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イルカと猫
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「――もしかして、あたしと話しにくい?」
静かに、昔に戻ったみたいな顔をして菜都乃が私を見る。
上手く話せないのは、彼女のせいじゃない。
中学三年の三学期。
菜都乃が私の前から逃げ出した日から、何も変わっていない私のせいだ。人見知りで引っ込み思案な菜都乃を利用して、自分の欲求を満たしていた頃から、私は一歩も前に進んでいない。良い人の振りをすることだけが上手くなっている。
「そうじゃなくて。……ごめんね。私、菜都乃にずっと謝りたかった」
唐突なごめんねが何を指しているのかは、口にしなかった。けれど、それはしっかりと彼女に伝わる。
「ううん、私の方こそごめん。もっと言い方があったと思う」
こんなことは中学を卒業する前に済ませておくことで、今さらするようなことじゃない。でも、遅すぎたとしても、済ませておかなければ、いつまでも見えない壁の前で足踏みしているだけで前に進めなかった。
「もっと早く菜都乃に会って、謝れば良かった」
「あたしも。メールでも何でもいいから、ごめんって言えば良かった」
後悔を滲ませた声は、彼女の中にも中学三年の冬に凍り、溶けずにいた何かがあるのだ伝えてくる。
「でも、時間はかかったけど会えたから良かったと思う」
空気を変えるように、菜都乃が明るい声で言う。そして、ドーナツを一口食べてから、ぴしゃりと言った。
「もう、この話はこれで終わりね」
「わかった」
小さく頷くと、菜都乃が満足げに微笑む。その表情に昔の面影はなく、眩しいくらい明るい顔で身を乗り出してくる。
「晶は、初詣行った?」
「うん」
「友達と?」
無邪気に尋ねられて、なんと答えれば良いのか一瞬迷う。
恋人で彼女で友達。
鈴は、どれにも当てはまる。
「うん、まあ、友達と」
無難な答えを選んで口にすると、菜都乃が眉根を寄せた。
「歯切れが悪いなー。……もしかして恋人と行ったとか?」
「んー」
「違うの?」
「……違わない。一応」
「一応って、なに。一応って。付き合ってないの?」
「付き合ってはいる」
何となく曖昧な答えになるのは、私と鈴の関係が曖昧なまま止まっているからだ。
でも、菜都乃はそれを知らない。
わざわざ知らせる必要もない。
言い切ってしまえば変な誤解を生むことはないとわかっているけれど、先輩という存在が私の言葉を濁らせる。
「……え、遊ばれてるとか、そういう感じなの? もしかして」
「そういうわけじゃないけど」
「晶、大丈夫なの?」
「大丈夫」
たぶん、という言葉は付けずにおく。
「そうだ。写真、ないの? 見せてよ」
問いかけてはいるけれど、恋人の写真があると断定した菜都乃が催促するように手のひらを出してくる。早くと目線でスマートフォンを要求されて、私は鈴と写真を撮ったことがないことに気がついた。
仮に写真があったとしても、鈴の写真を見せていいのかどうかわからない。菜都乃が求めているのは“彼氏”の写真で、“彼女”の写真ではないはずだ。そんな菜都乃に、“彼女”の写真を見せたらどういう反応をするか想像できない。
露骨に嫌な顔をすることはないだろうけれど、菜都乃と会っていなかった長い時間が私を臆病にさせる。
「ないよ」
わざわざ聞かれていないことを言う必要はないと判断して、私は事実だけを告げる。
「嘘ばっかり。あるでしょ、本当は」
「ないって」
「なんで? 普通、写真撮らない?」
「普通撮るんだって言われても、ないものはないから」
「じゃあ、写真撮っておいて」
「考えておく」
「そこは撮っておく、でしょー」
不満しかないといった声で菜都乃が言って、さらに低い声でぶつぶつと文句を付け加える。そして、写真が見られなかった物足りなさを埋めるようにドーナツをぱくりと食べると、真顔になった。
「晶さあ、なんか変な人と付き合ってない?」
「怪しい人じゃないから」
「なんかあるなら、話聞くよ?」
「大丈夫」
怪しくなってきた雲行きに、にこりと笑ってみせると菜都乃が引き下がる。まだ言い足りないといった顔をしているけれど、数年ぶりに会った友人を前に、どこまで踏み込んで良いのか迷っているように見えた。
