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前世の記憶
一度目の人生で失う 悲しみの辺境伯よ、さようなら レキュール辺境伯エリオットSide※
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秋の一陣の風が吹く。美しい黄色に色づくカエデの葉がはらはらと落ちてくる。赤く色づくチェリーの葉に混ざり、炎の茂みのように美しい赤に色づいたニシキギが見える。紫や黄色や赤の秋のサルビアの花が風に揺れている。
俺は秋の紅葉の中を歩いていた足を止める。何か聞き慣れない音がする。小屋と呼ぶには贅沢な作りの小さな家の前の前だ。領地内のちょっとした休憩所として作られていた。
俺はエリオット・アクレサンデル・レキュールだ。この地は俺の領地だ。
耳を澄まして目を凝らした。
俺は密会の現場に遭遇してしまったと、そっと引き返そうとした。俺の領地に侵入して何をしているかと思えば、単なる逢引きのようだ。窓が開かれていて、丸見えだ。この地の奥深くには誰もやってこないだろうとたかを括っているのだろう。
女は胸をはだけてピンク色の乳首が快感を感じて立ち、男の手で揉みしだかれている。
贅沢な絹のドレスはたくしあげられ、コルセットを身につけておらず、完全に男女の交わりに備えてきたと思われる女の綺麗なお尻はむき出しだ。
背の低い女は頬をピンク色に染め上げ、淫らな快感の嬌声をあげていた。唇は時々男の手の侵入を許して歪んでいる。髪も体も、押し付けられる男の聳り立つモノの衝撃で大きく揺れている。
あっんっぁあっあんっあんっあんっあんっあぁーっあんっあんっ!
男の顔は快感に歪み、興奮状態で性交に夢中になっているようだ。
引き換えそうとした俺はハタと足を止めて振り返った。
男と女の会話の何かが俺を引き止めた。
「マルグリッド、いいな?お前がボアルネハルトの王妃になったらダイヤモンド鉱山と金山と銀山をそれぞれ一つずついただく。俺の体は当分お前のものだ。あっんっ」
やん! あっあぁっあんっあんっ
女は快感の波に打ち据えられて、身悶えしている。男も激しい。
「分かったあぁっあんっあんっぁん!」
男の額に汗が滲み、唇が一時の喜びに口角が上がる。
俺は状況を瞬時に把握した。霧の中でレキュール辺境伯領に迷い込んだ聖女ヴァイオレットを保護したのを思い出した。彼女は美し瞳を持ち、まっすぐな影のない、曇りのない瞳で俺を見て感謝してくれた。
まもなく、この辺境伯領は彼女のものになるはずだ。俺は聖女の彼女が見通したこの地の民を豊かにする計画に賛同して、この地に引き続き残り、彼女と一緒に再建することに賛同した。
――ただ?
――聖女の彼女がボアルネハルトのヒュー王子の婚約者になったと発表されたばかりでなかったか。
――今俺が目にしている光景はなんだろう?
――マルグリッドが王妃になったら?
――どういうことだ?
男はボアルネハルトの隣国であるハープスブートのカール大帝の弟だ。女癖がすこぶる悪いと評判の奴で、ずる賢い男だ。
俺はそのままそっとその場を離れた。考えながら歩く。陰謀だ。これはボアルネハルトの資本と資源を狙った陰謀だ。マルグリッドという名前はどこかで聞いた。俺は考え込んだ。
――あ!
――ルネ伯爵令嬢マルグリッド!?
