと花蓮に抱きつくような形で倒れ込んだ。
気がつくと俺は、花蓮の胸に顔を埋めていて、驚きのあまり花蓮は、人獣の姿に戻っていた。
『いてててっ……んっ?柔らか……』
その瞬間、騒ぎを聞きつけた小百合が、リビングのドアを勢いよく開けた。
『竜ちゃん!大丈夫!?りゅ……うちゃん?』
『おわぁぁぁぁぁぁ!ち、違うんだこれは!』
この状況どう説明する。
それに花蓮のこの姿……だ、駄目だ。上手い言い訳が思いつかねぇ!
『ご、ごめんね竜ちゃん……邪魔しちゃって……じゃ、じゃあ私もう行くね』
完璧誤解されたーーーーーー!
しかも、花蓮の姿が見られてしまった……。
『あんた何やってんのよ!早く追いかけて!! 私もすぐ追いかけるから』
『お、おう』
俺は、小百合の後を追って走った。
だけど……何て説明したらいいんだ?
っと考えてうちに小百合の姿が見えてきた。
『小百合ーーーー!俺の話を聞いてくれーーーー!』
小百合は、俺の声に足を止めこちらを見た。
『来ないでーーーー!女の子にあんな格好させて……お、おっぱい触るとか……竜ちゃんの変態!スケベ!おっぱい星人!』
大声で言うと小百合は、また走り出した。
『まてまて!小百合は、とんでもない誤解をしてるぞ』
『はいストップ。あんた何勘違いしてるのよ?』
花蓮?先回りしてたのか?
何て早さだよ……。
『はぁ……はぁ……か、勘違い?私……見たもん。二人が、エッチな事してるの!
おいおい、小百合のやつあんなに息を切らしてるのに花蓮のやつ息切れ一つしてねぇ!
どんなスタミナの持ち主だよ。
『はぁ!?何で私があんな男とそんな事しなきゃいけないのよ!あいつが、テーブルに足を引っ掛けて、倒れてきただけで、何もやましい事なんかしてないわ!それにあんなの全然タイプじゃないし』
さりげなく酷いこと言ってないか……。
『じゃ、じゃあ……どうしてあんな格好して、竜ちゃんの家に居たのよ……?』
『そ、それは……』
『言える訳ないよね……嘘つき……』
『ちがっ……。私……本当は……』
『花蓮待ってくれ。小百合、花蓮は嘘をついてない』
『じゃあ……説明して』
『俺は、お前に嘘をつきたくない。だから今は、言えない』
『あんた……』
小百合は、真剣な眼差しで俺を見ると、ふぅ~っと溜め息一つ吐くと俺に向けて言った。
『竜ちゃんのその目……きっと何か事情があるんだね?』
『おう……』
『えっと、一組の獅子駒さんだよね?私は、黒田小百合。私の勘違いで迷惑かけてごめんなさい』
小百合は、花蓮に頭を下げた。
『花蓮でいいわ。もう私の方こそ勘違いさせるような真似してごめん』
『花蓮ちゃん手!』
『えっ?』
『仲直りの握手だよ♪ ほらっ手を貸して!』
ギュッと手を握り合うと自然と笑顔になる花蓮と小百合。
そんな二人を見ていると人間と人獣が分かり合える日が来るんじゃないかと思う。
『『お~い!!置いてっちゃうぞ~!!』』
声を合わせる二人。
『待ってくれ~!!俺を置いてくなよ~!!』
これが、俺達の出会いだった。
今回の登場人物
高峰竜一(たかみねりゅういち)、16歳(高校二年生)
本作の主人公。
勉強も運動もそこそこの平凡な学生。
炊事洗濯が得意で、幼馴染の小百合に恋をしている。
両親は、仕事で海外にいっており、一軒家に一人暮らしをしている。
黒田小百合(くろださゆり)、16歳(高校二年生)
高峰の幼馴染。黒髪に白い肌。
自分では、自覚してないが天然。
明るい性格で、友達も多い。
獅子駒花蓮(ししこまかれん)、16歳(高校二年生)
ライオンの人獣。茶髪に小麦色の肌。
周囲を寄せ付けない態度を取っていて、周りからはヤンキーっと誤解されている。
言葉使いは悪いが、優しい性格の持ち主。
両親は仕事の都合で海外に行っていて、俺はこの広い一軒家に一人で暮らしている。
『もうこんな時間か~勉強もこのくらいにして、そろそろ寝るか~』
眠りに就くと犬の吠える声に目が覚めた俺は、カーテンを開け外を見回すと家の前に同じ学校の制服を着た女の子が倒れていた。
俺は、慌てて家を飛び出すとそこには、鋭い牙に鋭い爪、尻尾の生えた俺の知る顔がそこにあった。
『う~ん……もう朝?』
『おはよう。朝飯作ったけど食うか?』
パン、ソーセージ、目玉焼きの乗った皿を渡そうと近づくとソファーで寝ていた女の子は飛び起きた。
『あ、あんた誰!ってか何で私の家に居るのよ!け、警察呼ぶわよ!』
『ここは俺の家だ。昨日、俺の家の前で倒れてたんだよ。何も覚えてないのか?確か獅子駒花蓮(ししこまかれん)さん?だよな』
『なっ‥あんた何で私の名前知ってるのよ?それにこの姿……あんた何も思わないの?』
そう言うと、自分の体を隠すように毛布に包まった。
『俺は、隣のクラスの高峰竜一だ。最初見た時はビックリしたけど、半獣(はんじゅう)だろうと女の子が倒れてたら、ほっとけないだろ?それに可愛いと思うぞ』
『ふ~ん。あんた、そうゆう趣味でも持ってる訳?そ・れ・と・半獣って呼び方、辞めてくれる?私達は人獣(じんじゅう)。半獣って呼び方は失礼だわ!! でも…助けてくれた事には感謝してる……。それに私の事、可愛いって……ゴニョゴニョ……』
『んっ?悪い。最後の方、上手く聞き取れなかったんだが、何て言ったんだ?』
『う、うるさい!ふんっ!』
顔を真っ赤にして怒る彼女は、学校で『ヤンキー』っと怖がられてるイメージとは違って見えた。
素直じゃないし、口も悪いけど、悪い奴ではなさそうだ。
『そ、そんな怒るなって。そう言えば、獅子駒さんは昨日、何であんな所で倒れてたんだ?』
『花蓮でいいわ。私達人獣は、満月の夜になると本能が目覚めるのよ。普段は大人しく家に居るんだけど、昨日は満月の夜だってのすっかり忘れてて、帰る途中に本能が目覚めそうになったのを必死で抑えてたら、結局そのまま気を失ったみたいね』
『そう言えば昨日は満月だったな。人の姿には戻れないのか?』
『人の姿を保つのは、結構疲れるのよ。戻ろうと思えば、いつでも戻れるわ。まぁ、大人になれば無意識でも人の姿を保つ事が出来るようになるんだけどね。』
『今まで自分に寄せ付けないような態度を取っていたのも自分の正体が暴露ないようにか?』
『仕方がないでしょ。私の正体を知って、あんたみたいに受け入れてくれるとは限らない…。姿形が違うだけで、あんた達人間は、化け物扱い……』
確かに花蓮の言うとりかも知れない。
人間同士でも、人と違うってくだらない理由で拒絶し傷つけたり……。
きっと誰にも言えず、一人で悩んで苦しんでたんだな。
『あ、あのさ、俺に何か力になれる事があれば何でも言ってくれ』
『あんた……。私の正体を知ったんだし?あんたがそこまで言うなら、私の奴隷としてこき使ってあげるわ!』
言葉とは裏腹に花蓮は尻尾をフリフリと振っていた。
『アハハハハッ! お前は本当正直じゃないな、これから宜しく花蓮』
『うっさい!こっちこそ宜しく……竜一』
握手をすると同時にピンポーンとインターホンが鳴り玄関のドアが開いた。
『竜ちゃ~ん、学校一緒に行こう~♪』
さ、小百合!?『黒田小百合(くろださゆり)。高峰の幼馴染で同じクラスである』
やばい……家に女の子を連れ込んでるって思われたら……。
『あんた、そんなに冷や汗かいて、何焦ってるのよ?ほら、人の姿に戻ったし大丈夫』
『そ、そうじゃなくてだな……その……』
『な~るほどね~あんた、あの子の事が好きなんだ~?』
コクっと頷くと花蓮は、不愉快そうな顔をして手を出し俺に言った。
『鍵。あんたは、あの子と先に学校行きなさい。後から鍵かけて私も学校行くから』
『た、助かるよ!サンキュー花蓮!』
鍵を渡そうと花蓮に近づいた時だった。
俺はリビングのテーブルに足をぶつけ体勢を崩すと花蓮に抱きつくような形で倒れ込んだ。
気がつくと俺は、花蓮の胸に顔を埋めていて、驚きのあまり花蓮は、人獣の姿に戻っていた。
『いてててっ……んっ?柔らか……』
その瞬間、騒ぎを聞きつけた小百合が、リビングのドアを勢いよく開けた。
『竜ちゃん!大丈夫!?りゅ……うちゃん?』
『おわぁぁぁぁぁぁ!ち、違うんだこれは!』
この状況どう説明する。
それに花蓮のこの姿……だ、駄目だ。上手い言い訳が思いつかねぇ!
『ご、ごめんね竜ちゃん……邪魔しちゃって……じゃ、じゃあ私もう行くね』
完璧誤解されたーーーーーー!
しかも、花蓮の姿が見られてしまった……。
『あんた何やってんのよ!早く追いかけて!! 私もすぐ追いかけるから』
『お、おう』
俺は、小百合の後を追って走った。
だけど……何て説明したらいいんだ?
っと考えてうちに小百合の姿が見えてきた。
『小百合ーーーー!俺の話を聞いてくれーーーー!』
小百合は、俺の声に足を止めこちらを見た。
『来ないでーーーー!女の子にあんな格好させて……お、おっぱい触るとか……竜ちゃんの変態!スケベ!おっぱい星人!』
大声で言うと小百合は、また走り出した。
『まてまて!小百合は、とんでもない誤解をしてるぞ』
『はいストップ。あんた何勘違いしてるのよ?』
花蓮?先回りしてたのか?
何て早さだよ……。
『はぁ……はぁ……か、勘違い?私……見たもん。二人が、エッチな事してるの!
おいおい、小百合のやつあんなに息を切らしてるのに花蓮のやつ息切れ一つしてねぇ!
どんなスタミナの持ち主だよ。
『はぁ!?何で私があんな男とそんな事しなきゃいけないのよ!あいつが、テーブルに足を引っ掛けて、倒れてきただけで、何もやましい事なんかしてないわ!それにあんなの全然タイプじゃないし』
さりげなく酷いこと言ってないか……。
『じゃ、じゃあ……どうしてあんな格好して、竜ちゃんの家に居たのよ……?』
『そ、それは……』
『言える訳ないよね……嘘つき……』
『ちがっ……。私……本当は……』
『花蓮待ってくれ。小百合、花蓮は嘘をついてない』
『じゃあ……説明して』
『俺は、お前に嘘をつきたくない。だから今は、言えない』
『あんた……』
小百合は、真剣な眼差しで俺を見ると、ふぅ~っと溜め息一つ吐くと俺に向けて言った。
『竜ちゃんのその目……きっと何か事情があるんだね?』
『おう……』
『えっと、一組の獅子駒さんだよね?私は、黒田小百合。私の勘違いで迷惑かけてごめんなさい』
小百合は、花蓮に頭を下げた。
『花蓮でいいわ。もう私の方こそ勘違いさせるような真似してごめん』
『花蓮ちゃん手!』
『えっ?』
『仲直りの握手だよ♪ ほらっ手を貸して!』
ギュッと手を握り合うと自然と笑顔になる花蓮と小百合。
そんな二人を見ていると人間と人獣が分かり合える日が来るんじゃないかと思う。
『『お~い!!置いてっちゃうぞ~!!』』
声を合わせる二人。
『待ってくれ~!!俺を置いてくなよ~!!』
これが、俺達の出会いだった。
今回の登場人物
高峰竜一(たかみねりゅういち)、16歳(高校二年生)
本作の主人公。
勉強も運動もそこそこの平凡な学生。
炊事洗濯が得意で、幼馴染の小百合に恋をしている。
両親は、仕事で海外にいっており、一軒家に一人暮らしをしている。
黒田小百合(くろださゆり)、16歳(高校二年生)
高峰の幼馴染。黒髪に白い肌。
自分では、自覚してないが天然。
明るい性格で、友達も多い。
獅子駒花蓮(ししこまかれん)、16歳(高校二年生)
ライオンの人獣。茶髪に小麦色の肌。
周囲を寄せ付けない態度を取っていて、周りからはヤンキーっと誤解されている。
言葉使いは悪いが、優しい性格の持ち主。
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