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第3章 魔王の参謀と花火大会
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目の前に並ぶ、沢山の小さくてカラフルなお菓子やおもちゃ、天井からも様々なものが吊り下がっている。
チープなはずの駄菓子達は、まるで宝の山のように見えた。
(この光景、いくつになってもワクワクするんだよなぁ……)
「わあー!」
「どれにしよう」
双子も目を輝かせている。サマエルはその後ろで、興味深そうに商品を眺めていた。
「今日は二つまで選んで良いぞ」
俺がそう言うと、二人は入念にお菓子を選び始める。
「あら、いらっしゃい」
俺達の声に気が付いて、店の奥から小島さんが顔を出した。
「昨日はありがとうございました」
俺が頭を下げると、おばあさんはぱたぱたと手を振りながら微笑んだ。
「こちらこそ、素敵な花火大会になったわ」
すると、子ども達はようやく決心がついたらしく、俺に欲しい商品をそれぞれ手渡してきた。
うみは捻ったようなピンク色のゼリー棒と、すももを選んだ。そらは四粒入りの小さな箱に入ったソーダガムと、柱に掛けられた束から一枚の板紙を引き抜いた。
「そら、これはお菓子じゃないだろー?」
それは、シートを剥がすと表面に糊のようなものがついている紙で、それを指に塗ってつけたり離したりすると煙のようなものが出てくるおもちゃだった。
子ども騙しなようでいて、実は俺も小さい頃は結構好きで良く遊んでいたので、あまり強く止められない。
「マオびっくりするかなー?」
どうやらこれもマオに見せたいらしい。
「どうだろうな?」
本物の悪魔がこんなおもちゃの仕掛けに騙されはしないだろうが、マオがどんな顔をするかちょっと楽しみだ。
俺達は会計を済ませておばあさんに挨拶すると、やっと家に帰った。暑い中ずっと歩いて来たので汗だくだ。
「ただいまー!」
二階に様子を見に行くと、マオの執務室の前はなんだか空気が淀んでいる。目には見えないが、邪悪な何かが部屋から漏れ出ているようだった。
「私はクラース様のお手伝いをして参ります」
サマエルはそう言って、にこやかに部屋に入っていったが、俺は部屋には入らず彼等の邪魔をしないように双子と遊んで過ごす事にした。
(押入れの奥から探し出さなきゃならないものもあるしな……)
マオは昼食に降りて来た際も、朝より酷い顔でぐったりとした様子だった。
「な、何だか大変そうだな……」
「しばらく留守にしてしまったからな……」
マオは大きな溜息を吐くと、虚な目で俺の茹でた素麺をすすった。
魔王様とサマエルは午後も執務室に閉じこもっていた。
(そろそろ差し入れを持って行ってやるか)
おやつの時間になると、スーパーでうみが選んだ苺のシロップと、帰ってすぐに凍らせた氷をタッパーから取り出した。
探し物はちゃんと押入れの奥から見つかっていた。俺が子どもの頃からあるかき氷機だ。
「ゆきに! もうかちごりつくるの?」
「うみもてつだうー!」
俺達は昨日食べそびれてしまったかき氷を、自分達で手作りする事にしたのだった。
「よーし、もりもり作ってマオに持って行ってやろうぜ」
氷をセットして、交代でゴリゴリとハンドルを回す。水色のかき氷トラックの形をした削り機の中で、まぬけな顔をした人形の首がゆらゆら揺れている。
「思ったより骨が折れるな……」
力を込めて回し続け、やっとガラスの器に山盛り一杯の氷が削れた。
チープなはずの駄菓子達は、まるで宝の山のように見えた。
(この光景、いくつになってもワクワクするんだよなぁ……)
「わあー!」
「どれにしよう」
双子も目を輝かせている。サマエルはその後ろで、興味深そうに商品を眺めていた。
「今日は二つまで選んで良いぞ」
俺がそう言うと、二人は入念にお菓子を選び始める。
「あら、いらっしゃい」
俺達の声に気が付いて、店の奥から小島さんが顔を出した。
「昨日はありがとうございました」
俺が頭を下げると、おばあさんはぱたぱたと手を振りながら微笑んだ。
「こちらこそ、素敵な花火大会になったわ」
すると、子ども達はようやく決心がついたらしく、俺に欲しい商品をそれぞれ手渡してきた。
うみは捻ったようなピンク色のゼリー棒と、すももを選んだ。そらは四粒入りの小さな箱に入ったソーダガムと、柱に掛けられた束から一枚の板紙を引き抜いた。
「そら、これはお菓子じゃないだろー?」
それは、シートを剥がすと表面に糊のようなものがついている紙で、それを指に塗ってつけたり離したりすると煙のようなものが出てくるおもちゃだった。
子ども騙しなようでいて、実は俺も小さい頃は結構好きで良く遊んでいたので、あまり強く止められない。
「マオびっくりするかなー?」
どうやらこれもマオに見せたいらしい。
「どうだろうな?」
本物の悪魔がこんなおもちゃの仕掛けに騙されはしないだろうが、マオがどんな顔をするかちょっと楽しみだ。
俺達は会計を済ませておばあさんに挨拶すると、やっと家に帰った。暑い中ずっと歩いて来たので汗だくだ。
「ただいまー!」
二階に様子を見に行くと、マオの執務室の前はなんだか空気が淀んでいる。目には見えないが、邪悪な何かが部屋から漏れ出ているようだった。
「私はクラース様のお手伝いをして参ります」
サマエルはそう言って、にこやかに部屋に入っていったが、俺は部屋には入らず彼等の邪魔をしないように双子と遊んで過ごす事にした。
(押入れの奥から探し出さなきゃならないものもあるしな……)
マオは昼食に降りて来た際も、朝より酷い顔でぐったりとした様子だった。
「な、何だか大変そうだな……」
「しばらく留守にしてしまったからな……」
マオは大きな溜息を吐くと、虚な目で俺の茹でた素麺をすすった。
魔王様とサマエルは午後も執務室に閉じこもっていた。
(そろそろ差し入れを持って行ってやるか)
おやつの時間になると、スーパーでうみが選んだ苺のシロップと、帰ってすぐに凍らせた氷をタッパーから取り出した。
探し物はちゃんと押入れの奥から見つかっていた。俺が子どもの頃からあるかき氷機だ。
「ゆきに! もうかちごりつくるの?」
「うみもてつだうー!」
俺達は昨日食べそびれてしまったかき氷を、自分達で手作りする事にしたのだった。
「よーし、もりもり作ってマオに持って行ってやろうぜ」
氷をセットして、交代でゴリゴリとハンドルを回す。水色のかき氷トラックの形をした削り機の中で、まぬけな顔をした人形の首がゆらゆら揺れている。
「思ったより骨が折れるな……」
力を込めて回し続け、やっとガラスの器に山盛り一杯の氷が削れた。
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