ボアルネハルト社交界で愛らしい令嬢として評判の令嬢が確かそんな名前だった。
俺は駆け出していた。聖女の身に何かが起きる可能性がある。
だが、俺は一足遅かったようだ。
ボアルネハルトのヒュー王子が聖女ヴァイオレットを激しくなじる場面に遭遇したからだ。ヒュー王子に謁見を求めて宮殿に駆けつけた時には、時既に遅しだった。ボアルネハルトの辺境の地にあるレキュール伯爵領からは馬車と馬で駆けて7日かかったからだ。
宮殿に行くと、偶然、中庭でヒュー王子が聖女を叱責して婚約破棄を言い渡した瞬間に遭遇した。ヒュー王子はよほど許せなかったのか、彼女に破り捨てと婚約書を投げ捨てた。
俺は思わず2人の間に割って入った。陰謀だと伝えようとしたのだ。
しかし、ヒュー王子は俺を見るとますます怒りに顔を真っ赤にした。
「レキュール伯爵がなぜこの場に?辺境伯爵が、わざわざ都までご苦労なことです。貴方が奪った私の婚約者をお返ししますよ」
俺は意味が分からず言葉に詰まった。聖女ヴァイオレットは顔色が真っ青だった。
その後、衛兵たちが中庭に押し寄せてきて、聖女ヴァイオレットを拘束した。謀反の罪で。
ヒュー王子はそれには驚いて皆を止めようとしたが、後の祭りだった。
俺は懸命に陰謀だと訴えようとしたが、聖女ヴァイオレットの浮気相手として拘束された。
最後に俺が見たのは、石を民に投げつけられても反撃出来ない、力なくうなだれた聖女の姿だった。
なぜあれほど力のあった聖女ヴァイオレットが力を発揮できなかったのか、自分の身を守ることができなかったのか、それは俺にも分からない。聖女なら、簡単に殺されるような目に遭わないはずだった。だが、俺が最後に見た聖女はあれほど強力にあった力を全て失ったように見えた。
偽の力でボアルネハルトの民と国王と王子を拐かして、売国しようとした謀叛の罪で聖女は火炙りの刑に処された。
俺の心に穴が空いたようだった。俺は聖女ヴァイオレットに惹かれていて、多分、きっともう愛していたから。
俺はレキュール辺境伯のエリオットだ。悲しみの辺境伯と呼ばれた。
聖女ヴァイオレットの予見は的中して、レキュールの辺境伯領地の民は豊かになった。ヒュー王子の新たな婚約者であるルネ伯爵令嬢マルグリッドを俺は許せない。
小国ボアルネハルトは聖女ヴァイオレットの示した領地再生により、力を増した。隣国ハープスブートはボアルネハルトの領地を狙っている。
隣国ハープスブートのカール大帝に世継ぎが生まれないため、もしカール大帝とその弟が没すれば、俺がラントナス家の王位継承者になるという噂がまことしやかに流れていたが、当時俺にその気はなかった。自分が隣国の大国ハーブスプールの王になるなど、考えたこともなかった。そう、マルグリッドと密会していたのはカール大帝の弟だ。
結局、俺の領土は隣国ハープスブートに取られた。彼らが計画した通りにだ。
聖女ヴァイオレットの無念さを思うと胸が痛む。
やり直せるなら、カール大帝に代わってハープスブートの王になろう。愛する聖女ヴァイオレットを守りたかった。俺は失敗した。全てが消える前に泣きながらそう思った。
エリオット・アクレサンデル・レキュールは、やり直せるならば次はハープスブートの王になって聖女ヴァイオレットを守ろう。
悲しみの辺境伯よ、さようなら。
今度は奪う側になりたい。
俺は秋の紅葉の中を歩いていた足を止める。何か聞き慣れない音がする。小屋と呼ぶには贅沢な作りの小さな家の前の前だ。領地内のちょっとした休憩所として作られていた。
俺はエリオット・アクレサンデル・レキュールだ。この地は俺の領地だ。
耳を澄まして目を凝らした。
俺は密会の現場に遭遇してしまったと、そっと引き返そうとした。俺の領地に侵入して何をしているかと思えば、単なる逢引きのようだ。窓が開かれていて、丸見えだ。この地の奥深くには誰もやってこないだろうとたかを括っているのだろう。
女は胸をはだけてピンク色の乳首が快感を感じて立ち、男の手で揉みしだかれている。
贅沢な絹のドレスはたくしあげられ、コルセットを身につけておらず、完全に男女の交わりに備えてきたと思われる女の綺麗なお尻はむき出しだ。
背の低い女は頬をピンク色に染め上げ、淫らな快感の嬌声をあげていた。唇は時々男の手の侵入を許して歪んでいる。髪も体も、押し付けられる男の聳り立つモノの衝撃で大きく揺れている。
あっんっぁあっあんっあんっあんっあんっあぁーっあんっあんっ!
男の顔は快感に歪み、興奮状態で性交に夢中になっているようだ。
引き換えそうとした俺はハタと足を止めて振り返った。
男と女の会話の何かが俺を引き止めた。
「マルグリッド、いいな?お前がボアルネハルトの王妃になったらダイヤモンド鉱山と金山と銀山をそれぞれ一つずついただく。俺の体は当分お前のものだ。あっんっ」
やん! あっあぁっあんっあんっ
女は快感の波に打ち据えられて、身悶えしている。男も激しい。
「分かったあぁっあんっあんっぁん!」
男の額に汗が滲み、唇が一時の喜びに口角が上がる。
俺は状況を瞬時に把握した。霧の中でレキュール辺境伯領に迷い込んだ聖女ヴァイオレットを保護したのを思い出した。彼女は美し瞳を持ち、まっすぐな影のない、曇りのない瞳で俺を見て感謝してくれた。
まもなく、この辺境伯領は彼女のものになるはずだ。俺は聖女の彼女が見通したこの地の民を豊かにする計画に賛同して、この地に引き続き残り、彼女と一緒に再建することに賛同した。
――ただ?