きっと、当たり障りのない話を振って、会話の方向を無理矢理にでも変えてしまえばこの話はここで終わる。そう思いながらも、私は面倒なことになるかもしれない疑問を口にしてしまう。
「あのさ。菜都乃は、自分が付き合ってる相手を好きだって言う人と仲良くできる?」
「無理じゃない?」
「昔の菜都乃なら、仲良くしそうだけど」
「かも。でも、今は無理だし、仲良くしてくれって言われたら無理だって言うから」
すっぱりと言い切って、菜都乃がじっと私を見る。
「晶は仲良くするの?」
「気は進まないけど」
ドーナツを突きながら答えると、菜都乃が大きなため息を一つつく。そして、たっぷりと間を取ってから、呆れたような口調で言った。
「どうせ、仲良くしてるんでしょ。晶、基本的に人が良いもん」
何となく私が置かれている状況を察したらしい彼女は、眉間に深い皺を刻み、難しそうな顔をすると何か言いたげに口を開いた。でも、何も言わずに口を閉じると、少し迷ってからやけに真剣な目をして言った。
「言うべきことは言った方が良いよ」
深く追求するつもりはないらしく、言葉はそこで区切られる。
「そんなことを菜都乃に言われる日が来るとは思わなかった」
ずっと忠告や助言は私の役目で、菜都乃はそれを聞く側だった。あの頃の私は、立場が逆転する日が来るなんて夢にも思っていなかったから不思議な気分になる。
「私も言ったら、楽になったしね」
菜都乃が内緒話をするように小さく言って、悪戯っぽく笑う。
「そっか」
三学期が始まった日、言うべきことを言った菜都乃は、私よりもずっと前へ進んでいるように見える。
お互い、もっとずっと上手なやり方があったとは思う。
言葉を選ぶことも、その後の行動を変えることもできた。仲違いすることなく、友人として付き合っていく未来もあっただろうし、こんなにも長い時間をかけずに友人に戻る未来もあったはずだ。でも、そうすることができなかった私たちは、今やっと昔のように話をすることができるようになった。
遅くなったけれど、遅すぎるわけじゃないと思う。
私も彼女のように、変わりたい。
「少しは菜都乃を見習おうかな」
「そうしなよ。言いたいこと言っちゃえ」
菜都乃がにやりと笑って、私を見る。それから、唐突に「そうだ」と手を打つと、スマートフォンを鞄から取り出した。
「言いたいことで思い出した。これからLINEで連絡してもいい? メール、面倒でさ」
「ごめん。アプリ消しちゃった」
毎日のように菜都乃とメッセージを交換していたアプリは、中学卒業と同時に削除してそれっきりだ。
「じゃあ、もう一回入れて」
「メールでも良くない?」
「良くない。ほら、スマホだして」
力強く菜都乃が言って、鞄を指さして早くと急かす。
高校に入学してからアプリを必要としたことはないし、私自身そうしたものを遠ざけていた。鈴との連絡もメールで事足りている。そして、彼女は必要以上の連絡を好まない。
ただ、藤原さんと平野さんもアプリをインストールして欲しいと言っていた。ここに菜都乃が加わったことで、私の気持ちがアプリの再インストールに傾く。
無理に断るほどのことでもない。
私は菜都乃の言うがままに、スマートフォンの中にアプリと彼女の連絡先を閉じ込める。試しにと交換したメッセージがお互いに届くと、菜都乃がしみじみと言った。
「晶があたしに世話を焼かれてるなんて、世界が終わるかも」
「今はまだ死にたくないんだけど」
「あたしも。死ぬにしても、ドーナツを食べ終わってからで」
深刻な口調で菜都乃が言って、私は吹き出す。
くすくすと笑い合ってから数十分。
会うことのなかった二年間を凝縮して語り合い、近況を報告し合って店を出る。
「また連絡する。今度は、彼氏連れてきて」
ドーナツ屋の看板の下、菜都乃が私の肩を叩く。
「――彼氏じゃないよ」
迷ったけれど、少しだけ勇気を出す。
「え? 恋人いるって言ったじゃん」
「いるんだけど。……詳しいことは、今度話す。とにかく、電車の時間あるし、もう行くね」
電車は、乗り遅れてもすぐに次がやってくる。
慌てるほどの時間じゃない。
でも、私と鈴の全部を話せるほどの時間はない。それに、菜都乃に話すのは先輩とのことがはっきりしてからでも遅くはないし、彼女に話すにはややこしいことが多すぎる。
私は、「またね」と菜都乃に手を振る。
「ええー! 今、話していきなよ」
「ごめん」
