7 / 41
境界線とルール
7
しおりを挟む
ほとんどの生徒が帰ってしまった放課後、私の目の前にいるべき鈴はどこかに姿を消していて、代わりに藤原さんと平野さんがいた。
「今日、柴田さんと一緒じゃないの?」
私の一つ前の席に腰掛けた藤原さんが体をこちらに向け、声をかけてくる。窓枠に背中を預けていた平野さんも、「最近、仲良いよね」と言って笑う。
鈴とセット商品のように扱われると思っていなかった私は、一瞬言葉に詰まる。彼女たちが私の放課後を知っていたという事実にも、戸惑う。だから、誤魔化すような言葉が口から出た。
「いつも一緒にいるわけじゃないよ」
「でも最近、柴田さんと一緒に帰ってるみたいだから」
「まあね」
夕焼けに染まる教室を見回しながら、藤原さんに曖昧な言葉を返す。それは事実を的確に表しているとは言い難い言葉で、まるで喉の奥に魚の骨が刺さったときのような引っかかりを感じたけれど、私はそれ以上は何も言わずにいた。
でも、不確かな言葉は二人を諦めさせるには不十分だったようで、平野さんが食い下がってくる。
「でも、他の人に比べて柴田さんと仲良いよね? 柴田さん、教室でいつも一人なのに鈴木さんとは一緒に帰るから」
「というか、なに考えてるかよくわかんない人だよね。どんな人なの?」
藤原さんも身を乗り出してくる。
「どんな人って……。普通かな」
「普通? そんなことないでしょ。ちょっと変わってるっていうか、近寄りがたいっていうか。ねえ、平野」
「そうそう。一匹狼みたいな。クラスに馴染もうとしてない、というよりは馴染みたくないって感じ」
「確かにそうだけど」
彼女たちの言葉は、クラスメイトからみた鈴のイメージそのものだと思う。私も鈴のことをずっと同じような目で見ていたから、否定はできない。ただ、今は一言付け加えても良いと思う程度には鈴のことを知っていた。
「でも、悪い人じゃないかな」
「そうなんだ。なんで仲が良いの?」
平野さんが好きなミュージシャンの話をするときのように、目を輝かせて尋ねてくる。
私には、二人がそこまで鈴のことを気にする理由がわからない。それでも、ここで何も答えなかったら、余計に二人が私と鈴の関係に興味を持つだろうということくらいはわかる。
「うーん、そうだな」
私は、平野さんを飛び越えて窓の外を見た。
ビルの向こう側に姿を隠そうとしている太陽が、視界を赤銅色に染める。それは、私にあの日を思い起こさせた。
『鈴木さんのことが好きだから、私の恋人になって欲しい』
鈴の台詞が頭の中に響く。
その言葉は現実となり、私は鈴の恋人ということになっている。けれど、そんなことを平野さんに言うわけにはいかない。
「たまたま仲が良いみたいな」
「たまたま?」
「偶然みたいな」
「なにそれ、よくわかんない」
平野さんが不思議そうな顔をして、藤原さんも「まったくわからない」と言って眉根を寄せる。
「うーん。上手く言えないけど、たまたまと偶然が重なって一緒に帰るようになったっていうか。でも、なんで急に柴田さんの話?」
鈴を柴田さんと呼ぶのは、久しぶりだった。藤原さんは私のあやふやな言葉に、「んー」と唸って机を人差し指で弾く。
「いや、意外だなって思って。鈴木さん、いつも一人で帰ってたし、誰かと一緒に帰ったりしないのかと思ってたから」
「ちょっと距離を置いてる感じだったからさ、私たちと。なんか、気になってて」
途中で平野さんが藤原さんの言葉を奪い、最後には二人の視線が私に集まった。
予想外のことに、私は小さく息を吐いた。
二人が鈴のことを気にしているというよりは、私のことを気にしているとは思わなかった。私は、彼女たちも私と同じように当たり障りのない関係を望んでいるのだと考えていたから、こんなときに返す言葉を用意していない。
「距離を置いていたわけじゃなかったんだけど」
