異世界からの花嫁(異種族姦ハーレム)

やくも

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31.アルトの部屋とパジャマパーティー

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「優希、俺は今夜ちょっと出るから他の奴のとこ行っていいぞ」

 夕食後、ルーが黒い服に着替えながらそう言う。

「うん?うーん、じゃアルトの部屋に遊びに行こうかな」

 他の人の部屋に行ったことを知られた先日、「僕の所にも来てよー!」と随分ごねられたことを思い出す。

 もしかしてアルトで各部屋コンプリートか?

「そういえば、いつも夕暮れには帰って来いって言われるけど夕暮れから何かあるのか?」

 夜帰った時の怒りようったらなかったし。

「夕暮れから獣達の活動時間になる」
「うん?」
「要するにお前は危ないってことだ。身を守る術がない奴は外に出るな。いいな」
「う、うん…」

「じゃ、準備できたらさっさとアルトのとこ行けよ。おやすみ」

 そう言ってさっさと行ってしまう。
 こっそり後ろをついていこうか、と好奇心が頭をもたげたが、
 好奇心猫を殺す。
 バレた時が怖いのでこのままアルトの部屋に行くことにする。



「ということで遊びに来た」

 ノック音で扉を開いたアルトに説明すると、ぽかんと口を開けてからみるみる慌て顔になり、

「ちょっ!ちょっともーー!!そういうのは来る前に言うでしょっもー!僕寝る準備して、もー!5分待って!」

 そう言ってバタンと扉を閉められた。
 まさかのナイトキャップに星模様のパジャマだとは思わなかったなあ。そしてそれがあんなに似合う男がいるなんて想像もしなかった。

 なんて考えながら玄関前で待つこと15分。

「ふうっ!お、お待たせー!ようこそ!」

 ナイトキャップを外したアルトが出迎えてくれた。あれ可愛かったのに。

 部屋に上がると、玄関マットもラグマットも白のモコモコだった。
 リビングには足の低い雲形テーブルが設置され、大きい羊型クッションや星型の座椅子が置いてある。

 クッションに腰かけようとすると、

「なんでそこ?優希僕の部屋来てよ!着せ替えっこしよう!着せたい服あるんだ~」

 と手を引っ張られる。

「あんまり可愛い男の子いなくて、こういうのやってみたかったんだよねー」

 かわ、いい、おとこ、のこ?

「その言葉については修正を求める」
「はいはい優希はかっこいいかっこいい。でさー、僕これの色違いの黒持っててさー」

 流されただと!?

 これ着ないなら裸で寝て!と脅迫(?)されてしぶしぶ渡されたパジャマを着る。

 丸くカットされた襟はレースがあしらわれ、裾はゴムできゅっと萎まり、キャミソールかというほど長めの……下半ズボンだし……

 なんというか、無心になった。

「やっぱり可愛いー!!優希黒似合うよねー!」
「ははっ」

 考えないぞ俺は。何も考えない。

「ココア飲んで男子会しよー!」

 男子会というパワーワード。なにそれ強い。



 ココアにマシュマロを大量投入するアルトを横目に淹れたてのココアを手にリビングの座椅子に腰掛ける。

「そういえば優希はこっち来てもう1週間経ったけど聞きたいこととかあるー?」
「うーん……ああ、あれ、ルーが時々尻尾出たり耳出したりする理由が知りたい。教えてくれないし」
「え!?優希何したの!?」

 アルトが驚愕の表情でこちらを見る。思ったより食いつかれてびっくりだよ。

「獣人が1部変化解いちゃうなんてよっぽど怒ったりとか、感情が乱れた時だけだよー!」

 なるほど……なるほど。確かにどの場面もすごく怒ってたような。

「じゃあ全身狼になるのは?」
「ああ~それは全面信頼の証。優希よっぽど愛されてるんだね」

 ふふっと微笑ましそうに笑われてしまう。
 ちょっと照れくさくてココアを煽る。
「あっぢっ」
 火傷した。

「も~気をつけてね。じゃあ今のとこ知りたいのはそれくらい?」
「ふー、ふー、そうだな……あっあと、ルーが今日どこへ行ったかとか?」
「獣の集会じゃないの?あふっ」

 そのマシュマロって掬って食うもんなんだ。

「お互いのナワバリのこと報告しあったり?牽制したり?肉食獣って大変だよねー。僕草食獣だから分かんないけど」

 今食ってるそのマシュマロは草か?草なのか?

「んーっあまーい!あっそうだ、優希トランプしよー!」

 ババ抜き、七並べ、大富豪(これはルールを俺が教えた)、久々にはしゃいで夜は更けていく。
 規そうしていつの間にかアルトと俺はモフモフなラグの上で寝落ちていたのだった。



 その日、ルーは姿を消した。
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