ブラックジョーク

雅内

文字の大きさ
上 下
2 / 2

恋心

しおりを挟む
許されない恋をしてしまった。

俺は医者としての立場と現在の社会的地位があり、そして妻と子供がいる身。

この年齢になって、患者に恋心を抱いてしまった。

許されない。

分かっている。

だが、定期的に治療に訪れるその患者と話をするだけで、心が躍り、若いころに感じていた甘酸っぱい気持ちに包まれる。

不倫の経験のある同僚にも相談した。

俺の気持ちを今一番分かってくれるのは彼だけだと信じて。

「やめとけ! 患者に手を出すことと不倫は同等ではない」

望まぬ回答に俺は言葉を見付けることができなかった。

俺はこの気持ちを押し殺したまま患者と向き合わなければならないのだろうか……

許されない恋心を抱くこと自体が罪なのだろうか?

肩書がなんだ!

家庭がなんだ!

すぐにでも離婚して、こんな仕事辞めてしまいたい。

こんなにも苦しい気持ちになったことを後悔していない。

俺は、白衣に付けられた名札を引きちぎり、床に投げ捨てた。

名札が地面をはねて、俺の方を向いている。






男性のAGA・薄毛治療専門クリニック[院長 佐伯隆二郎]
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

翼
2018.12.09

悪魔の腕の代償とは予想ですが
そのお金が無くなると死ぬということではないでしょうか?
違ったらすいません

解除

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。