楽しいスライム生活 ~お気楽スライムはスライム生を謳歌したい~

杜本

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第一章

20.子育てスライム

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『ふい~、ここら辺まで来たら大丈夫かな?』

「う、うん」

 ボクは今、フェリに抱えられて町の広場まで来ていた。
 なぜ抱えられてるのかっていうと、スライムがダッシュで跳ねてたら目立つから。
 しかもフェリに抱えられることによって、ボクが安全なスライムであることのアピールになる。
 更にフェリも、モンスターを抱えることによって変な輩から声を掛けられないで済む。
 一石三鳥である! ふはははは!

『さて、これからどうしよっかー?』

「どう……?」

『ほら、ボクが一緒にいるっていっても、ボクスライムだからさ。フェリがちゃんと生活できるようにしてあげたいところなんだけど、ボク弱いし、他の人間と話せないし、お金も家も無いし。どうやって生計立てようかなーって』

「せいけい……」

『要するに、どうやってお金を稼いで、暮らす場所を手に入れるかってことね!』

「うん、お金と居場所、必要だと思う……」

『だよね!』

 ――ぽいんぽいん!

 まずはお金かなぁ。
 ボクは何でも食べられるし、ほとんど疲れないし、一人なら逃げるのもカンタン。
 でも今はフェリと一緒だ。
 なら、ちゃんと町で生きる方法を考えなきゃいけないよね。

 といっても、ブラックスライムになって便利なスキルを覚えたけど、しょせんボクはスライム。
 これでモンスターを狩りまくれるわけでもない。
 スライムのボクが仕事に就けるわけもないし、フェリだって幼すぎて雇ってくれるところを探すのは大変だろうしなぁ……。

 ん、待てよ?
 二人セットなら……アリかもしれない!

『ねぇ、フェリ。冒険者登録しよっか!』

「ぼうけん者……モンスターとか、かる?」

『直接はあんまり倒せないかも。でも他にも細々こまごまとした依頼クエストもあるし、ボクたちでも出来るものがあると思う。何より、「魔物遣いテイマー」としての身分証がもらえるよ!』

「テイマーって、マモノを使う人……? ぼく、使えないよ……?」

『ボクがいるじゃーん! ボクってば、冒険者の間じゃとっても重宝されるスライムなんだからねっ♪』

 ――ぷるるるんっ

 そう、ボクが考えた作戦は、フェリをテイマーとして冒険者に登録して、ボクがブラックスライム(荷物持ち)として働くというものだ。
 いわゆるポーターってやつだね。
 戦闘では役に立たないけど、荷物持ちだけでも需要がある……はず!
 少なくとも、子供が一人で働いたりスライムが一匹で狩りをするよりは、実入りが良いはずだよね。

 それに、ちょっとずつでも実績を積めば、いつかフェリが一人立ちすることもできるかもしれないしね。
 ボクは子供の将来をちゃーんと考える、かしこき親スライムなのだ!

「ニイムは、ぼく使ってないよ? ニイムは……友、達……?」

 そこ疑問符なのねっ!
 いやまぁ、お互いがお互いの保護者のような、ビミョーな関係だけどさぁ~。

『そこは、えーと……ボクらのことを他の人にも分かりやすくするため、かな? テイマーとその従魔じゅうまってことにしておいたら、他の人たちがすぐ納得して安心してくれる。色んなことがスムーズになるよ!』

「そう、なんだ……。じゃあ、それでも良い」

『ようっし! じゃあ冒険者ギルドに行って登録しよう。たぶん、登録自体はボクたちでもできるはずだから』

「ん、わかった」
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