52 / 146
第51話
しおりを挟む
ゼルダの前に立ち塞がる大男。スコートは考えた。
──どうすれば倒せる?
HPも残り少ないスコートが再び大男に剣を構える。
「……連撃!」
折れた剣で二回の連続攻撃を仕掛けるが、その剣技は只の打撃技へと成り下がり、ダメージを与えられない。
「無駄だで?もう効かないで?お前は僕より弱いで?」
◆ ◆ ◆ ◆
「強くなれ!」
「どうして逃げるんだ!?」
「お前は騎士爵の息子なんだぞ!?」
あんなに嫌いだった訓練を自ら進んでしたのは、ゼルダの泣き顔を見たからだった。
洞窟内を彷徨っていた俺達は、お互いの頼りない手を繋いでいた。
その時の俺は泣いてばかりだった。
格好悪くて、ダサい。
ゼルダは強くて逞しくて美しかった。そんな彼女に甘えてばかりいた。
洞窟内で泣いていた俺をいつものように彼女は宥めてくれると思っていた、彼女が導いてくれると思っていた。しかし彼女は俺と一緒になって泣き出した。当時の俺は驚いた。
今思えば、出口のわからない、暗い洞窟は子供にとって恐怖を感じるのは当然だろう。
彼女の涙を見てとても苦しくなった。その原因を作ったのは他でもない俺だった。もう二度と彼女の前で情けない姿を晒さない!強い男になる!
勇敢な。誰もが認める強い男に。
しかし、同い年のレイ・ブラッドベルが俺の前に立ちはだかる。そしてあの庶民。ハル・ミナミノも……
◆ ◆ ◆ ◆
今こうして、大男を前にしてスコートの中で封じ込めていたこと。
──俺は……
見てみぬふりをしていたこと。
──俺は……
スコートはその事実を直視した。
──俺は…弱い……
あの時からずっと強がっていたスコートは叫び出した。
「誰か!!!?助けてくれ!!!」
助けを求め大声を出すスコート。知らない内に涙を流していた。
「なんだで?泣きながら助けを呼ぶなんて、格好悪いで?彼女もそんな男よりも、強い僕の方がきっと、好きになるで?」
大男はゼルダを一瞥してから、スコートに向かっていった。
ゼルダはスコートの言葉に驚いていた。そして先程まで大男に握り潰されそうになった痛みを感じながら呟く。
「スコート……」
大男は持っているハサミで攻撃を繰り出した。
それをギリギリで躱すスコート。
今度はハサミを持っていない手でスコートを捕らえようとするが、それもスコートは躱す。
「逃げてばかり、なんか卑怯だで?格好悪いで?」
その言葉を聞いたスコートは少しだけ笑った。
──よく言われた言葉だ……
『やーいやーい弱虫スコート』
──だけど……
『騎士道に反することはするな!』
──だけど……
『最後まで剣を握って戦え!逃げるな!卑怯者が!』
──だけど!!
