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異世界編
第八話
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「やあ、久しぶりだね。ナナシくん」
「やっぱり…お前だったか…」
「ザンゲ…様」
「はい、もうわかったでしょ。今の君はまだ未完成なんだから」
「未完成…?」
「こいつ、まだ完全な魔物じゃないんだよ。そういう体質なのか。なかなか魔力が馴染まなくてね。さあ、先帰ってて、僕はナナシくんと話があるから」
「ふざけんな!誰がお前なんかの…!」
「まだ逆らう?僕の楽しみの為に君を失う訳には行かないんだよ。それでも逆らうとでも言うのなら、せめて僕の手で君を殺す」
ザンゲの放つ殺気にボロやナナシ、村の人々全員が怯んだ。
「……わかりました」
「ボロ…!」
「仕方ねぇよ。こうなっちまった以上…もう逆らえない」
「お利口さん」
そうして、ボロはザンゲが作った異空間へ帰って行った。
「さて、なんでも聞いてよ」
「何?」
「聞きたいことがあるんでしょ?いいよ、なんでも答えてあげる」
ナナシは少し考えて口を開く。
「この世界を襲った魔族はお前の事か?」
「違うよ?魔王は別にいる。僕はその協力者だ。しかし、情けないよねー魔王も神も名ばかりで一般魔族の僕の協力がないと何も出来ないんだから。ね、君もそう思うでしょ?」
「次の質問だ」
「無視かよ」
「その魔族は今どうなっている?世界が襲われていると言っていたが、そんなものの影も形もなかった」
「ああ、人間が倒せないのは魔王だけだよ」
「どういうことだ?」
「そうだね、まずは魔族の存在なんだけど。その魔族だけなら、この世界の人間…つまり、勇者じゃなくても倒せるんだよ」
「と、言うことは、魔族は人間に殲滅させられた?」
「そういう事。まあ、世界の人間はこれも魔王の作戦だと勘違いしてるんだけどね」
「魔王倒せないというのは?」
「魔王は聖剣じゃないと倒せないんだよ。で、その聖剣の力を引き出せるのが勇者って訳」
「じゃあ、俺では魔王は倒せないというわけか」
「そういう事になるね」
「なぜ、俺にそこまで教える…魔王は仲間じゃないのか?」
「仲間じゃないよ。面白そうだから一時的に手を貸してるだけ。魔王なんて知ったこっちゃないからね」
「次の質問だ。俺たちを転移させた神官はお前のことを知っていた」
「ああ、あいつね。別にそいつとは特に関係はないよ。勇者召喚の方法を吹き込んだだけ」
「あいつは、お前の事を言いづらそうにしていたが?」
「あいつは僕が魔族だと気づいていたからね。だからじゃないかな。敵からの情報を鵜呑みにしたなんて、国王に知られたらどうなるかわからないもんね。ちなみに僕が教えたのは勇者の召喚。だから、人を自由に行き来させるようなものじゃない」
「と、言うことは、現状は元の世界に戻れないと?」
「そういう事だね」
「この事は国王様達は知っているのか?」
「知らないよ。教えてないからね」
「なるほどな…」
「質問は以上かな?」
「最後に一つ…ボロが吸収した記憶を持ち主に返すことは出来るのか?」
「できるはできるよ?でも、あいつは記憶の力で蘇ったわけだからね。記憶を返すイコール死。だよ」
「…そうか、わかった。質問は以上だ」
そう言って、ナナシは警戒態勢をとる。
「安心しなよ。今は君とは戦わない。僕の目的は楽しむことだから。もっと強くなったら戦おうね。それよりも、僕はこれから、勇者たちにちょっかい掛けに行くから。勇者対魔王の決戦を見る為に勇者を育てないとね。じゃ、バイバーイ。そうそう、近いうちに勇者たちはこの村を尋ねてくるから」
そう言って、ザンゲは消えていった。
「やっぱり…お前だったか…」
「ザンゲ…様」
「はい、もうわかったでしょ。今の君はまだ未完成なんだから」
「未完成…?」
「こいつ、まだ完全な魔物じゃないんだよ。そういう体質なのか。なかなか魔力が馴染まなくてね。さあ、先帰ってて、僕はナナシくんと話があるから」
「ふざけんな!誰がお前なんかの…!」
「まだ逆らう?僕の楽しみの為に君を失う訳には行かないんだよ。それでも逆らうとでも言うのなら、せめて僕の手で君を殺す」
ザンゲの放つ殺気にボロやナナシ、村の人々全員が怯んだ。
「……わかりました」
「ボロ…!」
「仕方ねぇよ。こうなっちまった以上…もう逆らえない」
「お利口さん」
そうして、ボロはザンゲが作った異空間へ帰って行った。
「さて、なんでも聞いてよ」
「何?」
「聞きたいことがあるんでしょ?いいよ、なんでも答えてあげる」
ナナシは少し考えて口を開く。
「この世界を襲った魔族はお前の事か?」
「違うよ?魔王は別にいる。僕はその協力者だ。しかし、情けないよねー魔王も神も名ばかりで一般魔族の僕の協力がないと何も出来ないんだから。ね、君もそう思うでしょ?」
「次の質問だ」
「無視かよ」
「その魔族は今どうなっている?世界が襲われていると言っていたが、そんなものの影も形もなかった」
「ああ、人間が倒せないのは魔王だけだよ」
「どういうことだ?」
「そうだね、まずは魔族の存在なんだけど。その魔族だけなら、この世界の人間…つまり、勇者じゃなくても倒せるんだよ」
「と、言うことは、魔族は人間に殲滅させられた?」
「そういう事。まあ、世界の人間はこれも魔王の作戦だと勘違いしてるんだけどね」
「魔王倒せないというのは?」
「魔王は聖剣じゃないと倒せないんだよ。で、その聖剣の力を引き出せるのが勇者って訳」
「じゃあ、俺では魔王は倒せないというわけか」
「そういう事になるね」
「なぜ、俺にそこまで教える…魔王は仲間じゃないのか?」
「仲間じゃないよ。面白そうだから一時的に手を貸してるだけ。魔王なんて知ったこっちゃないからね」
「次の質問だ。俺たちを転移させた神官はお前のことを知っていた」
「ああ、あいつね。別にそいつとは特に関係はないよ。勇者召喚の方法を吹き込んだだけ」
「あいつは、お前の事を言いづらそうにしていたが?」
「あいつは僕が魔族だと気づいていたからね。だからじゃないかな。敵からの情報を鵜呑みにしたなんて、国王に知られたらどうなるかわからないもんね。ちなみに僕が教えたのは勇者の召喚。だから、人を自由に行き来させるようなものじゃない」
「と、言うことは、現状は元の世界に戻れないと?」
「そういう事だね」
「この事は国王様達は知っているのか?」
「知らないよ。教えてないからね」
「なるほどな…」
「質問は以上かな?」
「最後に一つ…ボロが吸収した記憶を持ち主に返すことは出来るのか?」
「できるはできるよ?でも、あいつは記憶の力で蘇ったわけだからね。記憶を返すイコール死。だよ」
「…そうか、わかった。質問は以上だ」
そう言って、ナナシは警戒態勢をとる。
「安心しなよ。今は君とは戦わない。僕の目的は楽しむことだから。もっと強くなったら戦おうね。それよりも、僕はこれから、勇者たちにちょっかい掛けに行くから。勇者対魔王の決戦を見る為に勇者を育てないとね。じゃ、バイバーイ。そうそう、近いうちに勇者たちはこの村を尋ねてくるから」
そう言って、ザンゲは消えていった。
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