幻聖魔伝 ～Three world～

第二夜

２１

「リュカ～！　祭り祭り！！」

「リュカ兄～！　お祭りお祭り！！」



　ホークとランディの思考回路が一緒だ……。



　あのあとランディと色んな事喋って寝たはいいけど、寝れば朝になる。今日は朝からお祭りだ～……。

「はいはい、全く……」

　保護者でもないのにそんな事を言ってしまう自分を、もしやおじさんなんじゃ……と思ってしまう。

「あ、リュカ。ホークアイ。お祭りに行くのか？」



　ゲッ、父さんだ……。



　父さんはこの国の王様。でも親馬鹿。プラチナブロンドの短めの髪をしていて、青い目をしてる。コバルトブルーじゃないんだ、青なんだ。

「３人で行くんだ～」



　ホーク、自慢するとこ違う。



「お祭りは１週間続くんだから、そんなに焦らなくてもいいのに……。３人とも。明日はダーヴァさんやアッシュさんやシェラハさんも含めて、みんなでお祭りを回ろうか」



　！？　……それ、父さんと母さんとおじいちゃんとシーズさんも入るわけ？



　母さんは普通の人間。昔この辺りに流れついた、て聞いてる。空色の長い髪は綺麗だよ。

「父さん達も行くの？」



　手っ取り早く、訊いてみた。



「ああ、勿論だ。二人にはいつも、寂しい思いをさせているからな……。明日はみんなで行こうな」



　……言ってる事は納得出来るけど、１５と１７の息子の頭を撫でる？　フツー。



「やったぁ！」

「リュカ、やったな！　みんなでお祭りだってさ！！」



　なんでこの二人が喜んでるのか、よくわからない……。



「そうだ！　３人にお小遣いをあげなくちゃな……。ちょっと待ってろよ？」

　父さんはそう言って部屋へ戻ると、一人１万もくれる。



「え、ちょっ……！？　こんな貰えねぇよ」

　ランディが焦って返そうとするけど父さんは「ランディ君も、私達の子どもも同然だからな」なんて言ってる。



　ねぇ、それじゃ俺とランディが双子になっちゃうよ。



「……ありがとう、ございます……」

　ランディが父さんに頭を下げた。敬語苦手なんだよね、ランディ。