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雌伏の章
第五話 レオンの独白
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身を清めた後は夕食だ。
すでに新しい服を着ているお義姉ちゃんはいつものポシェットを身に着けてすっかり元通りになっていた。
「レオン、食堂へ行きましょう」
「うん、お義姉ちゃん」
「お義姉ちゃんのそのポシェット可愛いね」
「レオン、誉めてくださってありがとう存じます。わたくしのお母様が作ってくれた大事なものなんですよ」
「ポシェットには何が入ってるの?」
「ふふふっ、お義姉ちゃんの七つ道具です。どんなものかは秘密ですよー」
超ご機嫌なお義姉ちゃんと手を繋ぐと、食堂へ向かう。
◇
食堂ではすでに父上が着席していて、クララとフリーデリーケがそれぞれの主人の席の傍らに立っている。
父上、クララとフリーデリーケはいつからそこに立っていましたかとは聞かない。
自分は無駄な事はしないのだ。
最近クララもフリーデリーケに対抗してるのかおかしな行動が目立つようになってきた。
お義姉ちゃんが来るまでは片時も自分の側から離れず、何かを頼むといつのまにか仕事を完了させているという優秀な侍女だった。
最近はフリーデリーケのようにいろんな場所に先回りするようになったし、酒瓶の件もそうだ、五本も取ってきたら流石にバレる。お義姉ちゃんの好きなようにさせて主人を放置気味だし、服装が乱れててもクララが直さないでお義姉ちゃんに直させたりする。
というかいつの間にか服装が乱れてたり食卓にパンくずがこぼれてたり、顔に料理がついたりしてるのだ。
しかもわざわざお義姉ちゃんの気づきやすい場所に。
アプフェルシュトゥルーデルを食べた時は、母上から聞いていたライフアイゼン産の林檎の予想以上の美味に驚いて、つい作法そっちのけで食べてしまっていたから、口元に粉砂糖がついてたのは自分のせいだろう。
だが夕食の皿が出てくるたびに何かしらお義姉ちゃんのお世話になるような状況というのは流石に無い。
一応これでも王族として作法などは叩き込まれているのだ。
それもクララに。
このままだとお義姉ちゃんにだらしがない義弟だと思われてしまう。
自分のせいじゃないはずなのに。
たしかに人参はあまり好きじゃないし鶏肉は大好きだ。
でも自分の皿にだけ食べきれない量の人参が盛られてたり、主菜の鶏肉が自分だけやたら小さいとか、初めて見た食べた事が無い果実がやたらと出てくるって言うのは流石に露骨過ぎてどうかと思う。
人参を頑張って食べたけど気持ち悪くなって少し残してたらお義姉ちゃんが食べてくれたし。
鶏肉も食べてたらすぐ食べ終わっちゃって、お義姉ちゃんに、あらあらそんなに急いで食べちゃうくらい大好きなの? お義姉ちゃんのを分けてあげるねみたいな流れになったし。
見たことも無い果実なんでとりあえず真っ二つに切ってみたらお義姉ちゃんが皮をむくんですよーって教えてくれたし。
ちなみにお義姉ちゃんの作法は完璧だ。
食事中お世話の為に頻繁に席を立つどころかお世話自体は不作法なのだが。
内膳司の連中と共謀してるのか運んでいる最中に仕込んでいるのかわからないが、そもそも王族の料理に手を出したら駄目だろとか、内膳正とその料理を運ぶ侍女二人で毒見をしてるはずなのに、そんなんで良いのかと色々言いたい。
主菜が並んだ時点で内膳正を呼び出して見比べさせてみるか、とも思ったけど、大事にすると流石にまずい。
物理的に誰かの首が飛ぶ。それも複数。しかも連座で。
お義姉ちゃんはお世話できるのが嬉しくてそういう細かいところに全く気付いていない。
正直お世話してくれるお義姉ちゃんは大好きだし、お世話出来て喜んでるお義姉ちゃんはもっと好きだ。
このままずっとお義姉ちゃんのお世話を堪能したい。
でもこのままだと駄目人間になってしまう。
着替えの件だってそうだ。
