幼馴染を追って異世界へ〜『¥300,000,000』廃課金した最強アカウントをLv1からやり直し、「超重力」属性を使って〜

甲殻類

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7章 魔導学園 1年生編

85話 遅刻

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 昨日は雨で黒聖の寮に寄りかかるように生えている木々や葉に朝露が溜まり重さに耐えられなくなった露が弾く。中には弾く者もいればそのまま何の不自由なく落下していくものなどもいて様々で、朝露に光が反射し余計に朝の日差しが眩しく感じられ、その光がカーテンを閉め忘れていた窓から入射し部屋を鮮やかに彩る。

 その光がちょうど寝ている俺の目元に近づき覆いかぶさるとその光を感じていつもの時間より早く起床してしまう。

「目覚めは良いがもう少し寝たかったなぁー」

 ここは自室なので誰の目も気にすることなく独り言を喋れる。
 今日は学園での本格的な授業が始まって2日目、1日目はバルトが休んでいたのであまり異世界らしい授業ををしなかった。殆どウタゲ先生の愚痴で終わったなぁ……

 そんなことはさておき今日からはバルトは復活することが分かっているので恐らくバルトも教室には顔を出すだろう。

 ベッドから起き上がり、水で顔を濡らし目を覚ます。そのままいつものルーティンを終え汗を流した後に朝食を食べに1階の食堂へ向かう。

 お盆を取り、移動しながら食堂のおばちゃんに皿にご飯をよそってもらい席につく。

 小耳に挟んだことだが、この食堂のシステムも魔法やスキルで応用しようという案が出たらしいがこの形がいいという先生や生徒の要望で消えたらしい。分からなくもないな……こうやって人に作ってもらうことに意義がある。

 他の人達はまだ寝ているのか食堂で朝ごはんを食べているのは俺だけだった。ルーティンの時間を合わせてもまだ全体の起床時間にはならないくらい早かったのだ。俺は朝食を食べ終えて自室に戻る。



「さて、ここからどうするか……」



 早く起きすぎてちょうどみんなが起床する時間に全てを終えてしまった。



 時間的にまだ余裕があり本でも読もうと思ったが朝ごはんを胃に入れ満腹にしたおかげか睡魔が襲ってくる。

 俺はそれに逆らわずにそのままベッドにダイブする。



 超久しぶりの2度寝だ!!







**





 さて、2度寝というのは怖いもので夜に寝た時よりもぐっすり眠ってしまう。俺は起きる自信があったのだが久しぶりだったせいかその感覚が脳から消えていたらしい……



 ベッドに寝っ転がったままアイテムボックスを開き時計を見ると授業開始10分前だった。

 まだ、制服に着替えておらず身だしなみも整えていない。身だしなみはこの際どうでも良いとしても制服には着替えないといけない。

 俺は急ぎたいがいつも通りのスピードで制服に着替えて逆にゆったりとしたスピードで準備する。



 あっちの世界の学生時代の時は寝坊をするということがまずなかったのでこういうことに慣れていない。

 殆ど初めてみたいな経験で急いだ方が良いのかどうするのか感覚がうまく掴めないのだろう。



 制服に着替えながらそう推測する。



 そして、制服に着替え終えてからジワリジワリと今起きている恐ろしい自体の実感が湧いて出てくる。



 それから教室までの約300mを全力で走っていた。300mといっても真っ直ぐな直線ではないので恐らくもうちょいありそうだ。



 着替えで5分取られたので残り5分なんとかギリギリつきそうではあるので一先ずは安心といってもいいだろうと思った瞬間——



 俺は後ろから肩を組まれる。



「よぉ久しぶりじゃねーか」



「どういうつもりだ」



 肩を組んできた腕を少し嫌悪感を顕にして突き返す。そう、こいつはこの間ぶつかりそうになったやつだ。



「なんで走ってんだ?」



「見てわかんないのか。時間ギリギリなんだよ」



 俺は少し迷惑そうに返すとふーんと頷く。



「そういえばこの間はすまなかった俺の前方不注意で……」



「あ?ああそんなことあったっけな。まあそんなことはどうでもいい俺と学校まで残り約200m競争しようぜ」



 小学生のようなノリで誘ってくるがこっちはこっちで競争などせずとも全力疾走なんだが。まぁだが久しぶりにこういうのも悪くない。



「いいけど……」



「いいねぇ~!じゃあゴールは棟の入り口に先にタッチしたやつだ! 」



 そのままいきなり加速する。俺は置いてかれ一瞬ぼーっとしていたが我にかえり加速する。



 やつは普通の道を走らずより近い道を選択し壁を駆け上がり木々を跨ぎながら異常な速度で向かっていく。

 俺はやつの背中に張り付きともかく離れないよう集中する。背中に張り付いて最後に抜けばいい。



「へぇ~良いねぇ」



 するとさらに加速し俺は少しずつ息が乱れてくる。魔法やスキルを使っていないのにここまで動けるとは……



 その直後、壁の上に駆け上がり一瞬膝を深く曲げ跳躍する。だが、この跳躍が通常の跳躍とは違い約50m以上跳んでいた。



 やばいぞ……このまま跳んだ先に本棟があるなのでこの跳躍中になんとかしないといけない。

 しかもやつは跳躍する瞬間足の裏で少しだけ身体強化魔法を使用して跳んでいた。この精密な魔法スキルのコントロールは冴えるものがある。



 俺も関心している場合でない。すかさず壁を蹴る瞬間に身体強化魔法を発動する。やつにあの精密な技を見せつけられたので俺はさらに精密な跳躍に必要となる筋肉を細胞から強化させ飛び上がる。

 この身体強化魔法は一瞬の効果しかないので落下は落下で使わないといけないので結構めんどくさい。



 少しやりすぎてしまい跳躍というよりかは弧を描くように空を飛んでいるような感覚だった。



 そしてそのままやつを追い抜かし本棟前に着地する。



「やるなぁ」



 なっ!!



 着地は俺1人かと思っていたが同時にやつも着地していた。



「追い抜いたはずじゃ……」



「ああ抜かれたぜ。まさか抜かれるとは思わなかったから空中でもう一度跳躍したんだよ」

 俺は肩を軽く叩かれそのままやつは本棟の中へ入っていく。



 まさかハヤト並にやれそうなやつがいるとは思ってなかったぜ。湧き上がる楽しみで遅刻しそうなことを忘れていた。



「やっべそういえば時間!」



 そのまま教室まで階段を駆け上がり到着する。



 勢いよく扉を開けるとすでに皆席に付いていてウタゲ先生もちょうど話出す瞬間だった。



 どうやらギリギリ……



「1秒遅刻だな……」



 遅刻のようです。



 まぁ1秒だったので今回は許してくれたが次はないとウタゲ先生に笑顔で警告されたので次やったら確実に死だな。

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