口から出たのは、私がずっと抱えていた気持ちとは異なるものだった。有り体に言えば、この場を波風立てずに丸く収めるためのものだ。
ただ、次の言葉が出てこない。
彼女たちと親しくしたくないわけではなかった。でも、他人と深く関わりたくもないという思いもある。
藤原さんも、平野さんも喋らない。
私の言葉を待っている。
だから、選ばなければならない。
次に何を言うのかを。
頭の中を整理しながら息を短く吸って、吐き出す前。
鞄の中で何かが鳴った。
「スマホ?」
平野さんの視線が私の鞄に向く。
「ごめん。ちょっと待って」
机にかけてあった鞄を取り、スマートフォンを確認すると鈴からメールが来ていた。
『今日は先に帰って』
内容は、鈴らしいものだった。
私は要点だけしか書いていないメールに、わかったと返事を送る。
「今のって柴田さん?」
「うん」
藤原さんの言葉に頷くと、平野さんが尋ねてくる。
「そっかあ。……一緒に帰ろうって?」
「ううん。用事があるみたいだから」
「じゃあ、一緒にバス停まで行こうよ」
そう言って、藤原さんが立ち上がる。断る理由もない私は、スマートフォンをしまって鞄を持った。
夕焼け色の教室を後にして、昇降口へ向かう。磨かれて、踏まれて、くすみかけた床が三人分の足音を響かせる。
藤原さんも平野さんも、鈴の話はしない。先生の悪口まではいかないけれど文句のようなものや、格好いい先輩の話だとか。それほど盛り上がらないけれど、そんな話を続けながら歩く。階段を降りて昇降口まで来ると、三年生の集団が下駄箱を前に話し込んでいた。
「そういえば、柴田さんって三年生と仲良いんじゃないの?」
青い上履きと引き換えにローファーを取り出す三年生を横目に、藤原さんが私に問いかけてくる。
「そうなの?」
私は、鈴のことを知っているようで知らない。ほんのわずかに知っていることの中には、三年生と仲が良いなんていう情報はなかった。
「お姉ちゃんに用事があって、三年生の教室に行ったときに見かけたことがあるから。たぶん、三年に知り合いがいるんじゃないかな」
「ああ、藤原のお姉さんってこの学校なんだっけ」
「うん」
すべてを知っている必要はないけれど、私の知らないことを藤原さんが知っているというのはなんだか落ち着かない。そのせいか、二人の言葉は私の頭の中をすり抜けていく。
私は今まで鈴のことをそれほど知りたいと思わなかったから、彼女に私から何かを尋ねたことは数えるほどしかなかった。
今日、一緒に帰れない理由。
それがどんな理由なのか予想できないほど、私は鈴のことを知らなかった。知っていることは、藤原さんや平野さんよりもほんの少し多いだけで、今のように私よりも藤原さんの方が知っていることもある。それは、知らないとほぼ同じことのように思えた。
「今日、柴田さんと一緒じゃないの?」
私の一つ前の席に腰掛けた藤原さんが体をこちらに向け、声をかけてくる。窓枠に背中を預けていた平野さんも、「最近、仲良いよね」と言って笑う。
鈴とセット商品のように扱われると思っていなかった私は、一瞬言葉に詰まる。彼女たちが私の放課後を知っていたという事実にも、戸惑う。だから、誤魔化すような言葉が口から出た。
「いつも一緒にいるわけじゃないよ」
「でも最近、柴田さんと一緒に帰ってるみたいだから」
「まあね」
夕焼けに染まる教室を見回しながら、藤原さんに曖昧な言葉を返す。それは事実を的確に表しているとは言い難い言葉で、まるで喉の奥に魚の骨が刺さったときのような引っかかりを感じたけれど、私はそれ以上は何も言わずにいた。
でも、不確かな言葉は二人を諦めさせるには不十分だったようで、平野さんが食い下がってくる。
「でも、他の人に比べて柴田さんと仲良いよね? 柴田さん、教室でいつも一人なのに鈴木さんとは一緒に帰るから」
「というか、なに考えてるかよくわかんない人だよね。どんな人なの?」
藤原さんも身を乗り出してくる。
