私との婚約は政略ですから、恋人とどうぞ仲良くしてください

稲垣桜

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36. 近づきたい距離

 私はローズマリーの話を聞いて、少し混乱して頭の中の靄がさらに濃くなったようなそんな感じがしたわ。

 だって、ルカ様が学園で広がっているリリアンナ様との関係を否定されたって。
 学園でもその話が広まっているって。


「これは私がから聞いた話よ。あのね…ルカ様が、エリーがリリアンナ様から危害を加えられないように、あえて距離を置いていたって」

「……嘘でしょう?」

「嘘じゃないわ。彼女の取り巻きがあなたを池に突き落としてしまって、ルカ様はその瞬間を目撃してあなたを助けた。そして実行犯となった人たちを断罪したのよ。リリアンナ様はそれからずっと学園を休まれているわ」

「断罪…?」

「そうよ。あなたを突き落としたクラノド子爵令息は家を追放されたわ。他の方々は直接手を出していないからと今のところは謹慎してる。リンデン伯爵家はもちろん、コゼルス侯爵家からも追及されたらそうするしかないわよね」


 ローズマリーの話したことに、お兄さんのブレイク様も頷きながら聞いてるから本当の事なのよね。

 でも、追放?謹慎?本当なのかしら?それもコゼルス侯爵家からも訴えがあったなんて。


 ルカ様の話も…本当??

 ルカ様が毎日来ていたのも、本当に私に会うため?




 


 ローズマリーたちが帰ってから、私は聞いたことが本当なのか必死に思い出そうとしたけど、すればするほど靄が濃くなり頭が痛くなって、それ以上は無理だった。


 ローズマリーが私に嘘をいう訳ないものね。

 全部本当の事なのよ。


 じゃあ、ルカ様は…



 頭が痛くなってソファーに蹲っていると、カーラから「薬を飲んでお休みになってください」と言われてしまい、私はその言葉通りに薬を飲んでベッドで横になった。

 ベッドに入ってからも、どうしても思い出したいという気持ちが膨れ上がるけど、それに比例して頭痛がひどくなる。


 私は目をぎゅっと閉じて痛みに耐え、薬が効き始めたころには深い眠りへと落ちていった。






 ◇







「リズは眠っている?」

「はい。頭痛を訴えられたので、お薬をお飲みになって眠っておられます」


 部屋の中に誰かいる気配がして、私の意識は少し…ほんの少しだけ覚醒し始めた。
 まだ目が覚めたわけじゃなくて、見えないけど音は聞こえているって感じかしら。



 それとも夢?


 今の声はルカ様?

 カーラと話をしているの?



 カタカタと音がして何かと思ったんだけど、ベッドの横に椅子を持ってくる音かしら?
 そこに誰かが座ったような気がするけど、もしかしてルカ様?


「リズ…伯爵から君が何も覚えてないって聞いた。君は俺がリリアンナを想ってると信じてるのだろう?俺のことも…嫌っているのだろうな。」


 そうよ…ルカ様はリリアンナ様といつも一緒にいらしたもの。私なんか視界にも入ってなかったから、忘れてしまわれたのだと…


「俺にはリズだけだ。ずっと、会えなくなってからも君だけなんだ…。早く元気になってくれ…俺の事、思い出してくれ……」


 私だけ…?

 そんな言葉、信じられないわ。


 ルカ様がリリアンナ様と一緒にいる姿を見て、もう信じられないもの…




 ねえ、ルカ様…





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