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26. 届かないルカの声
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「その呼び方はやめてくださるように言いましたが。……では、リリアンナ様の事をどなたかにお話をするつもりだったのなら、どうしてそれが最初ではなかったのですか?どうしてリリアンナ様から言われた時に行動しなかったのですか?それは、私がどうでもいいと考えていたという証拠では?」
「違う!!リズの…君の事を守りたくて」
「結構です。もうお話することはございません。お父様、コゼルス侯爵様、お先に失礼させていただきます」
「まって、エリザベスさん」
コゼルス侯爵夫人が私を呼び止めました。
あまりお話したことはないけど、お優しい方だったわよね。なんだか疲れた顔をしていらっしゃるわ。
「ルカの事、許してほしいとは言わないわ。でも、ルカがあなたを想う気持ちは本当なの。ルカはあなただけを想ってきたのよ。どうかそれだけはわかってやってくれないかしら」
「コゼルス侯爵夫人。ごめんなさい…失礼します」
私は応接室を後にしてそのまま自室に籠った。
侯爵夫妻は知らなかったのだから、あんな態度をとるつもりはなかったけど、でも、なんだか気持ちを押し付けられている様で、我慢できなかった。
私は、ただ、一言でいいから説明してほしかった。
結局ルカ様が何も言わず、私だけが置いて行かれているような、そんな状況が気に入らなかったのね。
自分で意地を張っているのはわかってる。そんなことはわかってるけど、納得できない自分がいるのよ。
そして、私が部屋を出た後、お兄様が私の抜けた席に座って話を続けた事を後から聞いた。
お兄様は前にルカ様が屋敷を訪れた際に聞き出していたようで、挽回できるように行動を起こせと言ったらしい。そして学園で私に声をかけたものの、話が出来ずじまいだったとか。
話そうとしてくださっていたのかしら。
そしてお兄様はルカ様が一応行動を起こしたことを認められたのか、私にもう一度挽回するチャンスを与えてやれとみんな帰った後に部屋を訪ねてきてそう言った。
「お兄様はルカ様の事をどう思っているの?」
「俺か?バカだと思ってるぞ」
「バカ…ですか」
「そうだろう?唯一の愛を守るために道化を演じたんだぞ」
「唯一の愛って…」
「そうだろ?その為に好きでもない女の側に居続けたんだからな」
ん?
好きでもない?
あんなに仲良さそうにいたのに、ルカ様はリリアンナ様に想いはないの?リリアンナ様は可愛らしいお方だから、私はそうなんだって思っていたけど…
「好きでもないって、お兄様?言い切ってるけど…」
「ルカ殿が恥ずかしげもなく私に言ったからな。『私が愛しているのはリズだけだ!』とな」
え……ちょっと待って。それはそれで恥ずかしいんだけど。
「違う!!リズの…君の事を守りたくて」
「結構です。もうお話することはございません。お父様、コゼルス侯爵様、お先に失礼させていただきます」
「まって、エリザベスさん」
コゼルス侯爵夫人が私を呼び止めました。
あまりお話したことはないけど、お優しい方だったわよね。なんだか疲れた顔をしていらっしゃるわ。
「ルカの事、許してほしいとは言わないわ。でも、ルカがあなたを想う気持ちは本当なの。ルカはあなただけを想ってきたのよ。どうかそれだけはわかってやってくれないかしら」
「コゼルス侯爵夫人。ごめんなさい…失礼します」
私は応接室を後にしてそのまま自室に籠った。
侯爵夫妻は知らなかったのだから、あんな態度をとるつもりはなかったけど、でも、なんだか気持ちを押し付けられている様で、我慢できなかった。
私は、ただ、一言でいいから説明してほしかった。
結局ルカ様が何も言わず、私だけが置いて行かれているような、そんな状況が気に入らなかったのね。
自分で意地を張っているのはわかってる。そんなことはわかってるけど、納得できない自分がいるのよ。
そして、私が部屋を出た後、お兄様が私の抜けた席に座って話を続けた事を後から聞いた。
お兄様は前にルカ様が屋敷を訪れた際に聞き出していたようで、挽回できるように行動を起こせと言ったらしい。そして学園で私に声をかけたものの、話が出来ずじまいだったとか。
話そうとしてくださっていたのかしら。
そしてお兄様はルカ様が一応行動を起こしたことを認められたのか、私にもう一度挽回するチャンスを与えてやれとみんな帰った後に部屋を訪ねてきてそう言った。
「お兄様はルカ様の事をどう思っているの?」
「俺か?バカだと思ってるぞ」
「バカ…ですか」
「そうだろう?唯一の愛を守るために道化を演じたんだぞ」
「唯一の愛って…」
「そうだろ?その為に好きでもない女の側に居続けたんだからな」
ん?
好きでもない?
あんなに仲良さそうにいたのに、ルカ様はリリアンナ様に想いはないの?リリアンナ様は可愛らしいお方だから、私はそうなんだって思っていたけど…
「好きでもないって、お兄様?言い切ってるけど…」
「ルカ殿が恥ずかしげもなく私に言ったからな。『私が愛しているのはリズだけだ!』とな」
え……ちょっと待って。それはそれで恥ずかしいんだけど。
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