算術の秘密

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計算と支配

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まりとひなたたちが現地で声をかけていると、やがて例の会社も異変に気づいた。社長はモニター越しに赤くマークされた地域の動きを確認し、社員たちに指示を出す。

「阻止せよ。この地域への警告や支援は、利益に直結しない。すぐに妨害しろ」

数名の社員が現地へ向かい、活動を妨害しようとした。しかし、まりたちの仲間や現地の住民たちは、予想以上に結束していた。

「ここから先は、私たちが守ります!」
「準備は万全です! 住民も手伝います!」

社員たちは次々と阻まれ、計画通りには動けなかった。まりとひなたも、協力しながら住民に状況を説明し、安全を確保した。

この一連の様子を社長がモニターで見ていた。社員たちの失敗、住民の結束、そしてこの件が世間に知れ渡れば会社の評判が傷つくことを悟る。

社長は低くつぶやいた。
「……このままでは、まずい……ここは損切りすることにしよう。」

翌日、社長は公に改心したように振る舞い、対象地域へ食料や水、衣類、医薬品などを無償提供することを発表した。

まりとひなたのもとにも、会社から箱詰めの物資が届けられる。衣類や食品、日用品が整然と並び、二人は思わず顔を見合わせた。

「……これで、少しは報われた気がする」
まりは手に取った毛布を抱きしめ、ひなたも箱の中を丁寧に確認した。

二人は静かに微笑み、互いに小さくうなずいた。

その頃、社長は広場で無償の物資を配りながら、満面の笑みで言った。
「今回の件で、我が社の評判が世間に広まらないよう、地域の皆さんに支援を行うことにした。ありがたく受け取ってくれたまえ」

しかし、社員たちがぽつぽつ不満を漏らすと、社長はそっけなく肩をすくめた。
「それよりも、今月は仕事をこなさなかった社員もいたようだな。よって、全員今月は無給だ」

「そ、そんな……生活が……」
「聞き入れる余地はない。我が社の規則は絶対だ」

社員たちは顔をしかめながらも、文句を言えず、重い足取りで職場に戻るしかなかった。
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