クララは面白がってお義姉ちゃんに着替えさせたり、一緒に入浴しては駄目ですよとわざわざ煽ってる感じがするのだ。
他人の心情を読むのは得意な方だと思ってたけど、クララの考えてる事は良く分からない。
しかも何故かお義姉ちゃんと自分だけの秘密のトントン単語が解読されている気がする。
入浴前のアレも絶対ばれてるはずだ。
あんなニヤけたクララの顔は初めて見た。
敵意が全く無いし、忠誠心は疑いないのは間違い無いんだが、敬愛とか尊敬とかそういうものでは無く、大事な玩具のような扱いと言われればしっくりくる。
それでもなんとなくそんな感じがするかもという程度だし、なかなか隙を見せないクララから情報を抜き取るのは難しい。
一体どうしたら良いんだろう。
そんなことを むむむ と考えていると
「レオン、何か変な事を考えていませんか?」
とお義姉ちゃんが聞いて来たので
「そんなことないよお義姉ちゃん」
って返しておいた。嘘だけど。
「さぁリーザ、レオン、今日も家族で仲良く楽しく食事をしよう!」
何故かご機嫌な父上がちょっと気持ち悪い。
チラチラお義姉ちゃんの方を見てるし完全に舞い上がってる。
お義姉ちゃんが、夜トントンの最中に<ちょっと待ってて>って合図した時には、父上の部屋の扉をトントンしに行ってるようだしそれで舞い上がってるんだろうか。
でも流石にお義姉ちゃんの挨拶だけでここまで舞い上がるとは思えん。
特に今日は酷い。
誰だ父上に変な事を吹き込んだのは。
周囲を見渡すとフリーデリーケの顔が真っ青だ。なるほど犯人はあいつか。
挨拶以外にも「姫様はいつもお忙しい陛下の事を心配しておられますよとか本当の父親のように思っていますよ」とか何か言ったんだろうが完全に裏目だ。
父上はすぐ調子に乗る。それも想像の斜め上に。
王としての父上はほぼ完璧だ。将官から兵士に至るまで人気はあるみたいだし、指揮も上手で戦に強いらしい。
この前負けたけど。
そう言えば最近は親衛隊を中心にお義姉ちゃん派が出来たって聞いたな。
流石お義姉ちゃん。
お義姉ちゃんが女王になったら滅茶苦茶国が安定しそうだけど養女なんで継承権が無いんだよな。
うちの国の規定だと実子ならば姫殿下じゃなく王女殿下だし。
ただ実子だとしても女性は諸侯王にはなれない。
地方領主なら一代限りの繋ぎとして女性領主が認められるけど。
また、官僚や技術者にも信頼されていて、色んな産業や研究を奨励してそれなりに成果を挙げているらしい。
金属の精製や合金技術、農作物の改良なんかが国の特色らしく特産品としてあちこちに輸出されている。
新合金なんかは禁輸対象だけど、新しい鋳造方法で安く造られた金属なんかは利益率が良いらしい。
南部に広がる未開拓地の開発も順調だし、更に南下した所にある南部小数部族連合との関係も良好だ。
商業道路を拡大して大規模な交易団を派遣する議案も上がってるらしいし。
でもそんな完璧な父上も、家族に対してだけは駄目人間になってしまうのだ。
母上と自分の息子の為にわざわざ自分でゾルべを仕込んだり、家族で食事がしたいと駄々をこねて、食堂に文官連れてきて食事しながら会議とかやってたし。
その後滅茶苦茶母上に怒られてたけど。
街でも父上の事を悪く言う人は誰もいない。
たまにお忍びの体で遊びに行くけどみんな優しくしてくれる。
絶対王太子だってバレてるけど誰も何も言わないで普通に扱ってくれる。
というか平気でレオン様と呼んでくる。
王太子殿下、もしくは王子様と呼ばないだけだ。
王族がお忍びで遊びに来てるのがバレなければ良いんでしょ? みたいな感じが緩すぎて心配になるくらいだ。
流石に昨日お父さんがお酒を飲みに来てましたよと言われた時は丞相のマルセルに密告しておいたけど。
屋台で食べ物を買うとクララに毒見用の物を別に渡してるし、店側もかなり手慣れている。
というか護衛隊士の変装がバレバレな時点で隠す気が無いんじゃないだろうかと思う位だ。
この前なんかカールが皮鎧に長剣といういで立ちだったので聞いてみたら、冒険者風ですと言ってたけど冒険者ってなんだ?
