翠名と椎名の恋路(恋にゲームに小説に花盛り)

jun( ̄▽ ̄)ノ

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20・椎名と燃得が相合傘2

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「おぅっ、きつい雨だ……」

 傘を持つ椎名、となりに年下男子を抱えながらつめたい空気に少しぶるう。

「ほんと、きつい雨っすね」

 燃得、傘に守ってもらいとして椎名との距離を甘く詰める。するとどうだ、冷たい空気の中に温かさが混じってきた。しかもそこにムワーっといいニオイがたっぷり渦巻いてもきた。椎名というDカップ女子から上がってくるそれを遠慮することなくたっぷり吸い込むと思わずにいられない。男子に生まれてよかったぜ、めっちゃ最高だぜ! と。

「わぅっ!」

 椎名のいいニオイを甘く吸い込みまくっていたら、発生した突風が横から燃得にぶつかる。それで燃得は少しだけ体勢を崩してしまい、不可抗力って動きになった前腕の側面が隣にいる椎名の豊かな胸に当たった、それはいきなりラッキーの到来だ。

 ボワン! っと椎名のシャツに覆われた白フルカップブラってふくらみが揺れた。するとサービス! という感じでやわらかい弾力ってキモチいい感覚も燃得に与えられた。

(うぉ、デカ! Dカップって見た目よりデカい……さすが佐藤の姉)

 燃得、いきなりのラッキーに酔いしれかけるが、それをやると女から白い目で見られるが避けられなくなる。何事も最初が肝心、本性を現すのは後になってから。

「あぅっと、ご、ごめんなさい……」

 燃得、顔を赤くし椎名を見る。

「ん……まぁ、今のはわざとじゃないからいいよ」

 椎名はあっけらかんって感じの顔でさらりと言ってくれた。おぉ! 冷たいようで実は抱擁力に満ちた巨乳なのでは? なんて、燃得は思わず心の中で身勝手に盛り上がる。もしかしすれば乳揉みしても、わざと倒れて乳に顔をうずめてもさっくり許してくれるのでは? いや、もしかしたらやさしく甘えさせてくれるのでは? などと、男子のらしさ爆発って思考に溺れる。

「あ、でもお姉さん……」

「なに?」

「も、もうちょっとだけ傘を……」

 いま、燃得の体は左側が結構濡れている。真ん中から右はだいじょうぶなのだが、左はかなり濡れている。

「ダメ」

「え、ダメって……」

「あんたが濡れないようにしっかり守ったら、わたしが濡れてしまう」

「そ、それは……」

「男は濡れてもいいけれど女はダメなんだよ。そして女を守るためなら、おれはよろこんで濡れます! 女のためなら喜んで上から降って来る槍に突き刺されます! って心意気を見せるのが正しい男なんだよ、ちがう?」

「ぅ……」

 きびしい……佐藤翠名の姉たる椎名はきびしい女子だ……と燃得は思わずにいられない。だがしかし、そのきびしさと絡み合う萌えな感じがたまらない。だからますます甘えたくなってしまうなどと燃得は思ったりする。

「あの、お姉さん」

「なに?」

「おれのこと燃得って言ってくれていいです、っていうか呼ばれたいです」

「いいけど、なぜこだわる?」

「だって、だって、お姉さんみたいに魅力的な巨乳女子から名前で呼ばれるなんて、そんなの男にとっては幸せ以外の何でもないじゃないですか」

「ん……わ、わかった、じゃぁ燃得って言うよ」

「やった!」

 燃得はいま、なんとかして椎名の気を引きたいと思った。少しでもいいから気に入ってもらいたいとも思った。佐藤翠名ってFカップな巨乳と親しくなれないのであれば、佐藤椎名ってDカップ女子とラブラブしたいと、男らしくあざとく願うゆえ。

「ところで燃得……」

「はい?」

「翠名ってクラスでうまくやれている? なんか問題抱えたりはしていない?」

 姉として妹を気遣うやさしさが出た。燃得は椎名のいいニオイを嗅ぎまくりながら、そういうやさしい姉っていいなぁと思ったりしながら、だいじょうぶっすよ! と言って安心させた。

「それに佐藤はいま望とラブラブモードだし……」

 嫉妬混じりな声でボソッと燃得が言った。その瞬間、歩いていた椎名がふっと立ち止まり、なんだそれ? という顔を横に向ける。

「望? それって誰? 女の子?」

「いや、男子っす、おれの友人」

「男の子! 翠名って男の子と付き合っているの?」

「あ、あれ? お姉さまなのに知らなかったんですか?」

「むぅ……翠名……」

 椎名は左手だけで傘を持つってカタチを取ると、フリーになった色白な右手をギュウっとにぎる。そしてなんだこの話は……とあからさまに不機嫌へ移行したと顔に出す。

(お、これってもしかしてチャンスなのでは……)

