幻聖魔伝 ～Three world～

第一夜

１２

　さてと、今日もめんどくさいけど学校行かなくちゃ……！

　部屋へ持ってきて貰った朝食を食べ終え、俺は着替える。俺の朝はいつもこう。必ず部屋で一人で食べて、そして着替える。



　灰色を基調とした、普通の制服……。



　そして大好きなおじいちゃんに似せて伸ばした、腰までの長い髪を縛る。

　目にかかるくらいの前髪はちょっと右寄りで避けておく。

　でも、おじいちゃんと俺があまりにも似すぎていてよく間違えられるんだよね。

　だって同じプラチナブロンドの髪は、俺もおじいちゃんも腰ぐらいまでの長さがあるし。同じハーフなせいか、目の色も同じコバルトブルー。背は俺の方がちょっと高くて、肌色もちょっとだけ色白かな？

　おじいちゃんはあまり髪を縛る事はないから、俺は縛る事を『普通』にした。そしたらあまり間違われなくなった。



　まぁ、確かに似ている事は認めるし、後ろ姿じゃ見分けがつかないであろう事も認めるけど……。間違われるこっちとしては、あまり気分はよくない。



「リュ～カ兄！　一緒に学校行こ～！」

　部屋を出たらホークが、笑顔で待っていた。



　確かに昔は一緒に登校したけど……。なんで毎日、一緒に行きたがるの？



「……なんだか嬉しそうだね？」

　いつもより嬉しそうな弟を見て、俺はそう訊いてみる。

「だって明日から、５００年祭だよ？　ほら、今のアスティア歴になって５００年の！」

「あ～……」



　そう言われれば、そんなのもあったかも……。



　あ、今日ランディ来るんだよね？　いつ来てくれるかな？　また泊まりかな？



　自分でもわかってる。ワクワクするなんてガラじゃない、て。でもランディが来る時はいつもワクワクする。

「リュカ兄。明日のお祭り、一緒に回ろうね？」

「あ～、はいはい」

　やっぱり学校が終わったあとだろうな～。ランディ、早く来ないかな？