【クラス転移】復讐の剣

ぶどうメロン

文字の大きさ
19 / 49

18.冒険者ギルド

しおりを挟む
「ロクロは女物の服に興味があるのですか」

 ロゼッタが引き気味に聞いてくる。

「やめておけ、ロクロ。そういう趣味はハマると抜け出せなくなるぞ」
 エルザも妙な心配をしてくる。

「違うよ、ロゼッタの目隠しにちょうどいいと思ってさ」

 呪いを極力漏らさないように不自然な目の動きをするロゼッタには、目隠しが必要だと思ったのだ。
 目の細かいレース生地なら目隠しにしても透けて見えるし、盲目という設定にしておけば怪しまれないと考えたのだ。

「なるほど!確かに目を不自然に閉じてたら、怪しまれますよね」
 合点がいったように手をポンと打つロゼッタ。

「お客さーん、あったよ」
 おばさんがレースを持って店の奥から戻って来た。

「一巻きでいいかい?」

「はい、それとこの服もお願いします」
 俺は花柄のワンピースもおばさんに渡す。

「ロクロ、私に女物は……」

「いいんじゃないか。似合うって、ロゼッタもいってただろ?」

「しかし……」
 俯いて、もじもじとするエルザ。

「銀貨七枚と銅貨五枚だよ」

 おばさんがニコッと笑う。

「銀貨八枚だね。あいよ!」
 お釣りの銅貨五枚と、服の入った包みを受け取って店を出る。

「エルザ嬉しそうだね」
 先を歩くエルザについて行く後ろで、ロゼッタが小声で話す。

「そうだな。俺も嬉しいよ」
 エルザも女性なんだし、無骨な鎧以外の服も必要だと思うのだ。そんなことを話していると冒険者ギルドの前まで来ていた。

「じゃあ、待っていてくれ。冒険者登録してくるから」
 俺はレンガ造りの大きな建物に入る。

 城で事前にエルザと逃亡計画を立てていた。冒険者になるのもその一環だ。

「私は行かなくていいのですか」

「姫が行っては、騒ぎになりかねませんので」

 冒険者ギルドに足を踏み入れた。目の前には俺の背よりも高くて大きな掲示板があり、左側には受付のカウンター、右側には食堂が併設してある。

 俺は受付の、線の細い男性職員に話しかける。

「すみません、冒険者登録したいんですが」

「冒険者登録ですね。以前にどこかの国で登録されていますか?」

 怪しまれている感じはしないけど、この国の人と顔が違うから聞かれているんだろうか。

「いえ、初めてです」

「……そうですか」

 受付の男性が水晶をカウンターの上に出す。

「この水晶でステータスを測ってください。名前とステータスを冒険者カードに刻印すれば登録完了です」

 俺は水晶に手をかざす。この世界に召喚された時に見た水晶と同じようなものだろうか。


体力  356
魔力  286
攻撃力 104
防御力 205
素早さ 345


 俺が自分で調べたステータスより、だいぶ低い数値が出た。なぜなんだろうか。

「300、200……、なかなか良いステータスですね。お名前は?」

「ロクロです」

「ロクロ様ですね。冒険者カードを作成してきますので、少々お待ちください」

 しばらくして、カウンセラー奥の扉から出てきた職員の手には銅色の板が握られていた。

「こちらがロクロ様の冒険者カードになります。冒険者のランクはAからGまでの七段階があります。通常であれば、Gランクからのスタートになるのですが、ステータスが高いのでFランクで作成しています」

 俺は冒険者カードを見てみる。タバコの箱ぐらいの大きさの銅色の薄い板に、名前とステータス、冒険者ランクが刻印してある。

「Fランクまでのクエストを受けられるので、死なないようにランクを上げて行ってくださいね。ランクはクエストをクリアしていくとランクアップといって、一つ上のランクに昇格できます。ランクアップしていくと受けられるクエストが増えますので、収入を増やすならランクアップを目指してみてください」

 冒険者ギルドのルールは大体わかったので、お礼をいって外に出る。

「無事に作れたよ」
 エルザとロゼッタに冒険者カードを見せる。

「Fランクか。あまり強くなさそうだな」

「下から数えて二番目だよ」

「冒険者ってかっこいいわね!」
 ロゼッタが興奮気味に冒険者カードを眺める。

「そうなのか?」
 掲示板に貼られた依頼書には薬草採取や魔物討伐と書かれたものが多かったけど、俺の中での冒険者のイメージといったら教科書に載っていたマルコポーロだ。かっこいいかといわれると、そうでもないと思う。

「物語りに出てくるんですよ!次々と現れる魔物を倒したり、ダンジョンの奥地から伝説のアイテムを手に入れたりするんです!」

「そうなのか、確かにかっこいいかもしれないな。でも、まだお金に余裕はあるし、しばらくは冒険なんてしないんだけどな」

 城中を探し回って、お金を集めてきたしエルザの貯金も結構ある。冒険者になったのは旅をしていても不審に思われないためだ。隣町に荷物を運んでるとかいえば怪しくないはずだ。

 俺の計画とは裏腹に、冒険をしたいロゼッタはぷくーっと頬を膨らませて怒っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

処理中です...