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セーレの薄くて熱い舌が、私の口内をまさぐっている。見た目に騙されていたけどやっぱり慣れている、と思った。


(完全に大人のキスだもん……)


そう思うと騙されていた悔しさが再び湧き起こってくる。私はそう簡単には思い通りにならないんだということを見せつけるために、突き放したくなる。それなのに、いざ行動に移そうとして薄目を開けると、そこにはかわいい天使の顔があって、私はその愛らしさに負けてしまうのだ。


(ううう……セーレが美少年の姿である限り、ひどいことなんて言えない……もう、なんでこんなにかわいいの?!)


「ルナのおっぱいも好き。ふわふわ」
「ん、だめ、揉まないで……っ」
「やだ。ルナは僕のものだもんね」


無邪気な笑顔に胸がキュンとしてしまう。セーレは私が拒否できないのを知っていてわざと可愛こぶっているだけなのに。そこまでわかっているのに冷たくできない自分に呆れてしまう。


「ルナは僕のお願いなんでも聞いてくれるんだよね?」


有無を言わせない声だ。少年の高い声の芯の方に、本物のセーレの声を感じる。ぞくぞくした。


「ん……はい」
「じゃー自分で下着脱いで、脚おさえて広げて見せてよ」
「え……」
「え、じゃない。言うこと聞くんだろ?僕の」


冷たい微笑みに抗えず、気がついたら私は言われるがままにしてしまっていた。恥ずかしいのにドキドキしまうのはどうしてだろう。


「えっろ……おしりまで垂れてるんだけど」


愛液をすくいとって確かめるようにセーレがまじまじと見つめている。


「セーレ、っ、ねえ、私……」
「ルナはこんないたいけな子供にいいようにされて感じちゃう、えっちな悪いお姉さんなんだねえ」


(こ……子供じゃないくせに~!!!)


言い返そうと口を開いたところで、なんの前触れもなく、ぬるぬるとしたそこに指が挿入された。


「……っあ!!!!」


びくんと身体が反応してしまう。中の感触を確かめるように動かしながら、セーレは真顔で呟く。


「この姿だと身体に合わせて手も小さいのが良くないよな。指も細いし。あんまり気持ちよくないだろ?二本にしようか」
「あぁっ……んんん」
「ルナ、感じすぎだよ。そんなんで、大人の僕としたらどうなっちゃうの?……それとも、子供としてると思うからこんなになってるのかなー」


ぐちゅぐちゅと音がしている。頭がどうにかなりそうだった。真っ昼間に、セーレの部屋のベッドで、どうしてこんなことになっているんだろう。そこまで考えたところで、気持ち良さに、思考が途切れた。


「……あ。中がひくひくしてきた。ふふ、ルナ、もういっちゃいそう?いいよ。僕に顔、ちゃんと見せて」
「だめ、……いやっぁぁん」
「腰も動かして、いやらしいね。そんなに気持ちいいんだ……」
「っあ!…いっちゃ、ぁあっ」


気がついたら肩で息をして、セーレの細い肩にしがみついていた。意識が戻ってきて目が合うと、微笑んでキスをされた。大人びた表情だった。


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