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キャロラインの望み ※

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「キャロルが望むなら、なんだって検討するよ」

 艶々の頬を緩ませて王太子閣下は私にささやいた。

 ――ああんっなんだってって…………どうしましょう…………

 私の中に一気に何かが温かいものが広がって、狂おしいほどの愛おしさと高まりを感じた。

「キャロルはきっと僕が王太子じゃなくても、最後は僕を選んでくれたんじゃないかと思うんだ……君は王太子である僕には最初から目もくれなかったから……」

 はぁっん………あぁっ!
 うぅっ!

 王太子閣下と私は同時に高みに達して、私はビクビクと体が震えるまま、王太子閣下にかき抱かれた。

 私と王太子閣下は幸せな温かみの中でしばらく抱き合っていた。

「望みがあるんでしょ?」
「エド……」
「なあに?言ってごらん」

 王太子閣下は私のことをなんでも見ていらっしゃる。見抜かれた。私は思い切って話し始めた。

「あの……職業訓練教室なんですけれど……女性の騎士団を養成したらダメかでしょうか?」
「え?」

 王太子閣下はハッとした表情になり、私の目を見つめた。

「護身術……というか、その女性も自立したいといいましょうか……うまく説明できないのですけれど、女性だって強さを身につけることはできると思うのです。パンを焼いたり、掃除をしたり、物を売ったり、裁縫したり、料理をしたり、それ以外にもできることはあると思うのです」

「騎士団隊長に相談してみてごらん」
「はい」
「まぁ、僕は先にキャロルのソードベルトをつけた姿を見たから……ふふっ」

 王太子閣下は思い出し笑いをして、私の頬をくすぐった。

「ドレスじゃない服装を考えますよ、もちろん」
「そうだね、少し残念だけれど……っうぅんっ……あんっ」
「エドが変なことを考えているなら、私からお仕置きをしますよ」

 悩ましくも切ない表情を浮かべた王太子閣下が、甘い声を漏らして悶えた。

 王太子閣下と私はしばらく幸せな時間を過ごしたのだ。
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