楽しいスライム生活 ~お気楽スライムはスライム生を謳歌したい~

杜本

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第一章

10.もぐもぐスライム

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 んー、鉱石か薬草……鉱石か薬草……無いなぁ……。

 ――ぽいん、ぽいん、ぽいん

 ボクは役に立ちそうな物を探して、ダンジョンを三度《みたび》探索中だ。
 でもお目当ての物は一向に見つからない。

 それも仕方ないのか……なんたってここ、人が作った場所っぽいもんね。
 天然物なんて、そう都合よく落ちてないよねぇ……。
 こんな時、ゲームのダンジョンなら道端に落ちてたり宝箱に入ってたりするのにな~。

 って、そんな都合の良い物があるわけ……

 ……あったーっ?!

 突き当りの小部屋に、いかにも宝箱っぽい古びた箱が置いてある!
 そうそう、こういうのですよこういうのっ!
 早速チェックだチェックだ!

 ――ぽいんぽいんぽいんぽいんっ

 ほほー、これはなかなか……小さいけれども味わいのある宝箱ですな~、うんうん。
 ……でもこれ、開けてもいいの?
 思わず駆け寄ったけど、めちゃくちゃ怪しいよね?
 毒が吹き出しちゃうとか? 人間が来ちゃうとか?

 ええーい、悩んでも仕方ない! 開けちゃえっ!

 ――ぱかっ!

 >ちゃららーん♪
 >スライム は やくそう? をてにいれた!
 >スライム は こうせき? をてにいれた!

 や、やったー! ホントにお宝が入ってたー!
 えっ、っていうかホントにどういう仕組み? なんでこんな場所に置いてあるの?
 ダンジョンさんの良心? 落とし物ボックス?

 あ……ちょっと思い出してきた。
 えーと、ダンジョンはモンスターの一種で……あの手この手で他のモンスターや人間を誘い込んで自分の栄養にする、だったっけな?
 蟻地獄みたいな生態っぽい。
 そうだそうだ、きっと宝箱は人間向けのエサなんだ!
 うーん、よく出来てるなぁ。

 それにしてもボクの知識って、よくよく考えないと出てこない時あるよね。
 どうにも自分の記憶《・・》って感じがしないなぁ。
 知ってるだけマシだけど……もうちょっと早く思い出して欲しいもんだよ!

 まぁ、と・り・あ・え・ず♪
 ゲットしたお宝をいただいちゃいましょー! いえーい♪

 ――ぽにょん……ぐもももも……

 >ちゃららっちゃらーん♪
 >スライム は たいりょく が 1 あがった!
 >スライム は かたさ が 1 あがった!

 うーん……なんとなく体が調子良い、かな?
 もしかしたらプラシーボ的なやつかもしれない。
 あ、でも、強い体当たりができそうな気がする! たぶん!
 よしよし、試してみようじゃないか。
 とりあえず宝箱相手にでも練習だ。

 ぐぐーっと力を込めて……えいやっ!

 ――ごぼいんっ!

 おおっ、いつもより重そうな音がしたぞ!
 体当たりの時、自分の体が固くなって角ばった感触がしたし、ダメージアップしてそう。
 鉱石を食べたから体を固くできるようになった、って感じなのかな?
 そう考えたらスライムの体って良いかもしれない。
 固くなれば防御にも攻撃にも活かせるもんね~♪
 |一挙両得、一石二鳥!

 この調子で吸収していけばスライム以外のモンスターも倒せるかもしれない。
 スライムの次に弱そうなやつだと、ラットやワームかなぁ?
 ちょっとずつだけど地道にLv上げと身体強化を図ろう。
 千里の道も一歩から、ってね!

 よぉーし! お宝集め、がんばるぞー!!
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