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一、わたしの婚姻
晴江と「礎さん」 第七話
しおりを挟む「はっ……ああっ!」
内臓全体を押し上げる巨大な質量に、晴江は深く嘆息した。時間をかけてじっくりと拡げられたそこは、礎さんの男根をも難なく飲み込んでいく。
「んっ……、く……」
それでもおそらく精一杯晴江を気遣いながら、礎さんは膣内を掻き分けていく。ざわめく突起が膣口を、それからその内壁を何重にも刺激する。
礎さんのものが晴江の最も奥まで捩じ込まれた。
「んぁっ、は……っ、あぁ……」
晴江の喉から切なげな吐息が漏れる。子宮に押し付けられたペニスが内部でぐにぐにとうごめく。
「あはぁあああっ、そ、それ、だめぇぇっ」
まるで自在に動く手で子宮そのものを撫でさすられているような感覚だった。
度重なる絶頂と子宮口への誘起で、晴江の一番奥にある性感帯が目覚めつつあった。
触手が晴江の脚に絡みつき、膝を上げさせる。自然、結合部が晴江の目の前にきた。晴江は釘付けになる。
自分の大事な部分を尋常ではない大きさのものが貫き、ぐじゅぐじゅと体液を溢れさせている。
抽送が始まると、晴江はまたも押し寄せる快楽の波に身体を震わせた。
「あぁぁあっ、んぁは、はぁっ、あ゛あ゛っ、あ」
晴江の白い身体が波打つ。
ずん、ずんと出し入れされるたびに、この世のものとは思えない衝撃と快感が訪れた。
(わたしは、いま夫に抱かれている)
晴江の脳裏をそんな思いが占めた。
「あぁっ、んはぁっ、あ゛、そ、そこぉ……っ! ああああっ!」
触手での愛撫で、礎さんは晴江の身体の敏感なところを学び取ったようだ。晴江は仰け反って身体をこわばらせ、失神した。
しかしそれも僅かな時間だった。
晴江の中で礎さんが動くと、すぐに晴江は気が付き、また異形の夫のもたらす悦楽に身を委ねた。
触手が乳房と陰核、そして尻の穴を揉みほぐし、太いペニスが何度となく蜜壺を満たす。
「ああぁ、いいっ、そこぉっ、いいのぉっ……! あ゛っ、あはぁ、あ、あなたぁ……っ!」
嫌悪していたはずの男に支配される悦びに、晴江は打ち震えた。
『礎さん』の身体は天井や床に張り付いたまま、触手に覆われた基部がベッドにのしかかっている。
そうか、と晴江は愉悦の中で得心した。
『礎さん』はむしろ、この祠そのものなのだ。
世が世ならそれは、神と称される存在だったかもしれない。
尋常ならざる存在に射貫かれ、突き入れられて、晴江は獣のように咆哮した。
律動が勢いを増す。下半身全体が溶けてしまいそうだった。繋がった部分からとろけて、一つになってしまうのではないか。そんなふうに思えた。
「あっ、はぁっ、あうぅっ、ふぁ、あーっ、あっ、あ、あ」
もう何も考えられない。
「ひっ、いぃ、ぐ、ぅ」
晴江が鳴き、愉楽の頂に登りつめた瞬間、その身体の中心に熱いものが放たれた。
胎内にどくどくと注ぎ込まれる液体の熱さと量を、晴江は薄れ行く意識の中で感じていた。
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