「どんな人って……。普通かな」
「普通? そんなことないでしょ。ちょっと変わってるっていうか、近寄りがたいっていうか。ねえ、平野」
「そうそう。一匹狼みたいな。クラスに馴染もうとしてない、というよりは馴染みたくないって感じ」
「確かにそうだけど」
彼女たちの言葉は、クラスメイトからみた鈴のイメージそのものだと思う。私も鈴のことをずっと同じような目で見ていたから、否定はできない。ただ、今は一言付け加えても良いと思う程度には鈴のことを知っていた。
「でも、悪い人じゃないかな」
「そうなんだ。なんで仲が良いの?」
平野さんが好きなミュージシャンの話をするときのように、目を輝かせて尋ねてくる。
私には、二人がそこまで鈴のことを気にする理由がわからない。それでも、ここで何も答えなかったら、余計に二人が私と鈴の関係に興味を持つだろうということくらいはわかる。
「うーん、そうだな」
私は、平野さんを飛び越えて窓の外を見た。
ビルの向こう側に姿を隠そうとしている太陽が、視界を赤銅色に染める。それは、私にあの日を思い起こさせた。
『鈴木さんのことが好きだから、私の恋人になって欲しい』
鈴の台詞が頭の中に響く。
その言葉は現実となり、私は鈴の恋人ということになっている。けれど、そんなことを平野さんに言うわけにはいかない。
「たまたま仲が良いみたいな」
「たまたま?」
「偶然みたいな」
「なにそれ、よくわかんない」
平野さんが不思議そうな顔をして、藤原さんも「まったくわからない」と言って眉根を寄せる。
「うーん。上手く言えないけど、たまたまと偶然が重なって一緒に帰るようになったっていうか。でも、なんで急に柴田さんの話?」
鈴を柴田さんと呼ぶのは、久しぶりだった。藤原さんは私のあやふやな言葉に、「んー」と唸って机を人差し指で弾く。
「いや、意外だなって思って。鈴木さん、いつも一人で帰ってたし、誰かと一緒に帰ったりしないのかと思ってたから」
「ちょっと距離を置いてる感じだったからさ、私たちと。なんか、気になってて」
途中で平野さんが藤原さんの言葉を奪い、最後には二人の視線が私に集まった。
予想外のことに、私は小さく息を吐いた。
二人が鈴のことを気にしているというよりは、私のことを気にしているとは思わなかった。私は、彼女たちも私と同じように当たり障りのない関係を望んでいるのだと考えていたから、こんなときに返す言葉を用意していない。
「距離を置いていたわけじゃなかったんだけど」
口から出たのは、私がずっと抱えていた気持ちとは異なるものだった。有り体に言えば、この場を波風立てずに丸く収めるためのものだ。
ただ、次の言葉が出てこない。
彼女たちと親しくしたくないわけではなかった。でも、他人と深く関わりたくもないという思いもある。
藤原さんも、平野さんも喋らない。
私の言葉を待っている。
だから、選ばなければならない。
次に何を言うのかを。
頭の中を整理しながら息を短く吸って、吐き出す前。
鞄の中で何かが鳴った。
「スマホ?」
平野さんの視線が私の鞄に向く。
「ごめん。ちょっと待って」
机にかけてあった鞄を取り、スマートフォンを確認すると鈴からメールが来ていた。
『今日は先に帰って』
内容は、鈴らしいものだった。
私は要点だけしか書いていないメールに、わかったと返事を送る。
「今のって柴田さん?」
「うん」
藤原さんの言葉に頷くと、平野さんが尋ねてくる。
「そっかあ。……一緒に帰ろうって?」
「ううん。用事があるみたいだから」
「じゃあ、一緒にバス停まで行こうよ」
そう言って、藤原さんが立ち上がる。断る理由もない私は、スマートフォンをしまって鞄を持った。
夕焼け色の教室を後にして、昇降口へ向かう。磨かれて、踏まれて、くすみかけた床が三人分の足音を響かせる。