「わかった。絶対また会おうね!」
私の倍くらい大きな声で言って、ぶんっと大きく手を振る菜都乃に背を向ける。そして、私は急いでるみたいに駆けだした。
静かに、昔に戻ったみたいな顔をして菜都乃が私を見る。
上手く話せないのは、彼女のせいじゃない。
中学三年の三学期。
菜都乃が私の前から逃げ出した日から、何も変わっていない私のせいだ。人見知りで引っ込み思案な菜都乃を利用して、自分の欲求を満たしていた頃から、私は一歩も前に進んでいない。良い人の振りをすることだけが上手くなっている。
「そうじゃなくて。……ごめんね。私、菜都乃にずっと謝りたかった」
唐突なごめんねが何を指しているのかは、口にしなかった。けれど、それはしっかりと彼女に伝わる。
「ううん、私の方こそごめん。もっと言い方があったと思う」
こんなことは中学を卒業する前に済ませておくことで、今さらするようなことじゃない。でも、遅すぎたとしても、済ませておかなければ、いつまでも見えない壁の前で足踏みしているだけで前に進めなかった。
「もっと早く菜都乃に会って、謝れば良かった」
「あたしも。メールでも何でもいいから、ごめんって言えば良かった」
後悔を滲ませた声は、彼女の中にも中学三年の冬に凍り、溶けずにいた何かがあるのだ伝えてくる。
「でも、時間はかかったけど会えたから良かったと思う」
空気を変えるように、菜都乃が明るい声で言う。そして、ドーナツを一口食べてから、ぴしゃりと言った。
「もう、この話はこれで終わりね」
「わかった」
小さく頷くと、菜都乃が満足げに微笑む。その表情に昔の面影はなく、眩しいくらい明るい顔で身を乗り出してくる。
「晶は、初詣行った?」
「うん」
「友達と?」
無邪気に尋ねられて、なんと答えれば良いのか一瞬迷う。
恋人で彼女で友達。
鈴は、どれにも当てはまる。
「うん、まあ、友達と」
無難な答えを選んで口にすると、菜都乃が眉根を寄せた。
「歯切れが悪いなー。……もしかして恋人と行ったとか?」
「んー」
「違うの?」
「……違わない。一応」
「一応って、なに。一応って。付き合ってないの?」
「付き合ってはいる」
何となく曖昧な答えになるのは、私と鈴の関係が曖昧なまま止まっているからだ。
でも、菜都乃はそれを知らない。
わざわざ知らせる必要もない。
言い切ってしまえば変な誤解を生むことはないとわかっているけれど、先輩という存在が私の言葉を濁らせる。
「……え、遊ばれてるとか、そういう感じなの? もしかして」
「そういうわけじゃないけど」
「晶、大丈夫なの?」
「大丈夫」
たぶん、という言葉は付けずにおく。
「そうだ。写真、ないの? 見せてよ」
問いかけてはいるけれど、恋人の写真があると断定した菜都乃が催促するように手のひらを出してくる。早くと目線でスマートフォンを要求されて、私は鈴と写真を撮ったことがないことに気がついた。
仮に写真があったとしても、鈴の写真を見せていいのかどうかわからない。菜都乃が求めているのは“彼氏”の写真で、“彼女”の写真ではないはずだ。そんな菜都乃に、“彼女”の写真を見せたらどういう反応をするか想像できない。
露骨に嫌な顔をすることはないだろうけれど、菜都乃と会っていなかった長い時間が私を臆病にさせる。
「ないよ」
わざわざ聞かれていないことを言う必要はないと判断して、私は事実だけを告げる。
「嘘ばっかり。あるでしょ、本当は」
「ないって」
「なんで? 普通、写真撮らない?」
「普通撮るんだって言われても、ないものはないから」
「じゃあ、写真撮っておいて」
「考えておく」
「そこは撮っておく、でしょー」
不満しかないといった声で菜都乃が言って、さらに低い声でぶつぶつと文句を付け加える。そして、写真が見られなかった物足りなさを埋めるようにドーナツをぱくりと食べると、真顔になった。
「晶さあ、なんか変な人と付き合ってない?」
「怪しい人じゃないから」
「なんかあるなら、話聞くよ?」
「大丈夫」
怪しくなってきた雲行きに、にこりと笑ってみせると菜都乃が引き下がる。まだ言い足りないといった顔をしているけれど、数年ぶりに会った友人を前に、どこまで踏み込んで良いのか迷っているように見えた。
きっと、当たり障りのない話を振って、会話の方向を無理矢理にでも変えてしまえばこの話はここで終わる。そう思いながらも、私は面倒なことになるかもしれない疑問を口にしてしまう。