――聖女の彼女がボアルネハルトのヒュー王子の婚約者になったと発表されたばかりでなかったか。
――今俺が目にしている光景はなんだろう?
――マルグリッドが王妃になったら?
――どういうことだ?
男はボアルネハルトの隣国であるハープスブートのカール大帝の弟だ。女癖がすこぶる悪いと評判の奴で、ずる賢い男だ。
俺はそのままそっとその場を離れた。考えながら歩く。陰謀だ。これはボアルネハルトの資本と資源を狙った陰謀だ。マルグリッドという名前はどこかで聞いた。俺は考え込んだ。
――あ!
――ルネ伯爵令嬢マルグリッド!?
ボアルネハルト社交界で愛らしい令嬢として評判の令嬢が確かそんな名前だった。
俺は駆け出していた。聖女の身に何かが起きる可能性がある。
だが、俺は一足遅かったようだ。
ボアルネハルトのヒュー王子が聖女ヴァイオレットを激しくなじる場面に遭遇したからだ。ヒュー王子に謁見を求めて宮殿に駆けつけた時には、時既に遅しだった。ボアルネハルトの辺境の地にあるレキュール伯爵領からは馬車と馬で駆けて7日かかったからだ。
宮殿に行くと、偶然、中庭でヒュー王子が聖女を叱責して婚約破棄を言い渡した瞬間に遭遇した。ヒュー王子はよほど許せなかったのか、彼女に破り捨てと婚約書を投げ捨てた。
俺は思わず2人の間に割って入った。陰謀だと伝えようとしたのだ。
しかし、ヒュー王子は俺を見るとますます怒りに顔を真っ赤にした。
「レキュール伯爵がなぜこの場に?辺境伯爵が、わざわざ都までご苦労なことです。貴方が奪った私の婚約者をお返ししますよ」
俺は意味が分からず言葉に詰まった。聖女ヴァイオレットは顔色が真っ青だった。
その後、衛兵たちが中庭に押し寄せてきて、聖女ヴァイオレットを拘束した。謀反の罪で。
ヒュー王子はそれには驚いて皆を止めようとしたが、後の祭りだった。
俺は懸命に陰謀だと訴えようとしたが、聖女ヴァイオレットの浮気相手として拘束された。
最後に俺が見たのは、石を民に投げつけられても反撃出来ない、力なくうなだれた聖女の姿だった。
なぜあれほど力のあった聖女ヴァイオレットが力を発揮できなかったのか、自分の身を守ることができなかったのか、それは俺にも分からない。聖女なら、簡単に殺されるような目に遭わないはずだった。だが、俺が最後に見た聖女はあれほど強力にあった力を全て失ったように見えた。
偽の力でボアルネハルトの民と国王と王子を拐かして、売国しようとした謀叛の罪で聖女は火炙りの刑に処された。
俺の心に穴が空いたようだった。俺は聖女ヴァイオレットに惹かれていて、多分、きっともう愛していたから。
俺はレキュール辺境伯のエリオットだ。悲しみの辺境伯と呼ばれた。
聖女ヴァイオレットの予見は的中して、レキュールの辺境伯領地の民は豊かになった。ヒュー王子の新たな婚約者であるルネ伯爵令嬢マルグリッドを俺は許せない。
小国ボアルネハルトは聖女ヴァイオレットの示した領地再生により、力を増した。隣国ハープスブートはボアルネハルトの領地を狙っている。
隣国ハープスブートのカール大帝に世継ぎが生まれないため、もしカール大帝とその弟が没すれば、俺がラントナス家の王位継承者になるという噂がまことしやかに流れていたが、当時俺にその気はなかった。自分が隣国の大国ハーブスプールの王になるなど、考えたこともなかった。そう、マルグリッドと密会していたのはカール大帝の弟だ。
結局、俺の領土は隣国ハープスブートに取られた。彼らが計画した通りにだ。
聖女ヴァイオレットの無念さを思うと胸が痛む。
やり直せるなら、カール大帝に代わってハープスブートの王になろう。愛する聖女ヴァイオレットを守りたかった。俺は失敗した。全てが消える前に泣きながらそう思った。
エリオット・アクレサンデル・レキュールは、やり直せるならば次はハープスブートの王になって聖女ヴァイオレットを守ろう。
悲しみの辺境伯よ、さようなら。
今度は奪う側になりたい。
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