僕と彼女のリア充ライフ

一条二豆

文字の大きさ
23 / 58
第二章 初デート

第七話 説明を

しおりを挟む
「あー…まあね!」

 双葉は前髪をかき分けながら、堂々と言い放った。
 俺は思わず笑ってしまった。

「まあねってお前…」
「彼氏はいた。でも、好きなのは武野だった」

 チョット、ナニイッテルカヨクワカリマセン。

「その間、付き合ってたやつらは皆好きじゃなかったってことか?」
「まあ…だいたい、あっちが遊びのつもりで告白してくるんだから、こっちも遊びで付き合ってやるよね」
「いや…その中にたぶん、本気のやつだっていたと思うけど…」
「ってか、だからこそ別れたっていうか…全員、その、アレな感じだったから…」
「…ああ」

 そう言われてしまうと、俺としてはなにも言うことができなくなってしまう。今までの人たちは、双葉が嫌がるようななにかをしてくる人たちだったのだろう。双葉が言っていることが本当な保証はないが、嘘を言うやつでもないと思うから、きっと本当のことなんだろうな。

「学生でもそういうのあるのかよ…」
「あるよ!」
「怖いな…それは」
「それと、ここ一年くらいは作ってなかったし!」
「ああ、そういえばそうだな」

 双葉の言う通り、最近は彼女についての噂を聞いていなかった。俺は校外の人とでも付き合いだしたのかと思っていたけれど。
 しかし、双葉からそんな話を聞くと怖くなってくる。三か月続いたことないという伝説を持つのだ。自分でそれ以上続くとはとても思えない。

 思い切って双葉にそう言うと、彼女は笑って言った。

「大丈夫だよ」
「そうか?」
「うん。だって、その、武野のことは、ずっと想っていましたから…」

 だんだんと俯きがちになりながら、双葉は俺にそう言ってくれた。
 恥ずかしいのが伝わってきて、こっちまで恥ずかしくなってくる。そのせいか、俺は自分の耳が真っ赤になっているのを感じた。

「今までの人たちは、『結局、武野がいるし』ってことで別れてきたけど…武野は違うし…」

 ここはきっと喜ぶところなのだろうけど…今までの彼氏の人たちが不憫だ…。
 もし俺が第三者の立場だったなら、そんなやつあり得ねえ、別れた方がいいと思うかもしれないけれど。当事者だからなのかどうかは分からないけれど、不思議と嫌悪感は一切なかった。

 だって、本当に短い間だけど、どれだけ俺のことを思ってくれているかは伝わって来たから。

「でも、なんでよりにもよって俺だったんだ? 他にいいやつたくさんいただろ」
「…それ、いろんな人に言われるけど、逆になんでって思う」
「なんでってお前…」

 あまりにも当然のように言うので、俺は一瞬たじろいだ。まさか、こんな返事が返ってくるとは夢にも思っていなかったからだ。双葉はいつも俺の予想をはるかに超えてくるな…。
 本当に疑問そうな表情を浮かべている双葉に、俺は並べられるだけの自分の欠点を上げてみた。

「ほら、俺ってあんまり話してても楽しくないだろ?」
「そうかな? オレは楽しいけど」
「いじられキャラだし」
「そうだね、よくいじられてるし。ドンマイ! でも、あんまり気にしたことなかったな」
「別に性格がいいわけじゃないし
「そう? 優しいと思うけど」
「運動とか勉強ができるわけでもないし」
「オレよりはできるでしょ」
「あ、なによりブサイクだし!」
「オレは好きだけどなー」

 駄目だ。俺には双葉を説き伏せることができない…!

 恋は盲目というけど、彼女の目の前にはフィルターでもかかってるんじゃないかと思う。じゃなっかたら、こんなこと言うはずないし…。

「俺を好きになるって、お前の感性おかしいよな…」
「よく言われる!」

 よく言われるのか…。

 元気よく彼女が発した言葉で、ふいに俺の心にぐさりと剣が刺さった。
 やっぱり予想できない…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!

りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。 食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。 だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。 食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。 パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。 そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。 王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。 そんなの自分でしろ!!!!!

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...