「あのさ。菜都乃は、自分が付き合ってる相手を好きだって言う人と仲良くできる?」
「無理じゃない?」
「昔の菜都乃なら、仲良くしそうだけど」
「かも。でも、今は無理だし、仲良くしてくれって言われたら無理だって言うから」
すっぱりと言い切って、菜都乃がじっと私を見る。
「晶は仲良くするの?」
「気は進まないけど」
ドーナツを突きながら答えると、菜都乃が大きなため息を一つつく。そして、たっぷりと間を取ってから、呆れたような口調で言った。
「どうせ、仲良くしてるんでしょ。晶、基本的に人が良いもん」
何となく私が置かれている状況を察したらしい彼女は、眉間に深い皺を刻み、難しそうな顔をすると何か言いたげに口を開いた。でも、何も言わずに口を閉じると、少し迷ってからやけに真剣な目をして言った。
「言うべきことは言った方が良いよ」
深く追求するつもりはないらしく、言葉はそこで区切られる。
「そんなことを菜都乃に言われる日が来るとは思わなかった」
ずっと忠告や助言は私の役目で、菜都乃はそれを聞く側だった。あの頃の私は、立場が逆転する日が来るなんて夢にも思っていなかったから不思議な気分になる。
「私も言ったら、楽になったしね」
菜都乃が内緒話をするように小さく言って、悪戯っぽく笑う。
「そっか」
三学期が始まった日、言うべきことを言った菜都乃は、私よりもずっと前へ進んでいるように見える。
お互い、もっとずっと上手なやり方があったとは思う。
言葉を選ぶことも、その後の行動を変えることもできた。仲違いすることなく、友人として付き合っていく未来もあっただろうし、こんなにも長い時間をかけずに友人に戻る未来もあったはずだ。でも、そうすることができなかった私たちは、今やっと昔のように話をすることができるようになった。
遅くなったけれど、遅すぎるわけじゃないと思う。
私も彼女のように、変わりたい。
「少しは菜都乃を見習おうかな」
「そうしなよ。言いたいこと言っちゃえ」
菜都乃がにやりと笑って、私を見る。それから、唐突に「そうだ」と手を打つと、スマートフォンを鞄から取り出した。
「言いたいことで思い出した。これからLINEで連絡してもいい? メール、面倒でさ」
「ごめん。アプリ消しちゃった」
毎日のように菜都乃とメッセージを交換していたアプリは、中学卒業と同時に削除してそれっきりだ。
「じゃあ、もう一回入れて」
「メールでも良くない?」
「良くない。ほら、スマホだして」
力強く菜都乃が言って、鞄を指さして早くと急かす。
高校に入学してからアプリを必要としたことはないし、私自身そうしたものを遠ざけていた。鈴との連絡もメールで事足りている。そして、彼女は必要以上の連絡を好まない。
ただ、藤原さんと平野さんもアプリをインストールして欲しいと言っていた。ここに菜都乃が加わったことで、私の気持ちがアプリの再インストールに傾く。
無理に断るほどのことでもない。
私は菜都乃の言うがままに、スマートフォンの中にアプリと彼女の連絡先を閉じ込める。試しにと交換したメッセージがお互いに届くと、菜都乃がしみじみと言った。
「晶があたしに世話を焼かれてるなんて、世界が終わるかも」
「今はまだ死にたくないんだけど」
「あたしも。死ぬにしても、ドーナツを食べ終わってからで」
深刻な口調で菜都乃が言って、私は吹き出す。
くすくすと笑い合ってから数十分。
会うことのなかった二年間を凝縮して語り合い、近況を報告し合って店を出る。
「また連絡する。今度は、彼氏連れてきて」
ドーナツ屋の看板の下、菜都乃が私の肩を叩く。
「――彼氏じゃないよ」
迷ったけれど、少しだけ勇気を出す。
「え? 恋人いるって言ったじゃん」
「いるんだけど。……詳しいことは、今度話す。とにかく、電車の時間あるし、もう行くね」
電車は、乗り遅れてもすぐに次がやってくる。
慌てるほどの時間じゃない。
でも、私と鈴の全部を話せるほどの時間はない。それに、菜都乃に話すのは先輩とのことがはっきりしてからでも遅くはないし、彼女に話すにはややこしいことが多すぎる。
私は、「またね」と菜都乃に手を振る。
「ええー! 今、話していきなよ」
「ごめん」
「わかった。絶対また会おうね!」
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