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第5章 神と天狗と月見うどん
24.対面
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『変わった香りがしますね』
『妖力を高める香でも炊いておるんじゃろう。人間が嗅いでも害はなさそうじゃから安心せい』
私が神様に話し掛けると、彼はいつもと変わらぬ調子で答えた。
天狗に連れられ、廊下の奥まで進むと広い空間に出る。どうやら此処が本堂の中央らしい。
天井からは金色の天蓋が吊るされ、輪灯の明かりを受けて周囲の装飾もキラキラと輝いていた。
『あっ……』
広間の床には、十人程の天狗達が一列に並んで座っていた。いずれも案内をしてくれた天狗とよく似ていたが、一人だけ髭が長く、身体も一回り大きい天狗がいた。彼が親分なのだろうか。
『……失礼します。今日は少し伺いたい事がありまして、此方にお邪魔させていただきました』
天狗達の目が一斉に此方を向き、私はちょっとたじろいでしまう。
『……丁度良かった。我々もお前達に聞きたかったのだ。あの忌々しい狐との関係をな? さあ、そこに座るが良い』
親分ぽい天狗が低く唸るように言った。
『は、はい……』
私が床に腰を下ろそうとすると、床の上に忽然と座布団が現れた。
『わ!』
びっくりして声を上げてしまったが、神様と一ノ瀬さんは、しれっとそれぞれの座布団に座っている。
(何でそんな平然としていられるんだ。私だけ恥ずかしいじゃないか……!)
私がちゃんと正座したところで、親分(仮)は此方に質問してきた。
『神と人間が一緒に暮らしているのも奇妙な話だが、あの子狐はお前の家の近くで拾ったそうじゃな。それで今は一緒に暮らしていると……お前は何故そんな事をするのじゃ?』
私は緊張しつつも、天狗達に説明した。
『妖力を高める香でも炊いておるんじゃろう。人間が嗅いでも害はなさそうじゃから安心せい』
私が神様に話し掛けると、彼はいつもと変わらぬ調子で答えた。
天狗に連れられ、廊下の奥まで進むと広い空間に出る。どうやら此処が本堂の中央らしい。
天井からは金色の天蓋が吊るされ、輪灯の明かりを受けて周囲の装飾もキラキラと輝いていた。
『あっ……』
広間の床には、十人程の天狗達が一列に並んで座っていた。いずれも案内をしてくれた天狗とよく似ていたが、一人だけ髭が長く、身体も一回り大きい天狗がいた。彼が親分なのだろうか。
『……失礼します。今日は少し伺いたい事がありまして、此方にお邪魔させていただきました』
天狗達の目が一斉に此方を向き、私はちょっとたじろいでしまう。
『……丁度良かった。我々もお前達に聞きたかったのだ。あの忌々しい狐との関係をな? さあ、そこに座るが良い』
親分ぽい天狗が低く唸るように言った。
『は、はい……』
私が床に腰を下ろそうとすると、床の上に忽然と座布団が現れた。
『わ!』
びっくりして声を上げてしまったが、神様と一ノ瀬さんは、しれっとそれぞれの座布団に座っている。
(何でそんな平然としていられるんだ。私だけ恥ずかしいじゃないか……!)
私がちゃんと正座したところで、親分(仮)は此方に質問してきた。
『神と人間が一緒に暮らしているのも奇妙な話だが、あの子狐はお前の家の近くで拾ったそうじゃな。それで今は一緒に暮らしていると……お前は何故そんな事をするのじゃ?』
私は緊張しつつも、天狗達に説明した。
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