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第一章
25.年齢不詳のスライム
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「……おはよう、ニイム」
『ふわぁ~、おはよーフェリ~』
あれから随分と長いこと、リーリオのお喋りに付き合った。
おかげで寝起きのフェリより、ボクの方が気だる~くなっちゃってるよ。
まぁ、リーリオとのお喋りはボクも楽しいからいいんだけどさ。
「朝ごはん食べて、すぐギルド行く……?」
『そうしよ! 今日は良いクエストがあるといいねー』
「うん。今日こそ、がんばる……!」
おおっ、フェリさん燃えてますね!
ボクも荷物出したり入れたり、頑張るよー!
***
「う~ん、ブラックスライムを活かせそうな仕事は……無いわねぇ」
「えっ……」
『えー! そんなぁ、一個も無いのー?!』
「運送系はどうしてもね、速さも必要になるから……」
フェリに抱えられながら抗議もしてみたけど、ムダみたいだった。
ギルドのお姉さんも申し訳なさそうにしてる……。
最初は運搬系、町の中でできそうな資材運びなんかをしようと思ったんだけど、ブラックスライムじゃ効率が悪いっていうんでNGだった。
大きいものでも収納はできるんだけど、時間がかかるんだよね。
それなら普通に力のある大人を雇った方が早いから、ってことになっちゃった。
そしたら配達なんかの運送系の仕事はどうかなって思ったけど、これもやっぱりNG。
小さいものなら収納するのは速いけど、移動手段が歩くか走るしかないボクたちじゃ結果的に遅くなっちゃう。
これもやっぱり、普通の大人の方が……だよねぇ。
「ごめんね、今の条件だとギルドが直接クエストを紹介するのは難しいと思うわ。ブラックスライムは、冒険者からの需要は高いんだけどね……」
「そう、ですか……」
「パーティーメンバー募集の方を見に行ってみたらどうかしら? そっちも難しいかもしれないけど……ここよりはまだマシかもしれないわ」
「……じゃあ、そっちに行って、みます」
「頑張ってね」
「はい……ありがとうございました」
そう言って、受付カウンターをトボトボと離れていくフェリ……。
うわぁぁん! ごめんよフェリ~!
お父さんが……お父さんが不甲斐ないばっかりに~!
『ごめんねフェリ~! ボク偉そうなこと言ったのに、全然役に立てないみたい!』
「そ、そんなことないよ。ニイムは、すごいよ。ぼくが……まだ、子供だから……」
『いや、年なんてフェリのせいじゃないから! むしろ子供がのんびりのびのび育つ環境を作るのは、大人であるボクの役目なんだから!』
「…………ニイムって……大人なの?」
あれっ。
言われてみれば……ボク、大人なのかな?
スライム生で言えば、まだ生後数日……?
あ、でも目が覚める前も、スライムとしては生きてたんだよね。自分の意識が無かっただけで。
それに前世の記憶っぽいものがある場合って、精神年齢的にどうなんだろ。
前世の年も覚えてないけど……。
んー……。
実年齢不詳、精神年齢不詳……だね?
『……よく分かんなかった』
「そ、そっか……」
『いやでもほら、知識的には大人っていうか、気分はお父さんっていうか?』
「おとう、さん……?」
『あっ、でもボク、性別も分かんないから(仮)なんだけど。もしかしたら、お母さんかもしれないんだけど』
「お、おかあ、さん…………」
おや、ボクを抱っこしてるフェリの腕がプルプルしてる。
あっ、もしかしてホントのお父さんとお母さんを思い出しちゃった?
どうしよう、泣いてる?!
『フェリ、フェリっ! 今はボクがいるからさぁ~、大丈夫だよぉ~』
――ぽみっぽみっぽみっ
「ふ、ふふ……」
ん? 笑ってる?
『ふわぁ~、おはよーフェリ~』
あれから随分と長いこと、リーリオのお喋りに付き合った。
おかげで寝起きのフェリより、ボクの方が気だる~くなっちゃってるよ。
まぁ、リーリオとのお喋りはボクも楽しいからいいんだけどさ。
「朝ごはん食べて、すぐギルド行く……?」
『そうしよ! 今日は良いクエストがあるといいねー』
「うん。今日こそ、がんばる……!」
おおっ、フェリさん燃えてますね!
ボクも荷物出したり入れたり、頑張るよー!
***
「う~ん、ブラックスライムを活かせそうな仕事は……無いわねぇ」
「えっ……」
『えー! そんなぁ、一個も無いのー?!』
「運送系はどうしてもね、速さも必要になるから……」
フェリに抱えられながら抗議もしてみたけど、ムダみたいだった。
ギルドのお姉さんも申し訳なさそうにしてる……。
最初は運搬系、町の中でできそうな資材運びなんかをしようと思ったんだけど、ブラックスライムじゃ効率が悪いっていうんでNGだった。
大きいものでも収納はできるんだけど、時間がかかるんだよね。
それなら普通に力のある大人を雇った方が早いから、ってことになっちゃった。
そしたら配達なんかの運送系の仕事はどうかなって思ったけど、これもやっぱりNG。
小さいものなら収納するのは速いけど、移動手段が歩くか走るしかないボクたちじゃ結果的に遅くなっちゃう。
これもやっぱり、普通の大人の方が……だよねぇ。
「ごめんね、今の条件だとギルドが直接クエストを紹介するのは難しいと思うわ。ブラックスライムは、冒険者からの需要は高いんだけどね……」
「そう、ですか……」
「パーティーメンバー募集の方を見に行ってみたらどうかしら? そっちも難しいかもしれないけど……ここよりはまだマシかもしれないわ」
「……じゃあ、そっちに行って、みます」
「頑張ってね」
「はい……ありがとうございました」
そう言って、受付カウンターをトボトボと離れていくフェリ……。
うわぁぁん! ごめんよフェリ~!
お父さんが……お父さんが不甲斐ないばっかりに~!
『ごめんねフェリ~! ボク偉そうなこと言ったのに、全然役に立てないみたい!』
「そ、そんなことないよ。ニイムは、すごいよ。ぼくが……まだ、子供だから……」
『いや、年なんてフェリのせいじゃないから! むしろ子供がのんびりのびのび育つ環境を作るのは、大人であるボクの役目なんだから!』
「…………ニイムって……大人なの?」
あれっ。
言われてみれば……ボク、大人なのかな?
スライム生で言えば、まだ生後数日……?
あ、でも目が覚める前も、スライムとしては生きてたんだよね。自分の意識が無かっただけで。
それに前世の記憶っぽいものがある場合って、精神年齢的にどうなんだろ。
前世の年も覚えてないけど……。
んー……。
実年齢不詳、精神年齢不詳……だね?
『……よく分かんなかった』
「そ、そっか……」
『いやでもほら、知識的には大人っていうか、気分はお父さんっていうか?』
「おとう、さん……?」
『あっ、でもボク、性別も分かんないから(仮)なんだけど。もしかしたら、お母さんかもしれないんだけど』
「お、おかあ、さん…………」
おや、ボクを抱っこしてるフェリの腕がプルプルしてる。
あっ、もしかしてホントのお父さんとお母さんを思い出しちゃった?
どうしよう、泣いてる?!
『フェリ、フェリっ! 今はボクがいるからさぁ~、大丈夫だよぉ~』
――ぽみっぽみっぽみっ
「ふ、ふふ……」
ん? 笑ってる?
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