皮鎧に長剣なんて恰好するのは傭兵か盗賊くらいか?
そういえば鎧をつけずに派手な服だけを着て、ツヴァイハンダー一本で突撃する傭兵部隊がいるな。
盗賊だってわざわざ一般人と違う恰好なんてしないだろう。
奴らは普段その辺の一般人と紛れてるんだからわざわざ目立つ恰好なんてしない。
警備兵に簡単に見つけられて困るのは盗賊の方だし。
盗賊が相手をするのは基本非武装の一般人だし防具なんかいらないしな。
剣や短刀一本あればいいわけだし。
幸いルーヴェンブルクにはそういった悪人はほぼいないけど。
帝都あたりなら冒険者って職業が存在するのかな? どこへ冒険するのか分からないが。
調査隊が近いかもしれないけど、危険な動物がいるような場所なら地元の猟師を連れて行くだろうし。
「レオン、大丈夫ですか? 具合でも悪いのですか?」
「あ、ごめんねお義姉ちゃん。ちょっと考え事してた」
「何かあればいつでもお義姉ちゃんがお話を聞きますからね。何でも相談してくださいませ」
しまったお義姉ちゃんを心配させてしまった。なんとか話題転換をしないと。
「ありがとう。でもちょっと騎乗訓練の事を考えてただけだから気にしないで」
「そうですか。お義姉ちゃんはいつでもレオンの味方なのですか、ら一人で考えこまずになんでもお話してくださいね」
どうしよう、心配してくれるお義姉ちゃんが可愛い。
いや駄目だ、今はまだお義姉ちゃんだって色々大変な時期だ。
お世話ならまだしも心配させるのだけはやめよう。
「父上、今度お義姉ちゃんと騎乗訓練をしたいのですが、調整をお願いしてよろしいでしょうか?」
「おぉ良いぞ、近いうちに予定を入れておく。講師はまぁ何とかなるだろう、有能なのを探しておく」
「ありがとうございます父上。あとはお義姉ちゃんに城下を見せてあげたいと思うのですが」
「わかった、そちらも日程調整をして護衛隊士を付ける」
「わぁ! レオン、お義父様ありがとう存じます!」
「出来るだけ早く行けるように調整しておくからな」
「はい! お義父様!」
「お小遣いもあげるからなんでも好きなものを買って来なさい」
もう父上はデレデレだ。
専属侍女のアレクサンドラにちょっと金貨何枚か持ってきてとか言って怒られてる。
金貨なんか城下の個人商店や屋台で使えるわけないだろ。
王である父上の専属侍女アレクサンドラは公卿である従三品の尚侍だ。
王直属の内侍省の長官で一番偉い。
父上が生まれた時から側につけられたから父上にとっては母親代わりであり姉代わりだ。
礼儀作法にはちょっと厳しいけど普段はすごく優しいけど、父上は何故かしょっちゅう怒られてる。
護衛隊士や侍女がドン引きしてる。
そろそろ威厳が無くなるぞ。
あ、そうだこの機会にあれの件を報告しとこう。
「あと父上、申し訳ありません。報告が遅くなっている件がありました」
「む、なんだ?」
お小言から解放されたという感じで嬉しそうにこちらを見る。
「本日午後にゲオルク将軍のお見舞いにお伺いした際に、お見舞いの品として父上のお酒を何本か頂きました」
「もしやローゼ公国産の酒か?」
「はい、ゲオルク将軍は酒精が好物だとお義姉ちゃんに聞きましたので、どうせなら故郷の酒が良いかなと」
「まぁ仕方がない。実際命を救われたようなものだしな。構わん。屋敷を用意したときに見舞いの品も渡したが、そうだな、経過も順調そうで出仕願いも出てたし、非公式で俺の方からも快気祝いを贈っておく」
よし乗り切った。
む、お義姉ちゃんが手をつないでトントンしてきた。
<ありがとう><大好き>
さっとお義姉ちゃんの顔を見ると林檎のように真っ赤になってて、ぷいっとそっぽを向かれてしまった。