藤原さんも平野さんも、鈴の話はしない。先生の悪口まではいかないけれど文句のようなものや、格好いい先輩の話だとか。それほど盛り上がらないけれど、そんな話を続けながら歩く。階段を降りて昇降口まで来ると、三年生の集団が下駄箱を前に話し込んでいた。
「そういえば、柴田さんって三年生と仲良いんじゃないの?」
青い上履きと引き換えにローファーを取り出す三年生を横目に、藤原さんが私に問いかけてくる。
「そうなの?」
私は、鈴のことを知っているようで知らない。ほんのわずかに知っていることの中には、三年生と仲が良いなんていう情報はなかった。
「お姉ちゃんに用事があって、三年生の教室に行ったときに見かけたことがあるから。たぶん、三年に知り合いがいるんじゃないかな」
「ああ、藤原のお姉さんってこの学校なんだっけ」
「うん」
すべてを知っている必要はないけれど、私の知らないことを藤原さんが知っているというのはなんだか落ち着かない。そのせいか、二人の言葉は私の頭の中をすり抜けていく。
私は今まで鈴のことをそれほど知りたいと思わなかったから、彼女に私から何かを尋ねたことは数えるほどしかなかった。
今日、一緒に帰れない理由。
それがどんな理由なのか予想できないほど、私は鈴のことを知らなかった。知っていることは、藤原さんや平野さんよりもほんの少し多いだけで、今のように私よりも藤原さんの方が知っていることもある。それは、知らないとほぼ同じことのように思えた。
0
あなたにおすすめの小説
【純愛百合】檸檬色に染まる泉【純愛GL】
里見 亮和
キャラ文芸
”世界で一番美しいと思ってしまった憧れの女性”
女子高生の私が、生まれてはじめて我を忘れて好きになったひと。
雑誌で見つけたたった一枚の写真しか手掛かりがないその女性が……
手なんか届かくはずがなかった憧れの女性が……
いま……私の目の前ににいる。
奇跡的な出会いを果たしてしまった私の人生は、大きく動き出す……
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
嘘をつく唇に優しいキスを
松本ユミ
恋愛
いつだって私は本音を隠して嘘をつくーーー。
桜井麻里奈は優しい同期の新庄湊に恋をした。
だけど、湊には学生時代から付き合っている彼女がいることを知りショックを受ける。
麻里奈はこの恋心が叶わないなら自分の気持ちに嘘をつくからせめて同期として隣で笑い合うことだけは許してほしいと密かに思っていた。
そんなある日、湊が『結婚する』という話を聞いてしまい……。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛
ラヴ KAZU
恋愛
村藤潤一郎
潤一郎は村藤コーポレーションの社長を就任したばかりの二十五歳。
大学卒業後、海外に留学した。
過去の恋愛にトラウマを抱えていた。
そんな時、気になる女性社員と巡り会う。
八神あやか
村藤コーポレーション社員の四十歳。
過去の恋愛にトラウマを抱えて、男性の言葉を信じられない。
恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。
そんな時、バッグを取られ、怪我をして潤一郎のマンションでお世話になる羽目に......
八神あやかは元恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。そんな矢先あやかの勤める村藤コーポレーション社長村藤潤一郎と巡り会う。ある日あやかはバッグを取られ、怪我をする。あやかを放っておけない潤一郎は自分のマンションへ誘った。あやかは優しい潤一郎に惹かれて行くが、会社が倒産の危機にあり、合併先のお嬢さんと婚約すると知る。潤一郎はあやかへの愛を貫こうとするが、あやかは潤一郎の前から姿を消すのであった。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる