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1日目(1) 朝 希望のない明日
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「いつまで寝てんの、起きなさい」
「うるせぇな。やべ、もう8時じゃん。遅刻しちまうよ」
学校は8時30分から始まるので家を15分前までには出なくてはいけない。
急いで制服に着替えてバックに教科書を詰め込んだ。
部屋を出て顔を洗い、朝御飯を食べるためにテーブルに向かった。
テーブルには俺の好きなオムレツが置かれていた。
「ゆっくり食べんじゃないの。早く行きなさいよ」
「これ好きなんだからゆっくり食わせろよ」
「やっぱ私がつくったオムレツが一番よね。あれもういない」
母ちゃんがなんか言っている間にとっとと食べ終え、玄関に向かった。
「いってくる」
「いってらっしゃい。あと10分だから自転車で行きなさい。遅刻すんじゃないよ」
急いで自転車に乗り込み勢いよくこぎ始めた。
風は吹いていたが、今日もいつも通り暑かった。
もう時間ギリギリで誰もいないはずの通学路にゆっくり歩く君を見つけた。
「なにしてんの。歩いてたら遅刻するぞ」
歩いている君に話しかけた。
「おはよう。あれ結城くんって自転車だっけ? 」
「今日は遅刻しそうだから、自転車にしてるだけ。このままだと遅刻するぞ。乗ってきな」
「良いの。やったね」
君が喜びながら自転車の後ろに座った。そしてペダルをこぎ始めた。
「ちゃんと掴まってろよ」
そう言うと君は、俺の服をぎゅっと掴んだ。
「もう、親は東京行っちまったのかよ?」
「もうそろそろ家出るんじゃないかな」
「やっぱり東京に行っちまうんだな。ま、別に悲しくなんてねぇけどな」
「嘘だ~。悲しいくせに」
「連絡ぐらいはしろよな。あっち行っても元気にしろよ」
ここから先は、坂を下るだけ。
「気持ちぃ~」
自転車は風を切っていった。そしてすぐ学校についた。
「ねぇ、昨日の話ってなんなの? 」
「だから、祭りの後言うって。心の準備ぐらいさせろよ」
「すんごい気になるけどまぁいいや。今日の放課後ね。乗せてくれてありがとう」
「あぁ、またあとでな。」
東京都環境局 地球温暖化対策本部
まったく、今日も暑い。立花隼人は急いでいた。
休みの日だと言うのに地球温暖化対策本部に呼ばれたのだ。
また水位が上がったのだろう。いつか日本が水没するかもしれないが今のままのスピードで水位が上がるのならまだ全然大丈夫だ。
それなのになぜ呼ばれたのだろうか?
嫌な胸騒ぎがしながらも対策本部に入っていった。
その中で後輩の塚本が必死に指揮をしている。
「お疲れ、大丈夫かよ」
「お疲れさまです立花さん、休みの日に呼び出して申し訳ありません。急ですみませんが、審査を通った人たちをもう施設に入れることって出来ますか? 」
「急ぐ理由はなんかあるのか? 」
「今日が日本の最後になるかもしれないんですよ」
塚本が指差したモニターには各国の状況が映っていた。各国でここ最近の暑さで急に水没が始まったのだ。
「今日の朝に北極南極含む世界中の氷が一気に溶け始めて、日本もすでに水没し始めています。日本全土が水没するのも時間の問題です。避難命令を今すぐ出しましょう」
「分かった。日本全土に避難を出してくれ」
「分かりました」
終わりは急に来るものだ。希望のない明日を守るために俺は仕事に取りかかった。
「うるせぇな。やべ、もう8時じゃん。遅刻しちまうよ」
学校は8時30分から始まるので家を15分前までには出なくてはいけない。
急いで制服に着替えてバックに教科書を詰め込んだ。
部屋を出て顔を洗い、朝御飯を食べるためにテーブルに向かった。
テーブルには俺の好きなオムレツが置かれていた。
「ゆっくり食べんじゃないの。早く行きなさいよ」
「これ好きなんだからゆっくり食わせろよ」
「やっぱ私がつくったオムレツが一番よね。あれもういない」
母ちゃんがなんか言っている間にとっとと食べ終え、玄関に向かった。
「いってくる」
「いってらっしゃい。あと10分だから自転車で行きなさい。遅刻すんじゃないよ」
急いで自転車に乗り込み勢いよくこぎ始めた。
風は吹いていたが、今日もいつも通り暑かった。
もう時間ギリギリで誰もいないはずの通学路にゆっくり歩く君を見つけた。
「なにしてんの。歩いてたら遅刻するぞ」
歩いている君に話しかけた。
「おはよう。あれ結城くんって自転車だっけ? 」
「今日は遅刻しそうだから、自転車にしてるだけ。このままだと遅刻するぞ。乗ってきな」
「良いの。やったね」
君が喜びながら自転車の後ろに座った。そしてペダルをこぎ始めた。
「ちゃんと掴まってろよ」
そう言うと君は、俺の服をぎゅっと掴んだ。
「もう、親は東京行っちまったのかよ?」
「もうそろそろ家出るんじゃないかな」
「やっぱり東京に行っちまうんだな。ま、別に悲しくなんてねぇけどな」
「嘘だ~。悲しいくせに」
「連絡ぐらいはしろよな。あっち行っても元気にしろよ」
ここから先は、坂を下るだけ。
「気持ちぃ~」
自転車は風を切っていった。そしてすぐ学校についた。
「ねぇ、昨日の話ってなんなの? 」
「だから、祭りの後言うって。心の準備ぐらいさせろよ」
「すんごい気になるけどまぁいいや。今日の放課後ね。乗せてくれてありがとう」
「あぁ、またあとでな。」
東京都環境局 地球温暖化対策本部
まったく、今日も暑い。立花隼人は急いでいた。
休みの日だと言うのに地球温暖化対策本部に呼ばれたのだ。
また水位が上がったのだろう。いつか日本が水没するかもしれないが今のままのスピードで水位が上がるのならまだ全然大丈夫だ。
それなのになぜ呼ばれたのだろうか?
嫌な胸騒ぎがしながらも対策本部に入っていった。
その中で後輩の塚本が必死に指揮をしている。
「お疲れ、大丈夫かよ」
「お疲れさまです立花さん、休みの日に呼び出して申し訳ありません。急ですみませんが、審査を通った人たちをもう施設に入れることって出来ますか? 」
「急ぐ理由はなんかあるのか? 」
「今日が日本の最後になるかもしれないんですよ」
塚本が指差したモニターには各国の状況が映っていた。各国でここ最近の暑さで急に水没が始まったのだ。
「今日の朝に北極南極含む世界中の氷が一気に溶け始めて、日本もすでに水没し始めています。日本全土が水没するのも時間の問題です。避難命令を今すぐ出しましょう」
「分かった。日本全土に避難を出してくれ」
「分かりました」
終わりは急に来るものだ。希望のない明日を守るために俺は仕事に取りかかった。
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