しかし今日の前菜は普通だな、うん美味しい。内膳司の連中が連座刑になったらこの味も味わえなくなるから気を付けないと。
次のスープも特に問題なさそうだし、量もお義姉ちゃんと一緒だ。
何か変な物でも入れられてないかな、とスプーンでスープを探っていると
「レオン、無作法ですよ。ふふふっ人参が入っているか気になっているのですか? 入ってないから大丈夫ですよ」
しまった、お義姉ちゃんに注意されてしまった。
まぁスープも問題なさそうだ、流石にやり過ぎて反省したんだろう。
「っつ!」
って熱っつ! なんだこれ、見た目普通なのに煮えたぎってるのかってくらい熱い。
思わず声が少し漏れてしまった。
あ、お義姉ちゃんが席を立ってこっちに来た。
というか手が届くくらいしか離れてないんだけど。
「レオンどうしたんですか? あ、熱かったんですね、駄目ですよちゃんとふーふーしないと。お姉ちゃんがふーふーしてあげますからね。ふーふー、ふーふー。 はいレオンあーんしてくださいませ」
そう言ってお義姉ちゃんがふーふーしてくれたスープが入ったスープスプーンに手を添えて差し出してくる。
お義姉ちゃん、ふーふーするのは行儀悪いよとは言わない。
ふーふーしてるお義姉ちゃんが可愛いし。
「ありがとうお義姉ちゃん。あーん」
「もうレオンは甘えん坊ですね。はいどうぞ」
駄目だ、ふーふーしたくらいじゃ全然冷めてない。
でも頑張って無理やり飲みこむ。
お義姉ちゃんが悲しむ姿だけは絶対に見たくないのだ。
「うん、ありがとうお義姉ちゃん。美味しいよ」
「わたくしはお義姉ちゃんですもの、レオンのお世話をするのは当たり前なのですよ」
「わっ熱い熱い」
「お義姉ちゃん、いつもありがとう」
「ふふふっ、いきなりなんですかレオン。わたくしはレオンのお世話をするのが大好きなのですから、気にする必要なんてないのですよ」
「熱いよー、だれかふーふーしてくれないかなー」
「お義姉ちゃんに助けられてばかりでちょっと情けないなぁって」
「そんなことはありませんよ。わたくしだってレオンに沢山助けられているのですから」
「んー、じゃあ今度はお義姉ちゃんにふーふーしてあげるよ」
そう言ってお義姉ちゃんを椅子に座らせてお姉ちゃんのスープを掬う。
「ふーふー」
「こうなったら息子でも我慢するぞー」
「はいお義姉ちゃんどうぞ。あーん」
「レオン、ちょっと恥ずかしいです」
「お義姉ちゃんに食べて欲しいなぁ」
「もう! レオンは甘えん坊ですね。仕方がありません、可愛い義弟のお願いは断れませんから。......あーん」
あーんしてるお姉ちゃんが可愛い。ちょっと照れてる所も凄く可愛い。
「はいっどうぞお義姉ちゃん」
「おーい、お父さんさみしいぞー」
「レオンありがとう存じます。すごくおいしいです」
うん。顔を真っ赤にしてはにかんでお礼を言うお義姉ちゃんがすごく可愛い。
さっきから変な雑音が聞こえてるけど全く気にならない。
「お義姉ちゃんどういたしまして。お義姉ちゃんの為なら何でもしてあげるからね」
「もう、レオンったら。お義姉ちゃんをあまりからかってはいけませんよ」
あ、顔は真っ赤だけど<ぷいっ>ってしない。ちょっと残念。
父上も変だしクララの行動も色々疑問だけど、まぁお義姉ちゃんが可愛いし別に良いか。
すでに新しい服を着ているお義姉ちゃんはいつものポシェットを身に着けてすっかり元通りになっていた。
「レオン、食堂へ行きましょう」
「うん、お義姉ちゃん」
「お義姉ちゃんのそのポシェット可愛いね」
「レオン、誉めてくださってありがとう存じます。わたくしのお母様が作ってくれた大事なものなんですよ」
「ポシェットには何が入ってるの?」
