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あなたの匂い

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傷も癒えてきた頃。

いつもの見慣れた駅。

何気なしにスマホを眺めていると、ふわっ、とあなたの匂いがした。

どんな柔軟剤を使っても消せない、あなたの匂い。

懐かしい気持ちと泣きそうな気持ち。

泣きそうな気持ちが強いかな......?

少しだけ、、なんて言えない期待が押し寄せてくる。

その期待が叶わないことなんて最初からわかっているはずなのに。

帰りにセールをやっているパン屋も、朝に寄っていたコンビニも。

あなたの影だけがそこにいる。

必死に見ないようにしているのに、そうやって思い出させるんだね。

そして、今日もわたしをガッカリさせるんでしょ?
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