 燃得の中にある男子の思考というのがすばやく仕事を開始。それによるとこうだ。姉の味方をし、望と翠名が破局するような展開になれば、Dカップって姉からは感謝され彼女になてくれるかもしれない。さらに言えば、あわよくば傷心状態のFカップって妹も取り込み巨乳愛人みたいな存在にできるかもしれない! と。

「燃得」

「はいな、なんですか?」

「その望ってどんな男の子なの?」

 姉の妹を思う親心みたいなモノが動いている。これはチャンス! と燃得は心の中でガッツポーズ。それから一瞬の時間でまずは考える。

 まずウソはダメだ。ウソを言って盛り上げてしまうと、あとでちがうじゃん! となったときウソつきな自分が損をする。だからウソはいけない。ではどうするか? 真実であればよい。それであれば大げさに言ってもウソや罪にはならない。それで望のイメージ低下を誘えばいいのだとナイス! な考えが固まる。

「望は別に悪い奴じゃないです。一見するとおとなしいタイプ」

「一見?」

「あいつゲーム好きでゲーマー志望なんだけれど、ゲーマーとしての本性を隠しているんです。それが出たら暴言吐きまくりでヤバい奴になるんだけれど、それを表に出さないでいい子ぶっているんです」

「暴言?」

「ほら、ゲーマーって熱くなったら下品になるじゃないですか、死ね! とか、ボケ! とか、ブッ殺す! とか、そういうの連発しまくり! 怖いですよね」

「ん……ぅ……そんなのと翠名が付きあっているわけ?」

「かなり熱い感じになっていますよ。でもお姉さんはそれを知らなかったんですか?」
 
 燃得はいまバッチグーな一言を放った。お姉さんはそれを知らなかったのですか? というのがそれだ。それは椎名の中にある姉としてのプライドを少しだけ傷つける。

「あ、でもお姉さん……」

「なによ」

「望は別に悪いじゃないですから、あんまり心配しなくてもいいと思います。そ、それに佐藤だっていい子だから……だいじょうぶですよ」

 こんな風に気遣いを最後の方に持ってくると、燃得はいい奴! となり、善人としてのイメージが一気に跳ね上がる。そして最後の締めを放つ。

「あ、あの、お姉さん」

「ん?」

「お、お姉さんのメールアドレス……教えて欲しいです」

「メールアドレス?」

 燃得、この流れながら教えてくれるはずと思った。そして教えてもらったら、それを突破口にしてDカップ女子と親しくなるのだ! と甘い絵を心に描く。

「やだよ、いきなりメールアドレス交換とか、そんな事するわけないじゃん」

 プイ! っと拒否されてしまった。あれ? この流れでそれ? やさしくしてくれるんじゃないの? と燃得はちょっとショックを受ける。だが重要なのはこれから、へこたれてはいけないのだ。

「だ、だったらこれを……」

 用意周到な燃得、ここぞという時に出す! として、自分の名刺を作っていた。立ち止まり、サイフからそれを抜き出し椎名に差し出す。

「名刺って……こんなの作ってどうするのよ」

「だ、だって……お姉さんみたいな魅力的な人がただ通り過ぎるだけって淋しいじゃないですか? こういう時のために用意しておいたんです。ダメですか? おれの考えとかやっていることって間違っていますか?」

「ん……わ、わかった、とりあえずもらっておくよ」

「おれ、お姉さんからだったら365日24時間メールを大歓迎しますから」

 そんな事を言った燃得、いつまでも椎名の横に位置していたいと思ったが、無情にも分かれ道がやってきた。椎名はまっすぐ行くと言うが、燃得は左に曲がらねばならない。

「家に帰ったらすぐシャワーとかして、風邪をひかないようにするんだよ?」

 椎名がやさしいお姉ちゃんみたいに気遣ってくれると燃得の心臓にはズキュン! って効果音が突き刺さる。だから燃得はありがとうございました! と言って雨の中で一礼。こういうかわいい姿は椎名の胸のふくらみは刺さる。

「火高燃得か……覚えておこう」

 こうして椎名は歩きだすが、話が終わったわけではない。燃得が消えたら、妹の翠名に対するいら立ちが本格的に立ち上がる。

「翠名……姉のわたしに内緒で彼氏を作っていたとか……」

 帰ったら即効裁判を始めようと息を荒立てる。道路の水たまりをビシャビシャ勢いよく歩いて行くところかしても、椎名はいまガッチリと怒っている。 
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