「ふふふっ、お義姉ちゃんの七つ道具です。どんなものかは秘密ですよー」
超ご機嫌なお義姉ちゃんと手を繋ぐと、食堂へ向かう。
◇
食堂ではすでに父上が着席していて、クララとフリーデリーケがそれぞれの主人の席の傍らに立っている。
父上、クララとフリーデリーケはいつからそこに立っていましたかとは聞かない。
自分は無駄な事はしないのだ。
最近クララもフリーデリーケに対抗してるのかおかしな行動が目立つようになってきた。
お義姉ちゃんが来るまでは片時も自分の側から離れず、何かを頼むといつのまにか仕事を完了させているという優秀な侍女だった。
最近はフリーデリーケのようにいろんな場所に先回りするようになったし、酒瓶の件もそうだ、五本も取ってきたら流石にバレる。お義姉ちゃんの好きなようにさせて主人を放置気味だし、服装が乱れててもクララが直さないでお義姉ちゃんに直させたりする。
というかいつの間にか服装が乱れてたり食卓にパンくずがこぼれてたり、顔に料理がついたりしてるのだ。
しかもわざわざお義姉ちゃんの気づきやすい場所に。
アプフェルシュトゥルーデルを食べた時は、母上から聞いていたライフアイゼン産の林檎の予想以上の美味に驚いて、つい作法そっちのけで食べてしまっていたから、口元に粉砂糖がついてたのは自分のせいだろう。
だが夕食の皿が出てくるたびに何かしらお義姉ちゃんのお世話になるような状況というのは流石に無い。
一応これでも王族として作法などは叩き込まれているのだ。
それもクララに。
このままだとお義姉ちゃんにだらしがない義弟だと思われてしまう。
自分のせいじゃないはずなのに。
たしかに人参はあまり好きじゃないし鶏肉は大好きだ。
でも自分の皿にだけ食べきれない量の人参が盛られてたり、主菜の鶏肉が自分だけやたら小さいとか、初めて見た食べた事が無い果実がやたらと出てくるって言うのは流石に露骨過ぎてどうかと思う。
人参を頑張って食べたけど気持ち悪くなって少し残してたらお義姉ちゃんが食べてくれたし。
鶏肉も食べてたらすぐ食べ終わっちゃって、お義姉ちゃんに、あらあらそんなに急いで食べちゃうくらい大好きなの? お義姉ちゃんのを分けてあげるねみたいな流れになったし。
見たことも無い果実なんでとりあえず真っ二つに切ってみたらお義姉ちゃんが皮をむくんですよーって教えてくれたし。
ちなみにお義姉ちゃんの作法は完璧だ。
食事中お世話の為に頻繁に席を立つどころかお世話自体は不作法なのだが。
内膳司の連中と共謀してるのか運んでいる最中に仕込んでいるのかわからないが、そもそも王族の料理に手を出したら駄目だろとか、内膳正とその料理を運ぶ侍女二人で毒見をしてるはずなのに、そんなんで良いのかと色々言いたい。
主菜が並んだ時点で内膳正を呼び出して見比べさせてみるか、とも思ったけど、大事にすると流石にまずい。
物理的に誰かの首が飛ぶ。それも複数。しかも連座で。
お義姉ちゃんはお世話できるのが嬉しくてそういう細かいところに全く気付いていない。
正直お世話してくれるお義姉ちゃんは大好きだし、お世話出来て喜んでるお義姉ちゃんはもっと好きだ。
このままずっとお義姉ちゃんのお世話を堪能したい。
でもこのままだと駄目人間になってしまう。
着替えの件だってそうだ。
クララは面白がってお義姉ちゃんに着替えさせたり、一緒に入浴しては駄目ですよとわざわざ煽ってる感じがするのだ。
他人の心情を読むのは得意な方だと思ってたけど、クララの考えてる事は良く分からない。
しかも何故かお義姉ちゃんと自分だけの秘密のトントン単語が解読されている気がする。
入浴前のアレも絶対ばれてるはずだ。
あんなニヤけたクララの顔は初めて見た。
