楽しいスライム生活 ~お気楽スライムはスライム生を謳歌したい~

杜本

文字の大きさ
51 / 58
第二章

14.セカンドエボリューション・スライム

しおりを挟む
 ――ぷるるるるるるる…………ぽるーんっ!

 >ぱららっぱっぱぱーん♪
 >スライム は シャドウスライム にしんかした!
 >スキル かげわたり をおぼえた!

 おおっ、上手いこと進化できたぞ!

『わーい、進化したよー! ねぇねぇ、ボクどんなのになった?!』

 どう? どう?
 新しいボク、カッコ良いかなっ!

「……?」

「おい、アレって何か変わってんのか?」

「わかんない……」

「よく見れば何かが違う……と、思うんだけどなぁ……?」

 ええっ?! 誰も差がわかんないレベルなの?!
 もしかして進化した気がしただけで、ホントは進化できてなかったり?!

 こ、こうなったら鑑定士リーリオを呼ぶしか……!

「少し色が濃くなったな。あと体表にもやのようなものが出ている」

『えっ! アイン、ほんと?!』

 さすがボクのストーカー第二号、しっかり見てるね!

「おお、言われてみればそんな感じがするな」

「びっみょーだなぁ、オイ……」

「で、でも進化したのは確かなんだよね? 良かったじゃない!」

「ニイム……おめでとう!」

『ありがと~♪』

 あ~良かった、ちゃんと進化できてたぁ!

 っていうかモヤって何?
 ボクってば何を発生させてるの?

 やっぱりリーリオに聞いておこうかな……。

『リーリオ~、ボクって何になった~? このモヤってるの、大丈夫なやつ?』

『おめでとーございまーす!』

 ――パパパァーンッ!

 今度はクラッカーですか……。
 しかもバズーカみたいなでっかいやつ!
 さすがに用意が良いねぇ、ホント。

『今度はシャドウスライムですね。もやに見えるのは影のゆらぎ。実体は無く、もちろん害もありませんのでご安心を』

『なるほど、これって影だったのかぁ……』

『進化によって新しいスキルも獲得していますよ。「影渡り」といって、影から影へ移動できるスキルです。ただし、移動先は近くの影かあらかじめ登録しておいた影のみで、移動対象は自分一人です』

『おおー! すっごく便利そう!』

 近くの影に移動するのは戦う時に使えそうだ。
 背後の影からシュシュッと出てきて攻撃を仕掛けるボク……。
 むふふふ、アサシンみたいだ! カッコイイ!

 あと、記憶しておいたら遠くの影にも行けるんだよね。
 冒険帰りとか楽そうだけど……ボク一人で帰ってもなぁ。
 まぁ、緊急の時なんかには役に立つか!

 これって、かなり希望通りの進化ができたんじゃない?!
 みんなの影を登録しておけばいつでも側に行けるもんね!
 しかも強くなってカッコ良くなって……。

 ……って、肝心の『記憶』がまだだー!!

 アインのことや前のボクが考えてたこと、全然思い出せてない!
 一番大事なとこがダメだったよー!
 
 い、いや、今からでも思い出せるかも?!
 進化の余韻よいんがある内に……頑張れボクっ!

 うーん、うーん、うーん……!


 ……あっ……思い出せそう、かも……?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【12月末日公開終了】これは裏切りですか?

たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。 だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。 そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件

言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」 ──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。 だが彼は思った。 「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」 そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら…… 気づけば村が巨大都市になっていた。 農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。 「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」 一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前! 慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが…… 「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」 もはや世界最強の領主となったレオンは、 「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、 今日ものんびり温泉につかるのだった。 ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!

処理中です...