天い涙

リラン

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会。

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「みんな、席につけよぉー。今日は転入生を紹介する。」
担任の高田がそう言い放つと、クラス全体がざわめき始めた。
転入生なんて、珍しいからな。なんて思っていた矢先。俺は、目を疑った。
「初めまして、イギリスから転校してきました、七瀬 千夏です。
よろしくお願いします。」
転入生が帰国子女だと知り余計にざわつくクラスメイトたち。そのクラスメイトより驚いていたのは俺だ。
なんで、ナツがここに…

「もーびっくりしちゃった、まさかユウと同じクラスになれるなんて。」
「びっくりしたのはこっちのセリフだ。イギリスから帰ってくるなら先に言えよ。」
「ごめんごめん。色々バタバタしてて忙しかったもんでさ。どうせならびっくりさせてあげようと思って。」
「そんで、なんでこんな時期に?」
「あぁ…それは……」
さっきまで笑顔だったナツが困ったような顔をした。
「…ハルちゃんが…亡くなったって……」
「……そうか。」
「ほら…ユウ、葬式こなかったじゃない?もぅ、その時にはこっちに戻ってたのよ。」
「……」
「あぁ、ごめん……なんか、嫌な事思い出させちゃって…」
「こっちこそ悪りぃ…せっかくナツが帰ってきたって言うのに…」
「いいのいいの。…でも、もっと早く日本に帰っていたらよかった…
ハルちゃんにぃ…うっ…もういちど…ハルちゃんにあいたかったよ……」

俺は、泣き出した幼馴染の頭に手を
置き軽く撫でてやった。
「お前は泣けていいなぁ…」
「…えっ?」
俺の言ってる意味がわからないというようにキョトンとした顔をしている。
俺はくしゃくしゃと頭を掻き回すかのように撫で、笑顔をつくり、なんでもねぇよと言って誤魔化した。
ナツは納得のいかないようだったが、そっかと言って涙を拭いた。
元気で泣き虫でいっつも先陣きって偉そうに笑うあのナツがなんだか大人びたように見えた。
遥香に見せてやりたかったな…
今のナツを…
後悔したってどうしようもないことはわかってても、後になればなるほど増えるばかりで…やっぱつらいわ、遥香…俺ってこんなに弱かったんだな…男として最低だわ…俺がこんなんじゃお前も安心して眠れねぇよな。しっかりしないとな。ナツだって、せっかく帰ってきてこれじゃあ不安だろうからな…

ナツが帰ってきてくれたことで俺は少し心の隙間を埋めることができた。徐々にだが、笑う回数が増えてきた。俺の精神状態は少しずついい傾向に傾き初めていた…


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