敵意が全く無いし、忠誠心は疑いないのは間違い無いんだが、敬愛とか尊敬とかそういうものでは無く、大事な玩具のような扱いと言われればしっくりくる。
それでもなんとなくそんな感じがするかもという程度だし、なかなか隙を見せないクララから情報を抜き取るのは難しい。
一体どうしたら良いんだろう。
そんなことを むむむ と考えていると
「レオン、何か変な事を考えていませんか?」
とお義姉ちゃんが聞いて来たので
「そんなことないよお義姉ちゃん」
って返しておいた。嘘だけど。
「さぁリーザ、レオン、今日も家族で仲良く楽しく食事をしよう!」
何故かご機嫌な父上がちょっと気持ち悪い。
チラチラお義姉ちゃんの方を見てるし完全に舞い上がってる。
お義姉ちゃんが、夜トントンの最中に<ちょっと待ってて>って合図した時には、父上の部屋の扉をトントンしに行ってるようだしそれで舞い上がってるんだろうか。
でも流石にお義姉ちゃんの挨拶だけでここまで舞い上がるとは思えん。
特に今日は酷い。
誰だ父上に変な事を吹き込んだのは。
周囲を見渡すとフリーデリーケの顔が真っ青だ。なるほど犯人はあいつか。
挨拶以外にも「姫様はいつもお忙しい陛下の事を心配しておられますよとか本当の父親のように思っていますよ」とか何か言ったんだろうが完全に裏目だ。
父上はすぐ調子に乗る。それも想像の斜め上に。
王としての父上はほぼ完璧だ。将官から兵士に至るまで人気はあるみたいだし、指揮も上手で戦に強いらしい。
この前負けたけど。
そう言えば最近は親衛隊を中心にお義姉ちゃん派が出来たって聞いたな。
流石お義姉ちゃん。
お義姉ちゃんが女王になったら滅茶苦茶国が安定しそうだけど養女なんで継承権が無いんだよな。
うちの国の規定だと実子ならば姫殿下じゃなく王女殿下だし。
ただ実子だとしても女性は諸侯王にはなれない。
地方領主なら一代限りの繋ぎとして女性領主が認められるけど。
また、官僚や技術者にも信頼されていて、色んな産業や研究を奨励してそれなりに成果を挙げているらしい。
金属の精製や合金技術、農作物の改良なんかが国の特色らしく特産品としてあちこちに輸出されている。
新合金なんかは禁輸対象だけど、新しい鋳造方法で安く造られた金属なんかは利益率が良いらしい。
南部に広がる未開拓地の開発も順調だし、更に南下した所にある南部小数部族連合との関係も良好だ。
商業道路を拡大して大規模な交易団を派遣する議案も上がってるらしいし。
でもそんな完璧な父上も、家族に対してだけは駄目人間になってしまうのだ。
母上と自分の息子の為にわざわざ自分でゾルべを仕込んだり、家族で食事がしたいと駄々をこねて、食堂に文官連れてきて食事しながら会議とかやってたし。
その後滅茶苦茶母上に怒られてたけど。
街でも父上の事を悪く言う人は誰もいない。
たまにお忍びの体で遊びに行くけどみんな優しくしてくれる。
絶対王太子だってバレてるけど誰も何も言わないで普通に扱ってくれる。
というか平気でレオン様と呼んでくる。
王太子殿下、もしくは王子様と呼ばないだけだ。
王族がお忍びで遊びに来てるのがバレなければ良いんでしょ? みたいな感じが緩すぎて心配になるくらいだ。
流石に昨日お父さんがお酒を飲みに来てましたよと言われた時は丞相のマルセルに密告しておいたけど。
屋台で食べ物を買うとクララに毒見用の物を別に渡してるし、店側もかなり手慣れている。
というか護衛隊士の変装がバレバレな時点で隠す気が無いんじゃないだろうかと思う位だ。
この前なんかカールが皮鎧に長剣といういで立ちだったので聞いてみたら、冒険者風ですと言ってたけど冒険者ってなんだ?
