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第4章
24.蜂蜜のような甘さ
しおりを挟む「ライオス殿下って意外に優しいんですね」
フフッと思わず笑うと、それに気がついたライオス殿下がムッとした表情をして見下ろしてきた。
「意外にとはなんだ。俺様はいつも優しいぞ」
「フフッ、優しい人が無理矢理キスをしてきますか?」
「それはあれだ。俺の嗜虐心を刺激するお前が悪い。そのキスしたくなる唇を塞いで、甘い声を出させたくなるんだからな」
こんな感じにな。と、小さく呟いたかと思うと顎をクイッと上に向けられ、形の良い唇がまたユーナの唇を塞いだ。少しシットリした唇が、ちゅぷりと卑猥な音を立ててユーナの下唇を食む。
チュッと吸い上げては、唇で挟んでハムハムと甘噛みをして、飴を舐めるようにペロリと唇の味を味わっていく。
ユーナは抱きしめられていた腕をほどこうとバタバタもがくが、余計に離さないとばかりに腰に回す腕に力が入った。
「…んぁッ……アッ……ぃや!」
離してくれと抗議をしようと口を開いたが、開いた口から漏れるのは自分の甲高い喘ぎ声だけだった。感じたこともない甘い刺激に、また直ぐに体に熱が戻るのは仕方の無いことだった。頭がトロンッと溶けるように熱い。あぁ、俺はどうしてしまったんだろう。
「甘いな。蜂蜜のように甘くてうまい。なぁ、ユーナ。唇だけでこんなに甘いんだ、お前の口の中はきっと更に甘いに違いない。ほら、口を開けて?気持ちいい時くらい、辛いことなんて忘れてしまえ」
本当に蜂蜜のように甘い。体も頭も熱くて、何も考えられない。またそっと触れるだけのキスをしたかと思うと、ヌルリとした温かい舌がトントン、と唇を割り開こうとノックをしてくる。
ベロチュウまでしてなるものか!と固く唇に力を入れて閉ざす。それに気がついたライオス殿下が一回唇を離した。
「強情だね。まあ、それもまた反対にそそるんだけどね?目が潤んでいてとても可愛いよ、ユーナ。男の君には可愛いと言われても嬉しくないのかな?」
クスクスと笑いながら頬笑むライオス殿下の顔は年相応な幼い表情で、とても好きだなっと思った。いつもの不機嫌な顔をしている時の何倍も綺麗で、彼は普段とても損をしているのかもしれない。
「…ッ…そうですね。外見は女なので仕方ないとは思いますが、格好良いといつかは言って貰えるように剣の練習をするのみですね!」
ガッツポーズをし、決意する俺の手を優しく包み込むように重ねて、右耳に内緒話しをするように顔を近づけてきた。
「だけど、喘ぐ君の声はとても男のようには聞こえないくらいに艶めしいよ?」
低音ボイスの良い声が耳を擽り、下半身がズクンと熱い何かがウズく。そして、追い討ちをかけるように、耳にジュプリと熱い舌が侵入してきた。
「ふぁッ…!?」
体の全てを犯されたようなゾクリとした快感が全身を走る。初めて味わう感覚に、ユーナは翻弄されていく。
耳から伝わる舌の熱さが想像以上に熱くて、その熱さがまた快感へと変換される不思議な感覚。ピチャピチャと卑猥な音が耳に鳴り響いて、どんどん思考は蕩けて何も考えれなくなっていく。ジンワリと下半身が濡れたような気がした。
「…ンッ、…もぅ…やめッ…ろ…!」
力の入らない手でライオスの胸板をトンッと叩くが、びくともしない。その間も続く耳への攻撃に、回されていた腕が怪しく動く。下から上に優しく背筋をソロリと撫でられ、耳とは違う新たな快感に体が跳ねる。
「ひゃッ…!?も、むりぃ…ッ…」
初めて味わう快感の連続に足の力が無くなり、座り込みそうになったところをライオス殿下にグッと抱き止められた。
「フフッ。心は男でも、体は素直なくらい女のままだよユーナ。いくら男だと思っても、女の体では男とは力の差も出てくる。こんな風に襲われない為にも、もっと早く武術を身に付けるべきだね」
満面の笑みで告げられた事実は痛いくらいに胸に響いた。いくら抵抗をしたところで、ライオスに対してですら逃げ出せないのなら、暴漢から逃げられる訳がない。
「…ご忠告どうもッ…!でも、なにも実践しなくても良いと思うけど!?」
精一杯の反抗にキッと睨み付ける。
「分かってないな。潤んだ目で睨んだところで、男には逆効果だ。煽ってるのか?」
「んなわけないだろッ…!」
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