幼馴染を追って異世界へ〜『¥300,000,000』廃課金した最強アカウントをLv1からやり直し、「超重力」属性を使って〜

甲殻類

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7章 魔導学園 1年生編

87話 午後

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 俺は本棟を出て適当な売店で食料を調達して昼ご飯を綺麗な庭を眼前に柔らかい日にあたりながら木の幹に寄り添う形で座っていた。


 優勝商品か……



 そう、魔導修練際のトップの学園には様々な優勝特典が付く。1つ目がその年卒業の生徒への破格の優遇制度だ。卒業後は帝国の騎士として従事したり冒険者をやったり商人や旅人など生徒それぞれやりたいことは分かれる。例えば帝国騎士ならいきなり上官を任されたりなど優遇されたり冒険者ならいきなり高いランクから商人なら帝国お墨付きとして売り上げの5パーセントを国から支援してもらえたりなど他にも山ほどある。



 ただそれも実力がなければ続いていかないのでこれをうまく使っている生徒はかなり少ないと言われている。

 そりゃまず優勝して、そのあとの仕事でも成功してとなるとそう甘くはない。



 確実なのは他の人達よりは成功する確率が高いということだけだ。



 学園側にも当然メリットはあって、学園運営資金の補助が国から支給されさらに先生の給料が上がるとウタゲ先生は豪語していた。主にそれ目的でやる気満々なのだろうがなんにせよやる気があることはいいことだ。

 まだまだ他にもあるみたいだが全部が全部毎回確実にあるわけではないので分からないらしいが、これだけ優勝商品が揃えられるとそりゃ嫌でもやる気はでる。



 野菜サンドを頬張りながらアイテムボックスに冷えて入っているトマトジュースを取り出しちびちび飲む。

 うん……鮮度良好。



 俺は昼ごはんを食べ終えてそのまま図書館へ向かう。図書館ではハヤトと待ち合わせしているが時間がまだ余裕があるので先に寮に戻って返したい本を持ってくることにした。











「なんだか見るたび来るたびに寂れてないかここ……」



 中は綺麗なのに……外観をもっと綺麗にしてここに来やすいようにすれば人は増えるだろうに……



 心の中で改善案をいくつか候補に出すが即座に撤回する。そう、ここはこの雰囲気を楽しむ場所だからな。



 待ち合わせ時刻より早めに着いたので先に借りていた本を返すことにした。



 カウンターに置いてある魔法陣の描かれた開いた本の横にある返却口に本を入れる。

「う……うみゅ……む……」



 あれ?この返却口音声機能なんてあったっけ?



 という冗談はさておき。カウンターの奥に置いてある見るからに柔らかそうな赤いソファの上で以前出会った少女が気持ち良さそうによだれをソファに垂らしながら昼寝していた。



 しばし様子を見ていると真上を向いて寝ていたのだが寝返りを打とうとしてソファの背の部分に顔を埋める。

 数秒後息苦しくなったのか大きく回転してソファの背の反対側へ移動するが体の半分がソファからはみ出しそのまま体重を支えきれなくなり顔を下にしてその流れに任せ落下する。



「ふべっ……すー……す……すー」



 嘘だろこの状況下で起きないのか……



 俺は仕方なくその少女を抱きかかえソファの上に少女を置こうとした時——



「やあアキト久しぶりだね!」



 突然現れたハヤトに気づけず少女を抱きかかえたまま静止してしまう。



 この姿を見たハヤトも笑顔のまま静止していた。



 この状態の何秒かで頭をフル回転して言い訳を考えるがこんなことそうそうあることではないので都合の良い言い訳が思い浮かぶわけでもなく……



「いや、これは……なんだ……なんだっけ?」



「いやいやそれは僕が聞きたいところだよ!アキトがまさかロリ……」



「おい!それ以上は言うな。——断じて違う!」



 最後のところを少し低いトーンで言うことで真剣さをアピールしてみたが無駄に終わりそうだ。

 ハヤトは冗談だよと言うように肩をすくめ俺と同様に本を返す。



 俺はその様子を見てからこの少女をソファの上にそっと慎重に置く。



「で、その子は?」



「名前も知らん……」



「え?」



「いや、本当に」





「へぇーそんなことがあったのかー」



 あれから俺達はソファのある場所に座りトマトジュースをご馳走しながらあの少女との出会いの経緯を説明していた。



「でも不思議だねこの時間帯何もしてないと教師にいちゃもんつけられるのに」



「ああ、それは俺も思ったんだよ」



 それ対策で図書館で一応本を並べてページを開いたり閉じたりしているわけで……



「クラスは黒聖だしアキトはひょっとしたら同じクラスかもしれないよ」



「冗談はやめてくれなんか本当にありそうだから怖い」



「まああの少女のことは一旦置いといて本題に入ろうか」



「そうだな」



 俺はトマトジュースを一口、口内に含め喉の渇きを潤し本題に入る。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「ほぉーやっと書類が片付いたわい」



 学園長はそう言いながら肩を軽く2、3度叩いている。私は呆れざまに学園長に現実を叩きつける。



「学園長毎年この時期は分かっているとは思っていますが魔導修練際の書類がまだまだたんまりありますので」



「ほっほっほ。少し休憩じゃ」



 そう言って学園長はそのまま窓を開け飛び降りる。



「学園長!!」



「ひゃっほーい!!」



 まるで子供のようにはしゃぎながら飛び降りていってしまった。まぁ毎度のことなのでもう驚きはしませんが単純に私の仕事量が増えるのでやめて欲しいものです。

 学園長の場合窓から飛び降りた場合は何か気になることが発生して仕事を放棄してでもやりたい案件だったっけ?

 これは学園長を観察していて分かったことでこのケースは滅多にないので忘れていた。



 はぁー何もないといいですが……



 学園長が飛び降りて行った開けっ放しの窓に近く。本当に、ここまで何mあると思ってるんですかね学園長は!

 高いところが苦手な私はなるべく下を見ないようにして窓を閉める。



 魔導修練際……今年はどうなるのやら。

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