「彼女を…ゼルダを守れるなら……」
スコートは大男を涙で濡れた目で見据えながら言った。
「俺は卑怯者で構わない!!」
ピコン
限界を突破しました。
ピコン
新しいスキル『見切り』を習得しました。
スコートは頭の中で声が聞こえたような気がした。そんなことよりも大男の繰り出す攻撃を躱し続ける。
しかし、
「はぁはぁはぁ……」
大男の薙ぎ払うような裏拳がスコートの脇腹に命中する。
─────────────────────
「チッ!」
レイの攻撃を躱すグレアムの配下は舌打ちをした。
──このガキ相当戦い慣れしてやがる。
男はそう評価すると、レイの冷静な声が響く。
「シューティングアロー」
光は矢のように早く鋭く男の脚にヒットした。
「グッ!」
男はその痛みを堪える。
──さっきから同じところに何回も当ててきやがる。
レイは自分と相手の実力を計った結果、自分と同じくらいの実力の持ち主だと感じとっていた。
長期戦を考えながら、相手にストレスを与える作戦をとる。こんなことが出来るのは、ハルがいるお陰だ。
敵の最高戦力をたった一人で相手をしている。その事を向こうは感じながら戦わなければならない。
その末に出した作戦だった。そうすればいずれ綻ぶ。その揺らぎをレイは待っていた。
「シューティングアロー」
もう一度光の矢が脚に命中した。
「ぐぉ!」
一撃一撃は大したことないが、こう何度も同じ所をやられると堪えきれなくなる。男は脚の痛みを感じながら右ストレートを放つが躱される。素早く右手を引き戻し、今度は左ストレートを放ったが、これも躱される。
レイは左ストレートを躱した後、シューティングアローを男の脚に撃とうとしたその時、
「ここだぁ!」
男はレイの視線が脚にいった瞬間、間合いを詰め、レイにタックルした。倒れるレイ、男は横になったレイの脇腹を両膝でホールドし、マウントポジションをとった状態で殴りかかろうとしたが、
男の胸に光の剣が刺さる。
「ゴボォ…これは…ブラッドベルの……」
男はその場で力なく横になっているレイに覆い被さるようにして倒れる。
レイは男をはねのけ、立ち上がり、スタンに加勢しようとしたが、
「俺のとこはいい!それよりもアイツらんとこ行け!」
男を蹴り飛ばしてスタンは言う。
レイはマリアの元へ行こうとしたその時、
「誰か!!!?助けてくれ!!!」
施設内を響かせる心からの叫びを受け、レイは走った。
─────────────────────
避け続けてるスコートの姿をゼルダは大男越しから見つめていた。
「…すごい……」
大男に疲労が窺える。
一瞬の隙を見てスコートがシューティングアローを唱え、攻撃したが、
「ぜ、全然、痛くないで……」
またも大男の攻撃が続く。
躱し続けていたスコートだが、疲労は、スコートにも訪れる。
脇腹に大男の裏拳を喰らってしまい、倒れた。ゼルダは叫んだ。
「スコート!!」
スコートはもう立てない。
「すばしっこいで?でもこれでおわ終わりだで?」
倒れてるスコートに大男は拳を振り上げ、叩きつけようとしたその時、大男の右目から光の剣の尖端が現れた。
「はへ?」
剣が消えると大男は痙攣しながらその場に倒れた。
スコートは息を整えながら呟く。
「一撃かよ……」
「…この手の奴には目を狙うのが一番効率が良い……」
レイがアドバイスを送る。
「やっぱり、お前には敵わないな……」
スコートは倒れたままゼルダを見やる。ゼルダと目が合った。
「ハハ…俺…格好悪かった…よな?」
安心したせいか、不意に流れる涙で顔をぐしゃぐしゃにしたスコートが言う。
「死地から生還して最初の言葉がそれ?」
ゼルダは呆れるようにして続ける。
「フッ…バカね…そんなの初めから知ってるわ」
「そう…だよな……」
ゼルダはゆっくり立ち上がりスコートの元へ行って抱きしめた。
「ありがとう…スコート…最高に格好良かったよ……」
スコートはゼルダの言葉を聞いてまたも泣き出した。そしてゼルダも。
二人で泣いたのはあの洞窟以来だ。
だが今はあの時のただただ恐怖に怯えていた二人ではない。
──どうすれば倒せる?