皮鎧に長剣なんて恰好するのは傭兵か盗賊くらいか?
そういえば鎧をつけずに派手な服だけを着て、ツヴァイハンダー一本で突撃する傭兵部隊がいるな。
盗賊だってわざわざ一般人と違う恰好なんてしないだろう。
奴らは普段その辺の一般人と紛れてるんだからわざわざ目立つ恰好なんてしない。
警備兵に簡単に見つけられて困るのは盗賊の方だし。
盗賊が相手をするのは基本非武装の一般人だし防具なんかいらないしな。
剣や短刀一本あればいいわけだし。
幸いルーヴェンブルクにはそういった悪人はほぼいないけど。
帝都あたりなら冒険者って職業が存在するのかな? どこへ冒険するのか分からないが。
調査隊が近いかもしれないけど、危険な動物がいるような場所なら地元の猟師を連れて行くだろうし。
「レオン、大丈夫ですか? 具合でも悪いのですか?」
「あ、ごめんねお義姉ちゃん。ちょっと考え事してた」
「何かあればいつでもお義姉ちゃんがお話を聞きますからね。何でも相談してくださいませ」
しまったお義姉ちゃんを心配させてしまった。なんとか話題転換をしないと。
「ありがとう。でもちょっと騎乗訓練の事を考えてただけだから気にしないで」
「そうですか。お義姉ちゃんはいつでもレオンの味方なのですか、ら一人で考えこまずになんでもお話してくださいね」
どうしよう、心配してくれるお義姉ちゃんが可愛い。
いや駄目だ、今はまだお義姉ちゃんだって色々大変な時期だ。
お世話ならまだしも心配させるのだけはやめよう。
「父上、今度お義姉ちゃんと騎乗訓練をしたいのですが、調整をお願いしてよろしいでしょうか?」
「おぉ良いぞ、近いうちに予定を入れておく。講師はまぁ何とかなるだろう、有能なのを探しておく」
「ありがとうございます父上。あとはお義姉ちゃんに城下を見せてあげたいと思うのですが」
「わかった、そちらも日程調整をして護衛隊士を付ける」
「わぁ! レオン、お義父様ありがとう存じます!」
「出来るだけ早く行けるように調整しておくからな」
「はい! お義父様!」
「お小遣いもあげるからなんでも好きなものを買って来なさい」
もう父上はデレデレだ。
専属侍女のアレクサンドラにちょっと金貨何枚か持ってきてとか言って怒られてる。
金貨なんか城下の個人商店や屋台で使えるわけないだろ。
王である父上の専属侍女アレクサンドラは公卿である従三品の尚侍だ。
王直属の内侍省の長官で一番偉い。
父上が生まれた時から側につけられたから父上にとっては母親代わりであり姉代わりだ。
礼儀作法にはちょっと厳しいけど普段はすごく優しいけど、父上は何故かしょっちゅう怒られてる。
護衛隊士や侍女がドン引きしてる。
そろそろ威厳が無くなるぞ。
あ、そうだこの機会にあれの件を報告しとこう。
「あと父上、申し訳ありません。報告が遅くなっている件がありました」
「む、なんだ?」
お小言から解放されたという感じで嬉しそうにこちらを見る。
「本日午後にゲオルク将軍のお見舞いにお伺いした際に、お見舞いの品として父上のお酒を何本か頂きました」
「もしやローゼ公国産の酒か?」
「はい、ゲオルク将軍は酒精が好物だとお義姉ちゃんに聞きましたので、どうせなら故郷の酒が良いかなと」
「まぁ仕方がない。実際命を救われたようなものだしな。構わん。屋敷を用意したときに見舞いの品も渡したが、そうだな、経過も順調そうで出仕願いも出てたし、非公式で俺の方からも快気祝いを贈っておく」
よし乗り切った。
む、お義姉ちゃんが手をつないでトントンしてきた。
<ありがとう><大好き>
さっとお義姉ちゃんの顔を見ると林檎のように真っ赤になってて、ぷいっとそっぽを向かれてしまった。