HPも残り少ないスコートが再び大男に剣を構える。
「……連撃!」
折れた剣で二回の連続攻撃を仕掛けるが、その剣技は只の打撃技へと成り下がり、ダメージを与えられない。
「無駄だで?もう効かないで?お前は僕より弱いで?」
◆ ◆ ◆ ◆
「強くなれ!」
「どうして逃げるんだ!?」
「お前は騎士爵の息子なんだぞ!?」
あんなに嫌いだった訓練を自ら進んでしたのは、ゼルダの泣き顔を見たからだった。
洞窟内を彷徨っていた俺達は、お互いの頼りない手を繋いでいた。
その時の俺は泣いてばかりだった。
格好悪くて、ダサい。
ゼルダは強くて逞しくて美しかった。そんな彼女に甘えてばかりいた。
洞窟内で泣いていた俺をいつものように彼女は宥めてくれると思っていた、彼女が導いてくれると思っていた。しかし彼女は俺と一緒になって泣き出した。当時の俺は驚いた。
今思えば、出口のわからない、暗い洞窟は子供にとって恐怖を感じるのは当然だろう。
彼女の涙を見てとても苦しくなった。その原因を作ったのは他でもない俺だった。もう二度と彼女の前で情けない姿を晒さない!強い男になる!
勇敢な。誰もが認める強い男に。
しかし、同い年のレイ・ブラッドベルが俺の前に立ちはだかる。そしてあの庶民。ハル・ミナミノも……
◆ ◆ ◆ ◆
今こうして、大男を前にしてスコートの中で封じ込めていたこと。
──俺は……
見てみぬふりをしていたこと。
──俺は……
スコートはその事実を直視した。
──俺は…弱い……
あの時からずっと強がっていたスコートは叫び出した。
「誰か!!!?助けてくれ!!!」
助けを求め大声を出すスコート。知らない内に涙を流していた。
「なんだで?泣きながら助けを呼ぶなんて、格好悪いで?彼女もそんな男よりも、強い僕の方がきっと、好きになるで?」
大男はゼルダを一瞥してから、スコートに向かっていった。
ゼルダはスコートの言葉に驚いていた。そして先程まで大男に握り潰されそうになった痛みを感じながら呟く。
「スコート……」
大男は持っているハサミで攻撃を繰り出した。
それをギリギリで躱すスコート。
今度はハサミを持っていない手でスコートを捕らえようとするが、それもスコートは躱す。
「逃げてばかり、なんか卑怯だで?格好悪いで?」
その言葉を聞いたスコートは少しだけ笑った。
──よく言われた言葉だ……
『やーいやーい弱虫スコート』
──だけど……
『騎士道に反することはするな!』
──だけど……
『最後まで剣を握って戦え!逃げるな!卑怯者が!』
──だけど!!
「彼女を…ゼルダを守れるなら……」
スコートは大男を涙で濡れた目で見据えながら言った。
「俺は卑怯者で構わない!!」
ピコン
限界を突破しました。
ピコン
新しいスキル『見切り』を習得しました。
スコートは頭の中で声が聞こえたような気がした。そんなことよりも大男の繰り出す攻撃を躱し続ける。
しかし、
「はぁはぁはぁ……」
大男の薙ぎ払うような裏拳がスコートの脇腹に命中する。
─────────────────────
「チッ!」
レイの攻撃を躱すグレアムの配下は舌打ちをした。
──このガキ相当戦い慣れしてやがる。
男はそう評価すると、レイの冷静な声が響く。
「シューティングアロー」
光は矢のように早く鋭く男の脚にヒットした。
「グッ!」
男はその痛みを堪える。
──さっきから同じところに何回も当ててきやがる。
レイは自分と相手の実力を計った結果、自分と同じくらいの実力の持ち主だと感じとっていた。
長期戦を考えながら、相手にストレスを与える作戦をとる。こんなことが出来るのは、ハルがいるお陰だ。
敵の最高戦力をたった一人で相手をしている。その事を向こうは感じながら戦わなければならない。
その末に出した作戦だった。そうすればいずれ綻ぶ。その揺らぎをレイは待っていた。
「シューティングアロー」
もう一度光の矢が脚に命中した。
「ぐぉ!」
一撃一撃は大したことないが、こう何度も同じ所をやられると堪えきれなくなる。男は脚の痛みを感じながら右ストレートを放つが躱される。素早く右手を引き戻し、今度は左ストレートを放ったが、これも躱される。