しかし今日の前菜は普通だな、うん美味しい。内膳司の連中が連座刑になったらこの味も味わえなくなるから気を付けないと。
次のスープも特に問題なさそうだし、量もお義姉ちゃんと一緒だ。
何か変な物でも入れられてないかな、とスプーンでスープを探っていると
「レオン、無作法ですよ。ふふふっ人参が入っているか気になっているのですか? 入ってないから大丈夫ですよ」
しまった、お義姉ちゃんに注意されてしまった。
まぁスープも問題なさそうだ、流石にやり過ぎて反省したんだろう。
「っつ!」
って熱っつ! なんだこれ、見た目普通なのに煮えたぎってるのかってくらい熱い。
思わず声が少し漏れてしまった。
あ、お義姉ちゃんが席を立ってこっちに来た。
というか手が届くくらいしか離れてないんだけど。
「レオンどうしたんですか? あ、熱かったんですね、駄目ですよちゃんとふーふーしないと。お姉ちゃんがふーふーしてあげますからね。ふーふー、ふーふー。 はいレオンあーんしてくださいませ」
そう言ってお義姉ちゃんがふーふーしてくれたスープが入ったスープスプーンに手を添えて差し出してくる。
お義姉ちゃん、ふーふーするのは行儀悪いよとは言わない。
ふーふーしてるお義姉ちゃんが可愛いし。
「ありがとうお義姉ちゃん。あーん」
「もうレオンは甘えん坊ですね。はいどうぞ」
駄目だ、ふーふーしたくらいじゃ全然冷めてない。
でも頑張って無理やり飲みこむ。
お義姉ちゃんが悲しむ姿だけは絶対に見たくないのだ。
「うん、ありがとうお義姉ちゃん。美味しいよ」
「わたくしはお義姉ちゃんですもの、レオンのお世話をするのは当たり前なのですよ」
「わっ熱い熱い」
「お義姉ちゃん、いつもありがとう」
「ふふふっ、いきなりなんですかレオン。わたくしはレオンのお世話をするのが大好きなのですから、気にする必要なんてないのですよ」
「熱いよー、だれかふーふーしてくれないかなー」
「お義姉ちゃんに助けられてばかりでちょっと情けないなぁって」
「そんなことはありませんよ。わたくしだってレオンに沢山助けられているのですから」
「んー、じゃあ今度はお義姉ちゃんにふーふーしてあげるよ」
そう言ってお義姉ちゃんを椅子に座らせてお姉ちゃんのスープを掬う。
「ふーふー」
「こうなったら息子でも我慢するぞー」
「はいお義姉ちゃんどうぞ。あーん」
「レオン、ちょっと恥ずかしいです」
「お義姉ちゃんに食べて欲しいなぁ」
「もう! レオンは甘えん坊ですね。仕方がありません、可愛い義弟のお願いは断れませんから。......あーん」
あーんしてるお姉ちゃんが可愛い。ちょっと照れてる所も凄く可愛い。
「はいっどうぞお義姉ちゃん」
「おーい、お父さんさみしいぞー」
「レオンありがとう存じます。すごくおいしいです」
うん。顔を真っ赤にしてはにかんでお礼を言うお義姉ちゃんがすごく可愛い。
さっきから変な雑音が聞こえてるけど全く気にならない。
「お義姉ちゃんどういたしまして。お義姉ちゃんの為なら何でもしてあげるからね」
「もう、レオンったら。お義姉ちゃんをあまりからかってはいけませんよ」
あ、顔は真っ赤だけど<ぷいっ>ってしない。ちょっと残念。
父上も変だしクララの行動も色々疑問だけど、まぁお義姉ちゃんが可愛いし別に良いか。
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──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
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