レイは左ストレートを躱した後、シューティングアローを男の脚に撃とうとしたその時、
「ここだぁ!」
男はレイの視線が脚にいった瞬間、間合いを詰め、レイにタックルした。倒れるレイ、男は横になったレイの脇腹を両膝でホールドし、マウントポジションをとった状態で殴りかかろうとしたが、
男の胸に光の剣が刺さる。
「ゴボォ…これは…ブラッドベルの……」
男はその場で力なく横になっているレイに覆い被さるようにして倒れる。
レイは男をはねのけ、立ち上がり、スタンに加勢しようとしたが、
「俺のとこはいい!それよりもアイツらんとこ行け!」
男を蹴り飛ばしてスタンは言う。
レイはマリアの元へ行こうとしたその時、
「誰か!!!?助けてくれ!!!」
施設内を響かせる心からの叫びを受け、レイは走った。
─────────────────────
避け続けてるスコートの姿をゼルダは大男越しから見つめていた。
「…すごい……」
大男に疲労が窺える。
一瞬の隙を見てスコートがシューティングアローを唱え、攻撃したが、
「ぜ、全然、痛くないで……」
またも大男の攻撃が続く。
躱し続けていたスコートだが、疲労は、スコートにも訪れる。
脇腹に大男の裏拳を喰らってしまい、倒れた。ゼルダは叫んだ。
「スコート!!」
スコートはもう立てない。
「すばしっこいで?でもこれでおわ終わりだで?」
倒れてるスコートに大男は拳を振り上げ、叩きつけようとしたその時、大男の右目から光の剣の尖端が現れた。
「はへ?」
剣が消えると大男は痙攣しながらその場に倒れた。
スコートは息を整えながら呟く。
「一撃かよ……」
「…この手の奴には目を狙うのが一番効率が良い……」
レイがアドバイスを送る。
「やっぱり、お前には敵わないな……」
スコートは倒れたままゼルダを見やる。ゼルダと目が合った。
「ハハ…俺…格好悪かった…よな?」
安心したせいか、不意に流れる涙で顔をぐしゃぐしゃにしたスコートが言う。
「死地から生還して最初の言葉がそれ?」
ゼルダは呆れるようにして続ける。
「フッ…バカね…そんなの初めから知ってるわ」
「そう…だよな……」
ゼルダはゆっくり立ち上がりスコートの元へ行って抱きしめた。
「ありがとう…スコート…最高に格好良かったよ……」
スコートはゼルダの言葉を聞いてまたも泣き出した。そしてゼルダも。
二人で泣いたのはあの洞窟以来だ。
だが今はあの時のただただ恐怖に怯えていた二人ではない。
10
あなたにおすすめの小説
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
社畜をクビになった俺のスキルは「根回し」だけど、異世界では世界最強の裏方でした
cotonoha garden
ファンタジー
派手な攻撃魔法も、伝説級のチートもない。
社畜生活で身につけたのは、会議前の根回しと、空気を読みながら人と人をつなぐ段取り力――そして異世界で手に入れたスキルもまた、「根回し」だけだった。
『社畜の俺がもらったスキルは「根回し」だけど、なぜか世界最強らしい』は、
・追放・異世界転移ものが好き
・けれどただのざまぁで終わる話では物足りない
・裏方の仕事や調整役のしんどさに心当たりがある
そんな読者に向けた、“裏方最強”系ファンタジーです。
主人公は最初から最強ではありません。
「自分なんて代わりがきく」と思い込み、表舞台に立つ勇気を持てないままクビになった男が、異世界で「人と人をつなぐこと」の価値に向き合い、自分の仕事と存在を肯定していく物語です。
ギルド、ステータス、各国の思惑――テンプレ的な異世界要素の裏側で、
一言の声かけや、さりげない段取りが誰かの人生と戦争の行方を変えていく。
最後には、主人公が「もう誰かの歯車ではなく、自分で選んだ居場所」に立つ姿を、少しじんわりしながら見届けられるはずです。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる